地域の課題を解決する力 ~ 電子機械科の課題研究発表会(1)

 3年生の学年末考査、通称「卒業試験」が1月28日(火)に終了しました。これで3年生は家庭学習期間に入るのですが、電子機械科の3年生(2クラス)は翌日も登校し、この1年間取り組んできた課題研究の発表会に臨みました(会場は第5実習棟フロア)。電子機械科の「課題研究」は生徒たちがそれぞれ班をつくり、各班で課題を設定し、担当の先生の指導を受けながら研究実践を行うものです。教育課程上は、2単位(週2時間)ですが、放課後や長期休業中にも自主的に活動してきました。

 1月29日(水)の1、2時間目、3年B組の発表が行われました。6つの班の発表のうち半分の3つの班が、地域社会の課題解決に挑む内容となっており注目しました。一つ目が、以前この「校長室からの風」で紹介した、御船町の小学校英語授業における人型ロボット(ペッパー君)に搭載する制御プログラム作成です。簡単な英会話、そして手ぶり、身振りの動作ができるプログラムを生徒たちがつくり、小学生の英語授業に貢献しました。

 二つ目は、御船町の害獣被害対策のためにイノシシを捕獲する箱罠の製作です。このテーマは昨年度の3年生から継続です。市販されているものより安価な手作りの箱罠を昨年度の3年生が製作したのですが、実際に設置してみるとイノシシに壊され、捕獲できませんでした。その失敗を糧に、今年度の班は、より軽量で持ち運びやすく、かつ丈夫な箱罠を作り上げました。しかし、完成が遅れたため、まだ実際に使用できず、実際の捕獲はこれからです。三つ目は、災害時に簡易に使用できるバーベキューコンロの製作です。学校の工作機具を使用し、鉄板を材料に作り上げました。災害で電気やガスが使用できなくとも、火を焚き芋や肉を簡単に焼くことができる手製のコンロが成果物です。

 電子機械科の生徒の強みは、モノづくりができる点にあります。これは普通科の生徒にはない絶対的な強みです。3年間の豊富な実習を通じて、モノづくりの面白さと難しさを知っています。自分たちに何ができるのかと考えた時、モノづくりの技能を持っていることは生徒たちの生きる力となるでしょう。

 地域社会には大人の手が回らないほどの沢山の未解決課題があります。モノづくりの基礎を身に付けた高校生であれば、その行動力とアイデアを生かせば、課題を解決できる可能性が大きいのです。

 御船高校電子機械科だからこそできる社会貢献があるのです。