2017年12月の記事一覧
総アクセス数 874123 → 電卓のミステリー
今日はクラスマッチが行われました。3年生にとっては、高校生活最後のクラスマッチです。その思いがプレーに表れていたのか、懸命にボールを追いかける姿が印象的でした。
1,2年生は、今回のクラスマッチでさらに絆を強めた各学級の力を今後の授業や学校行事に生かし、さらに学年、学校全体の団結力へと高めてほしいと思います。
さて、いくつかの試合を応援後、校長室に戻り、HPを開いたら午前10時58分現在の総アクセス数が874123。
この数字って、何か見覚えがある数字だな・・・!?、何だったかな・・・??と考えていたら、思い出しました。
生徒の皆さんは分かりますか?
ヒントは、電卓で数字を入力するキー(テンキー)です。計算技術検定は勿論、専門の授業でいつもお世話になっている電卓ですが、その配列をさっと頭にイメージできますか?
実は、874123とは、右の写真のように5を中心として8から反時計回りに回ったキーの配列です。
なぜこの数字に閃くものがあったかというと、テンキーの配列を使って面白い計算があったこと思いだしたからです。
私は教壇に立っていた頃、授業が早く終わって時間を持て余したときなど、電卓を出してごらんとか言いながら、次のように語りかけて計算をさせていました。
電卓のキーは5を中心に8個の数字が正方形の四辺の形状に並んでいます。
これを左右どちら回りでも、どこから始めてもかまいません。
3桁ずつしりとり式に足し算してください。
答えは全部2220です。
例
123+369+987+741=2220
896+632+214+478=2220
412+236+698+874=2220
生徒「わぁ!」
では、辺の角の数(7、1、3、9)を3桁ずつ足し算してみましょう。
結果は2220です。
777+111+333+999=2220
生徒「えええ?」
では、辺の真ん中の数(2、6、8、4)を3桁ずつ足し算してみましょう。
結果はやはり2220です。
222+666+888+444=2220
生徒「何で~?」
じゃあ、対角線の3つの数字を3桁の数として、4つの数を足し算してみてください。どうでしょうか。またもや2220になりました。
159+357+951+753=2220
生徒「すげえ!!」
こういうこともしてみましょう。十字の3つの数字を3桁の数として、4つの数を足し算します。なんとこれも2220です。
258+654+852+456=2220
生徒「わおおお!」
どうやら電卓のテンキーの配列にはミステリーがあるみたいですね。
最後に、次の計算をしてみましょう。今度も始点、時計回り、反時計回りは問いませんので、5を中心にしてまわりの数を3つずつ数えていき、しりとり式で
(3つの数)―(3つの数)+(3つの数)―(3つの数)
という式の中に数を入れてみてください。この計算すると今度は、必ず0になります。
例
874-412+236-698=0
147-789+963-321=0
生徒:「うそおおお!すげえ!!」
今、この記事をお読みの生徒の皆さんはこのミステリーを知っていましたか?ぜひ、電卓を片手に「ぐるっと一回り」・「角」・「辺の真ん中」・「対角線」・「十字」の足し算、そして(3つの数)―(3つの数)+(3つの数)―(3つの数)を実際にして確かめてみてください。
できれば、式を紙に書いてこのミステリーに迫りましょう。これらの証明*は中学生の皆さんでもできるはずです。
【校長】
※ まず全ての足し算が2220になる理由です。紙に書いた計算をもとに、そのミステリーに迫ってみます。
略証
よ~く足し算の内容を見てみましょう。
集約すると
(1+3+7+9)×100+(2+4+6+8)×10+(1+3+7+9)
と
(2+4+6+8)×100+(1+3+7+9)×10+(2+4+6+8)
の2パターンしかないことに気付くはずです。
で、(1+3+7+9)も(2+4+6+8)も「=20」ですから、
結局、
20×100+20×10+20=20(100+10+1)=20×111=2220
となります。
次に(3つの数)―(3つの数)+(3つの数)―(3つの数)が0になる理由です。これも紙に書いた計算をもとに、その謎に迫りましょう。
略証
何でもいいですが、例えば 963-321+147-789 という数で考えてみましょう。
ここで注目するのは、百の位の数、十の位の数、そして一の位の数です。
百の位の数、十の位の数、一の位の数に注目して計算していくと、
900-300+100-700=0
60-20+40-80=0
3-1+7-9=0
となり、それぞれの数を足すとどれも0になります。
では、412-236+698-874という数でもそれぞれの位に注目して確かめます。
400-200+600-800=0
10-30+90-70=0
2-6+8-4=0
となり、やはりどの位の計算も0となります。
つまり、5を中心にして3つずつ数を選んでいき、
(3つの数)-(3つの数)+(3つの数)-(3つの数)
という式の中に入れると、百の位、十の位、一の位ともすべて0となる組み合わせに自動的になるのです。
まだ納得できない!という方もいるかもしれません。では、もっときちんと証明してみます。計算は中学校の数学程度ですから中学生の皆さんもついてこれるはずです。
電卓のどこの数をxにしてもいいですが、例えば2をxと置きます。そうすると、他のキーの数はそれぞれ右の写真に示すように表すことができます。
123-369+987-741を例にやってみます。
x-1を始点に3つずつ数を数えていくと、
{100(x-1)+10x+x+1}-{100(x+1)+10(x+4)+x+7}+
100(x+7)+10(x+6)+x+5-{100(x+5)+10(x+2)+(x-1)}
=100x-100+10x+x+1-100x-100-10x-40-x-7+100x+700+10x+60+x+5-100x-500-10x-20-x+1
=-100+x+1-100-40-x-7+700+60+x+5-500-20-x+1
=-100+1-100-40-7+700+60+5-500-20+1
=-200+700-500
=0
となり、めでたく0になりました!
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