冬でも熱い実習棟 ~ 技能検定実技試験

 「磨け、技能 目指せ、達人」のキャッチフレーズで知られる技能検定実技試験(熊本県職業能力開発協会主催)が、1月6日(水)の午前、御船高校の第4実習棟で実施されました。部門は「普通旋盤作業」です。旋盤は難度が高く、今回は本校から3年生2人(女子1人)が2級、1年生4人(女子1人)が3級に挑戦しました。2級はさすがにレベルが高く、複雑な設計図をもとに3時間で金属部品の加工を仕上げます。一方3級はより平易な設計図に従い2時間で課題に取り組みます。国家検定であり、熊本県職業能力開発協会から4人の職員の方が立ち会われて厳正に行われ、生徒たちが造り上げた部品を持ち帰られました。審査の結果、後日、合否の発表となります。

 技能検定実技試験を私は初めて見学しました。昨日までの練習と異なり、生徒たち(特に1年生)の緊張感がこちらにも伝わってくるようでした。会場の第4実習棟は本校では最も広く、旋盤はじめ工作機械が並んでおり、一見すると工場のようなところです。エアコン(暖房)はありません。冷たい空気の中、作業する生徒たちの吐く息が白く映ります。生徒たちにとって、時間が早く過ぎたものと思われます。これが本番の醍醐味です。

 技能検定試験の終了後、指導された先生と受検した生徒たちが実習棟で弁当を取りながら反省会を行いました。生徒たちは皆、手ごたえを感じていたようで、ある1年生の男子は、「練習の時より良くできました。集中できました。」と笑顔で感想を述べてくれました。

 今年度は、コロナパンデミックの影響で「高校生ものづくりコンテスト」や「ロボット競技大会」など各種のものづくりの技を競う県大会、全国大会等が相次いで中止となりました。そのような中、技能検定実技試験を本校で行うことができました。3年生の2人は春から技術者としての道を歩み始めます。その先輩たちと同じ場で実技試験に挑んだ1年生にとって、大きな学びの機会になったはずです。隣の第5実習棟では、同じ時間帯にマイコン制御部ロボット班の3年生が1、2年生の後輩に技能を教えていました。

 寒波が襲来し、学校も冷え冷えとした空気に包まれています。しかし、電子機械科の実習棟では作業服の生徒たちが目を輝かせ活動しています。そこには若者の熱気が感じられます。学校の元気は生徒が生み出すものなのです。