熊本県高校生ものづくりコンテスト

   第16回熊本県高校生ものづくりコンテストが6月16日(日)に開催され、会場校の玉名工業高校(玉名市)を訪ねました。同校は初めてでしたが、最初に充実した実習棟に目を奪われ、工業教育に最高の環境が整っていることを実感しました。ものづくりコンテストの会場校にふさわしい施設・設備の学校でした。さらに、「工業人たる前に よき人間たれ」のスローガンが校内の随所に掲示され、職員の皆さんが着用されている揃いのTシャツにもこの言葉がプリントされていました。技術だけでなく、挨拶や掃除、教室や実習室の整理整頓を重視されていることが伝わってきます。

   熊本県高校生ものづくりコンテストは、工業系学科及び総合学科に学ぶ高校生に目標を与える場を提供し、技術・技能の継承の推進を図り、本県そして我が国の産業発展を支える人材の育成を目指すことを目的に開かれています。

第16回の今回は次の8部門の競技種目が実施されました。

◇ 旋盤作業   11校11人参加      ◇ 電気工事   10校10人参加

◇ 電子回路組立 7校7人参加    ◇ 化学分析   3校6人参加

◇ 木材加工   5校5人参加    ◇ 測量     6校18人参加

◇ 家具工芸   3校6人参加

◇ 自動車整備  2校3人参加(*この種目だけ会場は開新高校)

 いずれも各学校の代表生徒が練習を重ねて準備して臨んでいます。各会場には緊張感が漂い、限られた時間の中で高い集中力を発揮する生徒たちの熱気が伝わってきて、観る者の胸を打ちました。

 御船高校からは電気工事に3年男子の託麻君、旋盤作業に2年女子の田中さんが出場しました。彼らは放課後、土日と繰り返してきた練習の成果を見事に発揮し、制限時間内で課題をやり遂げました。審査の結果、託麻君は惜しくも4位、田中さんは見事に3位入賞を果たしました。上位は紙一重の競い合いだったようです。全体的に女子生徒の入賞が増えていることが注目されます。

 付加価値の高い製品が求められる中、我が国のものづくりの現場力が落ちていると聞きます。若者の製造業離れが言われて久しいものがあります。しかし、エネルギーを注ぎ込み真剣にものづくりに格闘する高校生がいるのです。当日は県商工観光労働部の担当者や産業界の方、また保護者等が観覧されました。スポーツ(高校総体)、文化活動(高校総文祭)とは違う高校生のもう一つの技術の祭典があることを多くの県民の皆さんに知って欲しいと思います。