共助の力 ~ 地域住民の方との合同避難訓練

 11月1日(金)の午前、秋晴れの下、近隣住民の方々との合同避難訓練(地震対応)を実施しました。校長挨拶文を次に掲げます。

 「今回は大地震が発生し、本校に住民の方も避難してこられるという想定の訓練でした。3年半前の熊本地震の時がまさにそうでした。多くの住民の方達が本校に避難してこられました。当時、対応に当たった職員は、学校は地域、コミュニティの拠り所であることを痛感したと語っています。

 御船高校は地域に開かれたコミュニティスクールです。非常時においても学校としてできる限りのことを行いたいと思っております。今日の訓練を契機に、地域の皆様とさらなる信頼関係を築いていきたいと思います。

 さて、生徒の皆さん、皆さんに伝えておきたいことがあります。それは、皆さん達高校生はもう守られる立場ではないということです。災害が発生した時、まず自分の命を自ら守ってください。そして次に周りの人を助ける側に回ってほしいと思います。皆さんはこれからの二十年余りが人生で最も体力ある時期となります。保護者もだんだん年を重ね、皆さんの気力体力には及ばなくなります。災害の時は、自分の安全を確保した上で、家族をはじめ周囲の子供たち、お年寄り、障害のある人達を助け支えてください。

 私達の国、日本は自然豊かな国であるがゆえに、様々な自然災害と共存する運命にあります。皆さんは、これからもきっと自然災害に出会うことになります。台風、集中豪雨による洪水、あるいは大地震かもしれません。それは避けられないことです。

 災害の時によく言われるのが三つの助け、公助、共助、自助です。公助は自衛隊や消防、警察のような公的組織力による救助です。最終的にはこれらに頼ることになるのですが、その前に共助、即ち地域コミュニティや学校、会社などの所属団体でどれだけ助け合えるかが鍵になると言われます。今日の訓練は共助の力を高めるためのものです。そして自助。自らが自分自身及び家族を助けることができるかです。

 皆さん達は熊本地震を経験しました。平穏な日常生活がいかに尊いものか、いったん災害に見舞われるとどんなに苦しく不便な生活を余儀なくされるのか、身をもって知っています。不幸な経験でしたが、この経験は皆さんの生きる力となります。やみくもに災害を怖がるのではなく、知識をもち準備もして、正しく恐れましょう。

 皆さんがこれから社会の防災の担い手として成長していってくれることを願い、挨拶を終えます。」