羅針盤 夢を持って、世界とつながれ

平成27年度 修了式講話

平成27年度 第3学期 修了式 校長講話
◎今年のキーワードを「挑戦(チャレンジ)」としました。
・それぞれ一人一人が持っているテーマに「進路をどうするのか?」があります。
・参考としたいモデルがあります。君たちのすぐ前を歩いてくれた先輩、先日卒業式を終えたばかりの先輩達の例が良いお手本になります。進学、就職試験に果敢に挑戦して見事に結果を出してくれました。中でも、九州で最難関とされるレベルの大学、九州大学法学部に現役合格を果たしてくれた生徒がいます。先日、校長室へ合格の報告に来てくれました。
・「合格に不思議の合格なし、不合格に不思議の不合格なし」といいます。必ず、起こった出来事には原因と理由があります。「合格を自己分析すると、どういうことだと思いますか?」と聴いてみました。話してくれている時の様子は、常に真摯で素直な姿勢と態度が感じられました。まとめると、次の3点になります。
 ①あきらめなかったこと。             【勤勉】 
 ②先生方、友人、家族に支えてもらったこと。【敬愛】 →   《 校訓 》
 ③彼の人柄も大きな要因であること。     【誠実】 
・誠実な人柄は、素直でまっすぐな構えを生みます。そこで、あきらめることなく努力を続けたこと、周囲に対する感謝を忘れなかったことが、大いなる挑戦を成功に導いた原動力であったということになります。そして一つの結果に満足するのではなく、さらに「高み」を目指して挑戦したことも大いなる成長の糧になったのではないでしょうか。

●未在を知る
 もうこれで十分だ。自分には学ぶものはもうない、と思うのは、大いなる勘違いです。どんな道でも究めることは難しいものです。もう学ぶことはない、と思った時点でその人の成長は止まってしまいます。「未在」とは「まだまだ学ぶべきことがある。」という意味です。

◎将棋のプロ棋士で羽生善治さんがいます。1970年生まれ、中学3年でプロ棋士にり、26歳の時、7冠王に輝き、2012年、大山康晴十五世名人の持っていた生涯獲得タイトル数を超えて、歴代1位となりました。昨年棋士生活30年を迎えた人です。その羽生さんの言葉です。
 今の世の中は動きが非常に速いですが、それは将棋の世界も同じです。めまぐるしく新しい戦法が出てきます。そこで、ミスを覚悟で思い切って冒険的な手を指すことがあります。そうしないと進歩がなく、取り残されてしまうのです。勝ち負けということでいえば、型通りの手堅い方法をとった方がいいでしょう。
 ただ、今日最善の方法は、数年後には負ける確率が非常に高くなっている。長い目で見ると、リスクをとらないことが逆に一番のリスクになる、と私は思っています。
 経験や今ある情報にばかりしがみついていると、頭を使って考えなくなったり、新しいことに挑戦しなくなります。
 将棋でも生き方でも、今の自分にとらわれすぎると広がりがなくなってしまい、行き詰まりや心の乱れを感じることになるでしょう。ですから私は、チェスをやったり、講演やイベントをできるだけお引き受けして、将棋以外の世界を広げるようにしています。