学校からのおしらせ

2020年5月の記事一覧

今、熊聾では・・・(その28)

 本日は今週月曜日(25日)からの段階的再開最終日となります。この一週間の子供たちを見ていますと、学校に通える嬉しさや安堵感を感じたり、友達と会話をしたり遊んだりできることを喜んでいる様子が窺えます。ホッと一安心した状況ではありますが、子供たちは少なからず緊張感や不安を抱えながらの5日間を過ごしたのではないでしょうか。土日はしっかりと休養も入れながら、且つ気持ちを少しずつ高めながら来週に備えてほしいと思っています。
 子供たちだけではありません。大人もしっかりと来週からの本格再開に備えていきましょう!


 
令和2年5月29日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その27)

 聴覚障がいは分かりにくい(理解が難しい)障がいとよく言われます。
 個々人の障がい(きこえ)の程度は様々であり、年齢や環境によってもコミュニケーションの方法は実に多様です。また、補聴器や人工内耳をしていても髪の毛等で隠れていたり、補聴機器を装用していなかったりすれば、外見上は聞こえる人と何ら変わらないため、きこえる人(聴者)は聴覚障がいに全く気づかないこともあります。
 それ故に本校の子供たちは誤解や差別を受けやすく、理不尽な対応をされてしまうことが時にあります。そんな時、悔しく歯がゆい思いをした子供たちや保護者・家族の方々はたくさんいらっしゃると思います。私たち熊聾の職員も同じです。
 子供たちの将来の「自立と社会参加」に向けて、本校卒業までに「主体的に人生を切り開いていこう」とする態度を育むことと併せて、聴覚障がいを正しく理解してもらうための理解啓発活動にも力を入れていきたいと考えます。
  

令和2年5月28日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その26)

 5月26日(火)、校長室に可愛らしい8人のお客様がありました。幼稚部新入学の赤組(3歳児)の子供たちです。
 「がっこうめぐり」という単元学習の一環で、校内の各所を回りながら学校に慣れ親しみ、やりとりの力やことばの土台を育てていくことを目的として行っているものです。例年であれば4月に行っているのですが、今年は否応なしにこの時期になってしまいました。
 想定内ですが、子供たちは校長室のソファーの上を歩いたり、飛んだり跳ねたりと、子供らしさを存分に発揮してくれました。

 
    令和2年5月27日      
           熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その25)

 寄宿舎生は今週いっぱい舎食がないので、3食を外注(弁当、パン等)で対応しています。(熊本地震の時のことを考えると、この点については先が見えていますので何てことは無い筈です。)つい先日は新入舎生A君の誕生日だったこともあり、急遽お寿司を取り寄せての誕生会があったと聞きました。寄宿舎の先生達の粋な計らいに、誕生日を迎えた生徒にとって、きっと忘れられない思い出になったことでしょう。「あの時は大変だったけど、みんなで工夫して頑張ったよね!」と言える時が早く訪れることを祈っています。
 さて、今週は食堂を広く使わせていただき、密にならない環境で食事をとっています。生徒間の距離は離れていても、手話が使える子供たちにとっては見える範囲に相手がいればコミュニケーションは全く苦になりません。手話の強みのひとつであることを改めて目の当たりにしました。
 一つだけ私から、平行になっているテーブル配置を少し菱形状にしてみてはと提案してみました。横に座っている生徒同士の顔や手話が見えやすくなるはずです。

 
令和2年5月26日        

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その24)

 いよいよ今日から、本校は段階的に再開します。
 先ずは子供たちの学校生活のリズムを少しずつ取り戻すこと(体力の回復)を目標に、各学部で外遊びの時間をとったり、体育の授業を少し多めに設定したり、放課後の運動場利用を促したりなど、出来るだけ体を動かす活動を取り入れていきます。(天気予報では今週いっぱい晴れの日が続くみたいで好都合です。)
 早速、休み時間には小学部の子供たちの弾む声が聞こえてきます。

 
令和2年5月25日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その23)

 以前、透明マスクについてのテレビ放映がありましたが、その時の内容も含めた第2弾として、本校及び県ろう者福祉協会等による特集が以下のとおり放映されます。是非ご覧ください。
 
 ○放 映 日:令和2年5月26日(火)
 ○テレビ局:TKUテレビ熊本
 ○時 間 帯:18時14分から4分間程度
 
※先日放映された透明マスクに関する本校ニュースは、TKUのネット上での週刊アクセスランキングトップということです。関心の高さが伺えますね。
 


    令和2年5月22日       

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その22)

 5月25日からの段階的再開に向け、本校では校舎内外の環境整備、配付用マスクや消毒液などの諸準備、そして感染防止対策の確認作業などを行っています。
 寄宿舎では、舎食の提供は6月1日以降となり、それまでの5日間は弁当等で凌いでいくことになります。そのような状況にもかかわらず、多くの舎生が寄宿舎からの通学を望んでくれているようで大変嬉しく思います。待ち望んでいた学校の再開と友との再会を楽しみにしていることでしょう。寄宿舎の先生達も弁当の調達先などを調べ上げ、着々と準備が進んでいます。
 さて、来週からの学校生活はあくまで段階的再開で、本格再開は6月1日からです。やむなく来週からの登校ができない舎生・通学生の皆さんも心配することなく、安心して6月からの再開&再会に備えておいてください。

  
令和2年5月21日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

  

 

今、熊聾では・・・(その21)

 前回の記事(その20)では、「コロナ面談」について少し触れましたが、実際に面談をする中で、ある先生から「自分の働き方を見直すいい機会になった。」という話を聞きました。大変な状況になっても自分を見失わず、転んでもタダでは起きないその精神に、私の口から思わず「凄い!いいねぇ!」という言葉が飛び出しました。
 働き方と言えば、本校でも働き方改革(業務改善)を推し進めています。各学部、寄宿舎、事務部ごとに今後取り組んでいきたい(いけそうな)具体的な業務改善の内容(アイデア)を書き出して、現在集約中です。
 仕事の質は落とさずに、無駄を省き新しいやり方を創造していくことを楽しみながら進めたいものです。

 
令和2年5月20日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その20)

 コロナウイルス感染拡大防止に向け世の中で「ステイホーム」の取組が始まるや、「コロナ鬱(うつ)」「コロナ疲れ」「コロナ太り」「コロナ痩せ(やせ)」等といった言葉が聞かれるようになりました。そのようなニュース等を見るにつけ、子供たちや先生たち(職員)のことがとても気がかりで心配になるものです。子供たち・保護者向けには、本校でカウンセリングをしていただいている井料美輝子先生からのメッセージ動画「手話で解説:家の中でこころの健康を保つために」に本校ホームページからアクセスできますので是非是非ご覧ください。(再生回数が5,000回に迫る勢いですので、既に多くの保護者の皆様も見ておられるかもしれませんね。)井料先生…動画のご提供本当にありがとうございました。
 さて、職員向けにはゴールデンウィーク明けから「コロナ面談」と勝手に称し、管理職と職員とのメンタルヘルスチェック面談を集中的に行っています。職員一同、体調を万全にして子供たちが学校に来る日に備えています。


令和2年5月19日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩   

今、熊聾では・・・(その19)

 本校の段階的学校再開の日程ついては、既に学校安心メールやホームページでお知らせしたところですが、次のお知らせとしては学校再開後の「感染症防止策(熊聾版)」を登校日に合わせて配付または郵送する予定です。各学部、寄宿舎で検討した具体的防止策について、現在、学校医さんに確認と助言をいただくようお願いしています。
 学校としても最大限出来得る対策を講じ、細心の注意を払っていきますが、保護者・ご家庭の皆様のご協力も是非ともお願いします。また、必ず「感染防止策(熊聾版)」に目を通していただきますよう、併せてお願いします。

 
令和2年5月18日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その18)

 本校教職員の在宅勤務を開始してちょうど1カ月が過ぎました。在宅勤務率8割を目指して取り組んできましたが、目標はほぼ達成出来ているようでコロナ感染拡大防止に大きく貢献できたのでは‥と自負しています。
 何せ初めての取組ですので、不安と戸惑いの中に在宅勤務はスタートしましたが、ある先生からは「家に居ることで絶対に自分には移らない、また他人に移していないという安心感がある。」という話を聞きました。まさに在宅勤務の目標はここにあると思いました。
 さて、在宅時の先生方の業務内容ですが、①授業に係る内容(教材研究、課題作成、手話の学習、動画作成、掲示物作成、学級通信等作成、学習指導要領読込、年間指導計画の見直し等)②分掌業務に関する内容(職員研修資料作成、専門書・文献研究、事務室業務の具体的内容検討等)③その他(保護者・生徒との連絡、関連機関等からの情報収集、マスク作成、コロナ関連の情報収集)等々と多岐にわたっています。細かい指示は出していませんが、先生方の創意工夫や独自の発想が見えて大変有難く、頼もしく思っているところです。
 さらに嬉しいことに、在宅勤務の成果物として先生方から私にマスクのプレゼントがありました。洗って使えるマスクです!…どこかで聞いたような…。有難く使わせていただきます。


 
令和2年5月15日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その17)

 5月12日、午後から3本立てで職員研修を行いました。その中のひとつとして飲酒運転撲滅研修を行いました。
 皆さんの記憶の新しいところでは、2年前の同じ5月12日早朝、自転車で登校途中の県内女子高校生が飲酒運転の車にはねられて亡くなるという大変ショッキングな事件(事故)がありました。
また、過去(平成18年)には福岡の海の中道大橋を通行中の車が後続の飲酒運転の車に追突され、3人の子供が博多湾に投げ出され、幼い命が奪われるという痛ましい事故もありました。何年経とうが遺族の悲しみは続き、心の傷が癒えることはないでしょう…。このことは大きな社会問題にもなり、後に道路交通法の改正にもつながり、飲酒運転とひき逃げの罰則が強化されました。
 研修のまとめでは、「誰にでも失いたくない大切な人がいるように、自分がいなくなると人が悲しむ。自分の命、他人(ひと)の命を大切にしてください。」と締めくりました。
 学校再開後は、時機を見て交通安全教室を学部毎に実施していきますが、交通安全教室だけでなく、様々な教育活動を通して「自分の命、他人の命の大切さ・尊さ」を学ぶ(育む)教育を進めて参ります。
 コロナ禍の今の状況も、学びの材料の一つになることは言うまでもありません。
 


    令和2年5月14日      

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その16)

 すでにテレビニュース等でご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、昨日午後、蒲島知事による記者会見があり、熊本県の感染状況が「感染拡大傾向期」から「感染確認地域」に移行したとの発表がありました。状況としては良い兆しとは言えるのでしょうが、まだまだ気を緩めてはいけないと思っています。皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。
 また、会見の中では、学校の段階的再開についても触れられました。知事の会見を受け、本校では今後の段階的再開について検討するため、本日早朝から臨時総務会(管理職、学部主事主任、教務主任)を開き、出来得る準備等について確認作業を行いました。

 これまで本校が設定している登校日についても、今後日々刻々と状況が変わることもあり得ます。重要な事柄については学校安心メールやホームページ等でお知らせしますので、必ずご確認いただきますよう、よろしくお願いします。

 

令和2年5月13日         

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その15)

 昨日(5/11)は久しぶりの登校日でした。各学部の教室を回りながら子供たちの様子を見たり、会話をしたりとわくわくする時間を過ごしましたが、まだまだどこか寂しい雰囲気であることは否めません。一刻も早くコロナが収束し、そして学校が再開し幼小中高の子供たち全員が揃うことを願うばかりです。

 昨日は子供たちだけではなく、数名の幼小学部の保護者の方(お父さん、お母さん)とも話ができました。休校期間が長くなるにつれ、特にお母さん方が抱えていらっしゃる不安やストレスが増してきている様子を感じ、胸が痛みました。中高等部の保護者さんとは話ができていませんが、何らかの不安や悩みを抱えていらっしゃることは同様かと察します。
 あるアンケートによると、聴覚障がいのある子供をもつ保護者の困り感として、次のようなことが挙げられています。①生活リズムの崩れ、②子供の運動不足、③授業が進まないこと(進路・就職のこと)、④手話環境が減っていること、⑤友達や先生と会えないこと、⑥ゲームやインターネットばかりしている。…等々です。④を除けば、きこえる・きこえないに関係なく言えることのようです。
 私の想いですが、「こんな時こそコミュニケーションが大切!」です。できれば、フェイス トゥ フェイスで。例えば、テレビ電話でもいいでしょう。個別に学校に来られても構いません。どうぞ、本校職員とより多く連絡を取り合っていただきたいと思います。ご意見ご要望、無理難題…とりあえず何でもおっしゃってくださいませ。そして、時には励ましていただけると有難いです。

令和2年5月12日      
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その14)

 GW(ゴールデンウィーク)は皆さん如何お過ごしだったでしょうか。

 きっと、Stay Home(ステイホーム)中心で、それぞれに工夫した過ごし方をされたのだろうと想像します。私は家の子供部屋だったところをトレーニングルームに模様替えし終え、日頃の運動不足を解消し体づくりをしようと本気で考えています。

 さて、学校内もGWとは言え、生きている野菜や花があちらこちらにあります。休みの日にもかかわらず、高等部の林田先生や小学部のたんぽぽ学級の先生方が水やりに来てくださいました。日照りが続いていましたが、お陰で野菜も花も元気にすくすくと、コロナなんてどこ吹く風で五月晴れの中育っています。

    令和2年5月11日

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その13)

 来週11日(月)の登校日に向けて、保健室から「保健だより」と「健康観察シート」の起案が上がってきました。

「保健だより」には、今の時期ならではの感染症予防対策と熱中症予防のための対策が載っていますので、保護者の方々にも是非お読みいただければと思います。私も解説に目を通しながらハッ!と気づいたことですが、最近はマスクを着けている時間が長いため、水分補給がおろそかになっています。皆さんそんなことはありませんか!?

 薫風の季節となりましたが、日中の最高気温は30度前後になることもあり寒暖差が大きい季節でもあります。特に、今は室内で過ごすことも多いでしょうが、室内であっても熱中症に対する注意は必要です。コロナだけでなく、他の疾病予防にも気を払っていきましょう。そのためにも、日常の健康状態の把握と健康管理が大切です。保健室作成の「健康観察シート」が役に立つことと思いますので、どうぞご活用ください。

    令和2年5月8日

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その12)

 4月30日(木)、登校日の午後に職員研修として「防災研修」と「学習支援・心のケア研修」を行いました。休校期間中という非常時であっても、必要性の高い事柄については、①密を避け、②換気に気を付けながら研修を進めています。

 防災研修では3人の講師(工藤先生、林田先生、千場教頭先生)から防災教育に関する基本的な考え方、校内防災体制と各人の役割、非常用持出し袋等について説明があり、再確認することができました。天災は時と場所を選びません。防災の予防対策を進めることはもちろん大切ですが、緊急事態宣言が発令されている今の状況下で大規模災害が起きないことを先ずは祈っています。

 学習支援・心のケア研修についてですが、こちらも3人の講師(松下先生、橋本先生、犬塚先生)から説明をしてもらいました。既に本校のホームページから動画等の配信を試みているところですが、今後更に充実させていくための仕組みやマニュアル、著作権の取扱いについて学びました。著作権の課題がかなりクリアできたので、今後多様な動画配信が可能になると思われます。しかしながら、各家庭のインターネット環境には違いがあります。インターネット閲覧ができない御家庭に対しましては、動画を収録したDVDの配付及び機器の貸出ができるよう準備しているところです。

 

令和2年5月7日        

熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その11)

 4月30日(木)、「透明マスク」に関してTKUテレビ熊本から取材がありました。そして、同日夕刻の番組の中で教室での様子やインタビュー場面等が映像で流れました。放送の中でも私が一番嬉しかったところは、番組キャスターが最後に、「表情も手話の文法のひとつである」ことを付け加えられたところです。取材を受けたことで、聴覚障がいのこと、手話のこと等を広く知っていただくための一助になったと思います。

 さらに、胸が温かくなるエピソードがあります。昨夕のテレビを見て透明マスクのことをお知りになったI様(益城町在住)が、「困ってらっしゃるでしょうから・・」とおっしゃって、透明マスク50枚を本日午前中、本校に届けてくださいました。驚きと同時に、人の優しさ・温かさに触れる幸せな時間をいただきました。I様、本当にありがとうございました。

 新型コロナウイルスは人と人を切り離し、遠ざけようとする厄介者ですが、こんな困難な時こそ、相手を思いやる心、助けあう心、励ましあう心を大切にしたいものです。

 暦の上では、ゴールデンウィーク真っ只中ですが、実際には5月いっぱい休みが続きます。本来であれば思いっきり遊びたいこの時期ですが、今しばらくが正念場です。必ずや耐えた先に学校再開があることを信じて、今を乗り切っていきましょう!


令和2年5月1日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩