2021年9月の記事一覧
R3卒業制作展(書道)説明文 坂口 理愛・2
(刻字:郷)
故郷をこれからもずっと大切にしていきたいという思いを込め「郷」の文字を選びました。字形は、私が3年間学び続けた造像記を基に創作しました。また枠にとらわれない大胆な構成に挑戦しました。
(下)創作の基となった造像記
R3卒業制作展(書道)説明文 坂口理・1
坂口 理愛(漢字の書:杜甫詩二首)
県高校書道展で最優秀賞を受賞した作品です。この後、さらに作品の高めて全国総文祭へ出品し、最高賞の文部科学大臣賞を受賞することができました。
(下)文部科学大臣賞受賞作品。現在、東京・代々木で開催されている「全国高等学校優秀作品展」へ出品中です。
「造像記」の書体に興味を持ち臨書を重ね、この作品はそれを生かし創作に挑戦しました。制作にあたっては、書いては壁に掲示し診断分析、また書いては診断分析・・・を繰り返して作品の質を高めていきました。
(下)制作の基となった造像記。野趣あふれる鋭い造形美が特徴的。
R3卒業制作展(書道)説明文 坂口 日奏・1
(漢字仮名交じりの書:夏目漱石「草枕」より)
夏目漱石・草枕の一節を書きました。私の心に響いた言葉です。
「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」
様々な人と関わることの難しさ、自分を保ち続けることの難しさを高校生活で学びました。また同時に、楽しく生活できるのも人の世だけだと、尊さを感じています。
高校生活で様々な書体を学びましたが、この作品は私が最後に力を入れて取り組んだ中国・明時代の書家、張瑞図(ちょうずいと)の書風をもとに制作しました。
制作の基となった張瑞図の書
R3卒業制作展(書道)説明文 向山 智帆・2
(漢字の書:無彊福)
限りない幸福という意味を持つ漢字3字「無強福」(強いは旧字体)です。
中国・清時代の書家・金農(きんのう)の特徴的な造形美に惹かれ、挑戦しました。平行で均一な横画の線を強調して雰囲気を出すことを意識しました。
今までお世話になった方々へ、福が訪れてほしいという思いを込めました。
(下)金農の書
R3卒業制作展(書道)説明文 向山 智帆・1
(漢字の書:杜甫詩「春望」)
3年次9月県揮毫大会で書いた作品です。中国・明清時代の書家、王鐸(おうたく)の行書をもとに創作しました。
(下)王鐸の行書作品。
揮毫時間120分間の中で、墨量の変化や字群をつくる構成を意識しました。県揮毫大会では、3年連続で第1位を受賞することができました。12月には全九州長崎大会へ出場したことは高校生活最後の思い出となりました。
(下)全九州総文祭長崎大会 九州席上揮毫大会にて(左:2年・坂井心 右:3年向山智帆)
R3卒業制作展(書道)説明文 渕上 遥南・6
(漢字仮名交じりの書:自作の詩)
私をここまで成長させてくれたのは、たくさんの経験を重ねた時間と、支えてくれた方々のお陰だと感謝しています。この思いを自ら考えた言葉で、そして私が最も打ち込んだ曹全碑(そうぜんひの書体で、手紙を書くように心を込めて制作しました。
(下)曹全碑・・・大らかな形態美を持つ隷書体
R3卒業制作展(書道)説明文 渕上 遥南・5
(漢字の書:沈佺期詩「遙同杜員外審言過嶺」)
七言律詩を2尺×8尺の紙面に創作しました。私が3年間力を入れて取り組んできた書体は隷書で、その中でも特に力を入れて研究した曹全碑」(そうぜんひ)をもとに制作しました。
字書に載っていない文字、画数が多く縦長になりがちな文字が多く苦戦しました。しかし、これまで研究を続けてきた隷書体でこの詩文に挑戦したいと考え取り組みました。列を整然と揃えること、伸びやかな形態美を心がけました。
(下)曹全碑・・・大らかな形態美を持つ隷書体
R3卒業制作展(書道)説明文 渕上 遥南・4
(刻字:時)
今ある1分1秒の時間を大切にしていきたい。また大らかにそして穏やかに、時を楽しみたいとの思いを込めました。
刻字は、選んだ文字を筆書きした後、板に文字を転写しノミと木槌を使って力強く刻します。
着色のあと、最後は慎重に金箔を貼って完成です。
R3卒業制作展(書道)説明文 渕上 遥南・3
(仮名の書:臨 深窓秘抄)
題材の深窓秘抄(しんそうひしょう)は、101首からなる和歌集を書写した巻子で、断簡にされず完本のまま現存しています。連綿と墨継ぎが巧妙で流麗な美を持っています。
(下)深窓秘抄
私は墨色の変化、縦の動きや流れ、漢字と仮名のバランスなどに気をつけて生き生きとした作品となるよう心がけました。
R3卒業制作展(書道)説明文 渕上 遥南・2
(漢字の書:雲鶴)
雲鶴とは雲と鶴とを組み合わせた文様で、平安時代は宮中の衣装の文様として定められていたそうです。中国では、流れる雲の中を飛ぶ鶴は優れた人格の持ち主の象徴とされました。私は「雲の中を飛ぶ鶴」をイメージし、大らかな作品を目指しました。
これまであまり取り組んでこなかった行書に挑戦しました。線に流れを持たせながら字形を整えることが難しかったです。