(2)高度な資格取得及び上級学校への進学者輩出

2018年11月の記事一覧

・繁殖技術講習会【SPH(2)】(2018/11/21)

・繁殖技術講習会【SPH(2)】(2018/11/21)
11月21日(水)神殿原農場で繁殖技術講習会が行われました。講師は、宮崎大学農学部准教授の北原豪先生(獣医学博士、獣医師)。
北原先生と一緒に直腸検査実習を行いました。牛には2人分の手が入るため、少し負担にはなりますが、少し我慢してもらいました。牛を交代しながら、実習を行いました。
「これが卵巣だよ」「今、ひっくりかえした」二人しか分からない世界。直腸の中で子宮を触診しながら先生からアドバイスを頂くことが出来ました。始めて卵巣の触診ができた生徒もいました。感覚を忘れないうちに練習を積むことで確かな技術となります。とても貴重な経験をさせて頂きました。
また、超音波画像診断装置を用いて卵巣の様子を見せて頂きました。牛の体の外にいながら子宮や卵巣の様子が目で見える技術。
高い技術を体験した、まさに、SPH(スーパ・プロフェッショナル・ハイスクール)でした。



繁殖技術講習会

本校、神殿原農場で繁殖技術講習会が行われました。講師の先生は宮崎大学農学部准教授の北原先生。獣医師の資格もお持ちです。そう、繁殖については勿論、牛についても学生の指導についてもプロ中のプロの方。専門的な学習が出来るうれしさ半分、難しすぎて理解できるのか不安半分、そんな気持ちで始まった繁殖技術講習会でしたが、結論から言うと、とても勉強になった時間でした。

牛を飼育管理する上で繁殖技術を身につけることはとても有効です。今回は雌牛の生殖器を直腸壁ごしに触診する、直腸検査技術について詳しく学ぶことが出来ました。

画像や動画をつかって分かりやすく説明してくださいました。「北原先生の言葉が分かる」事前学習会の成果を感じました。

カラープリントで分かりやすい資料を頂きました。先日、子宮の解剖を行ったときよりも色が濃い気がしました。

子宮の模型を触らせて頂きました。実際の子宮よりも扱いやすく、また、見えるため学習しやすい。こんな便利なものがあったことに驚きました。場所によって堅さも違います。噂によると1つ〇十万円もするとか・・・。

まさに灯台もと暗し。直腸検査で腸壁越しの生殖器を想像するためには自分の手の大きさを知る必要があります。親指の幅、中指の第一関節から先などみなさんも測ってみてください。私は意外に長いと感じました。自分の手のサイズって分からないものですね。

クイズ「中の物の大きさは?」。なかなか正確な大きさを当てることは出来ませんでした。写真の彼は先生が冗談のつもりで入れたウトラマンの人形を触診。「頭は長さ3㎝。この頭は最近のやつじゃない。」「長靴、手袋は昭和。」など専門的な言葉をぶつぶつと発しました。「そう、これはウルトラマン!」と正解をピシャリ。繁殖技術があるかないかは別にして、ウルトラマンの触診は右に出る者はいなさそうです。このあと「胸にブツブツがあればゾフィーなんですけど」と言っていました。脱帽です。

いよいよ牛を用いた直腸検査実習です。これまで学習してきたことや講義で学んだ知識を発揮することが出来るでしょうか。

先生と一緒に直腸検査。「これが卵巣だよ」「今、ひっくりかえした」二人しか分からない世界。直腸の中で子宮を触診しながら先生からアドバイスを頂くことが出来ました。始めて卵巣の触診ができた生徒もいました。感覚を忘れないうちに練習を積むことで確かな技術となります。とても貴重な経験をさせて頂きました。

妊娠末期の牛の直腸検査も行いました。胎児触れた生徒は「かわいーーーー」の声。周囲の生徒から「見えないだろう!」と突っ込まれていましたが、命を感じた本人はその感動を「かわいい」と表現したように思いました。

最後に、超音波画像診断装置を用いて卵巣の様子を見せて頂きました。牛の体の外にいながら子宮や卵巣の様子が目で見える技術。これから、更に練習を積んで身につけます。

はじめは不安もあった講習会でしたが、北原先生の優しく明るい人柄もあって、意欲的に取り組むことが出来ました。また、プロの技術を目の当たりにした生徒達は目を輝かせて取り組んでいました。牛の繁殖についての知識・技術は勿論、「学ぶことは楽しい」と感じさせてもらった講習会でした。北原先生、本当にありがとうございました。

繁殖技術講習会事前学習会2

 21日に実施される「繁殖技術講習会」に向けて事前学習会第2弾を行いました。内容は「性周期と性ホルモンの流れ」です。
 私たち人間や牛を含む動物はホルモンの影響を受けて生活しています。今回は繁殖に関係するホルモンの流れの仕組みを学習しました。



まずは先生の授業を受けます。ホルモン=指示。間脳視床下部、脳下垂体前葉、卵巣の間で指示のやりとりが行われ、その中で卵胞や黄体が変化することが分かりました。
分かりました?分かったつもり?理解を確認するためにアクティブラーニング。ホルモンの流れをお互いに説明し合いました。



相手に伝えることで自信が無い部分が分かる。相手の質問に答えることで知識が深まる。おかげで全員がホルモンの流れを理解することが出来ました。

11月21日の繁殖技術講習会に向けて、事前学習会は続きます。

繁殖技術講習会事前学習会1


 11月21日、本校では宮崎大学の獣医師の先生を招き、「繁殖技術講習会」を実施する予定です。その道の専門家に直接教わることが出来る、数少ないチャンス。そこではより、専門的なことを学べるよう、事前学習会を実施しました。

 繁殖技術講習会の内容は「牛の直腸検査技術習得」。直腸検査は勿論、超音波画像診断装置を活用した技術についても教わる予定です。

 直腸検査については練習を積んでいますが、なかなか上達しません。その原因の1つとして「見えない」ことが上げられます。

 直腸検査で子宮を触診する際、想像しやすくするためにも、ゼンカイミートさんから提供して頂いた牛の雌の生殖器を用いて学習を積みました。

 牛の雌の生殖器です。卵巣と子宮からなります。各場所の名称、覚えました。

 ちつ鏡を用いて、子宮外口をのぞいてみました。ちつ鏡をつかったことは初めてです。生きている牛では失敗できないので、やったことありません。生殖器を用いて練習です。牛が発情したとき、子宮は収縮し、子宮外口は開きます。今回は柔らかい状態で、子宮外口は閉じていました。発情していないときと同じ形です。

 雌の生殖器を持ってもらって、人工授精の練習です。ほとんどの牛は人工授精で妊娠します。人工授精するときは片手を直腸に入れ、直腸ごしに子宮をつかみ、操作します。もう片方の手は精液注入器を軽く押し込みます。生徒はヒダが有って通しにくい、子宮頸管を通すのに苦労していました。「平常心、平常心。ゆっくり、ゆっくり。」見えていてもうまくいかない。技術を得るためには練習が必要だと感じました。

 ちつ鏡、人工授精と練習したら、次は中身。解剖に移ります。

 先ほど、精液注入器の挿入を妨げていた、子宮頸管の内側です。見てみると精液注入器が引っかかり、通らなかった原因が分かったようです。

 2枚の写真は左右、卵巣の断面です。分かる人には分かる。興奮するほどきれいな卵胞と黄体を見ることが出来ました。卵胞が破裂して卵子が出る。それが排卵で・・・・。黄体ホルモンが出続けることで妊娠が維持されて・・・。少しマニアックになるのでやめておきます。

 今回はゼンカイミート様から牛の雌の生殖器を提供して頂けたおかげで貴重な学習を積むことが出来ました。生徒達は見えない生殖器を見ることで、イメージしやすくなったようです。

 直腸検査の練習を含めて繁殖技術講習会の準備を進めます。