「学校再発見」の文化祭 ~ 令和2年度龍鳳祭

 御船高校の文化祭は「龍鳳祭(りゅうほうさい)」と呼ばれています。校歌(昭和2年制定)の一節「龍鳳となり雄飛せん」から採られた名称です。巷では新型コロナウイルス感染の第三波が懸念される11月13日(金)、令和2年度「龍鳳祭」を開催しました。

 例年とは大きく異なり、規模を縮小し半日開催、そして保護者をはじめ校外からの見学者を入れないという異例の形式となりました。また、密集、密着を防ぐために、原則、学級単位で動くというルールを設けました。体験型の催し物には人数制限をかけるため事前に整理券を出しました。開会式(一斉放送)で「決められたルートを通り、決められた時間、決められた場所での見学、体験」と生徒会からの呼びかけがあったとおりです。このように様々な制約があっても、生徒会、そして私達職員にとっても、文化祭の実施にはこだわりました。今年度、これが全体として初めての学校行事だったからです。

 ホームルーム(教室)にいる間は、動画視聴の時間です。見学、体験には学級単位で動いて回ります。体育館ではスペースを十分に取り、1学年普通科のモザイクアート、手作りアクセサリー展示、的当てのアトラクションのコーナーが設けられました。また、2学年普通科の「総合的な探究の時間」の発表が掲示されました。特別教室棟では、美術、書道、写真、華道等の作品が展示され、観る者を引き付けました。2年4組(芸術コース)の特設スタジオも出現し、手作りの手腕を発揮しました。そして、電子機械科の実習棟では、ロボットやマイコンカーの実演が行われました。普段、実習棟に足を踏み入れたことのない普通科の生徒たちにとって、電子制御でロボットが動き、マイコンカーがコースを疾走する様子は新鮮な驚きで、歓声があがっていました。

 御船高校は、モノづくりの面白さを追究する電子機械科、音楽・書道・美術を通じて創造性を養う芸術コース、そして様々な学びの中から自らの進路を見付けていく普通科(特進・総合)と多様な学びが共存しています。日頃は異なる学びに取り組んでいる船高生が、学校行事や生徒会活動等で交流し、一体となり「チーム御船」の力を発揮するところが本校の強みなのです。

 僅か半日の文化祭でした。けれども、平常の授業日とは異なり、生徒たちの笑顔や歓声が満ち溢れる、特別な時間となりました。御船高校の多様性を生徒たち自身が再発見した文化祭だったのではないでしょうか。

 学校行事は生徒を成長させるものです。龍鳳祭を実施して良かったと思います。