提言する力を養う ~ 1学年「総合的な探求の時間」学習発表

   体育館で一斉に各グループのポスターセッションが始まると、活気が会場に溢れました。12月20日(金)の午後、1学年「総合的な探究の時間」(以下、略して「総探の時間」と云う)の学習発表会を開催しました。各クラスから2グループを生徒たちの相互評価で選出し、学年代表の12グループが体育館の各所に分かれ、「自分たちが住んでみたい町」のテーマで発表したのです。

 今年度の1学年の「総探の時間」は、1学期に上益城郡の産業や伝統文化を知る活動を行いました。それを踏まえ、2学期は自らが住む地域について知り、住みやすい、あるいは住んでみたい「まち」を考える学習に取り組みました。9月下旬には、実際に御船町でまちづくりに取り組んでおられる役場、観光協会、商工会の方をゲストティーチャーとして迎え、クラスごとにお話を聴きました。そして、御船町の課題に気づき、高校生なりの課題解決に向けた提言づくりを始めたのです。

 「総探の時間」は週に1時間しかありません。しかも、2学期は学校行事が多く、各グループで十分に調べ、課題解決に向けた学習の余裕はありませんでした。しかし、それでも高校1年生なりに提言することが大切だと考え、敢えて2学期の最後に発表会を設けたのです。9月のゲストティーチャーの方達をはじめ御船町議員さんや町おこしの団体の方など十五人ほどお見えになり、関心の高さがうかがえました。

 生徒たちの提言内容は、次のようなものでした。

・ 安全なまちづくりの観点から町中にグラデーションの街灯設置
・ 御船町キャラクターマスコットの「ふねまる」型のロボットをつくり、清掃及び防犯監視の機能を    持たせる

・  高校生が小グループをつくり一人暮らしのお年寄りを訪問し交流する
・ 町に小児科がないので小児科を誘致
・ 町を舞台とした映画製作 など 

 提言を聴かれた町の関係者からはやはり大人のご指摘、ご意見がありました。「費用対効果を考えていない」、「実際に町を歩いておらず、机上のプラン」、「自信がないのか、発表の声が全体的に小さい」などです。一方、「これらの提言の中から一つでも学校と町が協力して実現させよう」という声もありました。そして、全員の方から「このような取り組みを御船高校が始めてくれることを待っていた。」との歓迎の言葉を頂きました。

 県立高校とは言え御船町にある学校です。次代の地域社会を担う人材を養う使命が学校にはあります。コミュニティスクールとしての御船高校にご期待ください。