2021年1月の記事一覧

冬でも熱い実習棟 ~ 技能検定実技試験

 「磨け、技能 目指せ、達人」のキャッチフレーズで知られる技能検定実技試験(熊本県職業能力開発協会主催)が、1月6日(水)の午前、御船高校の第4実習棟で実施されました。部門は「普通旋盤作業」です。旋盤は難度が高く、今回は本校から3年生2人(女子1人)が2級、1年生4人(女子1人)が3級に挑戦しました。2級はさすがにレベルが高く、複雑な設計図をもとに3時間で金属部品の加工を仕上げます。一方3級はより平易な設計図に従い2時間で課題に取り組みます。国家検定であり、熊本県職業能力開発協会から4人の職員の方が立ち会われて厳正に行われ、生徒たちが造り上げた部品を持ち帰られました。審査の結果、後日、合否の発表となります。

 技能検定実技試験を私は初めて見学しました。昨日までの練習と異なり、生徒たち(特に1年生)の緊張感がこちらにも伝わってくるようでした。会場の第4実習棟は本校では最も広く、旋盤はじめ工作機械が並んでおり、一見すると工場のようなところです。エアコン(暖房)はありません。冷たい空気の中、作業する生徒たちの吐く息が白く映ります。生徒たちにとって、時間が早く過ぎたものと思われます。これが本番の醍醐味です。

 技能検定試験の終了後、指導された先生と受検した生徒たちが実習棟で弁当を取りながら反省会を行いました。生徒たちは皆、手ごたえを感じていたようで、ある1年生の男子は、「練習の時より良くできました。集中できました。」と笑顔で感想を述べてくれました。

 今年度は、コロナパンデミックの影響で「高校生ものづくりコンテスト」や「ロボット競技大会」など各種のものづくりの技を競う県大会、全国大会等が相次いで中止となりました。そのような中、技能検定実技試験を本校で行うことができました。3年生の2人は春から技術者としての道を歩み始めます。その先輩たちと同じ場で実技試験に挑んだ1年生にとって、大きな学びの機会になったはずです。隣の第5実習棟では、同じ時間帯にマイコン制御部ロボット班の3年生が1、2年生の後輩に技能を教えていました。

 寒波が襲来し、学校も冷え冷えとした空気に包まれています。しかし、電子機械科の実習棟では作業服の生徒たちが目を輝かせ活動しています。そこには若者の熱気が感じられます。学校の元気は生徒が生み出すものなのです。

 

仕事はじめ

 新年明けましておめでとうございます。

 令和3年(2021年)1月4日(月)は仕事始めの日です。朝は冷え込みましたが、空は清々しく晴れ渡り、新春にふさわしい天候となりました。次第に気温も上がり日中は10℃を超えたと思われます。グラウンドには朝からサッカー部や野球部の生徒が出て、初練習を行いました。日差しの下、野球部は久しぶりにバッティング練習に取り組み、打撃音を高く響かせていました。

 体育館では午前中、男女バレーボール部が練習に汗を流していました。生徒たちが練習している間に、顧問の先生たちが調理室でお雑煮の用意をしていました。練習後にみんなでお雑煮を囲むという楽しい企画です。

 年末年始の6日間の学校休業期間、生徒の皆さんはどのように過ごしていたのでしょうか? 新型コロナウイルス感染の第三波の渦中であり、「Stay Home!」がより強く呼びかけられました。体育系部活動の生徒たちにとって、同好の友と好きなスポーツができる喜びはかけがえのないものです。今日はコンディションも良く、待ちに待った練習再開だったでしょう。皆、気持ちよさそうに身体を動かしていました。

 一方、校舎内は人影がまばらでしたが、2年1組は担任の先生の呼びかけで、クラスの学習会が開かれていました。3年生への進級を前にして、生徒たちの学習意欲、進学意欲が高まっており、頼もしく感じました。

 3学期は1月8日(金)からです。しかし、今日から多くの先生方が出勤され、学期の準備に当たられました。ある担任の先生は、ホームルーム(担任教室)を一人で黙々と整理整頓されていました。「新学期、生徒たちが気持ち良く学校生活が始められるように」との思いからです。ある電子機械科の先生は、実習棟の工作機械を点検されていました。「安全な実習のためです」と言われました。このように、私たち教職員は、生徒の皆さんの登校を心待ちにしています。

 いまだコロナパンデミックに世界は覆われ、閉塞感を感じます。しかし、コロナ危機にあっても、自分の目標を見据え努力を続け、軸がぶれない生活を送っている人が世界の大多数を占めます。だからパニックも起きず、社会は機能しているのです。

 年末年始の特別休暇は終わり、日常の生活が戻ってきます。逆境にあるからこそ、確かな生活リズムで一日一日を大切にしていきたいと思います。