徒然雑記帖

√1234321=?

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。生徒の皆さん、3連休、いずれも天気に恵まれましたがいかがお過ごしでしたか?今日から期末考査が始まりました。全力を尽くしてください。

 

ところで、本校のHP、最近1日におよそ1100件(1時間当たり45件)のアクセスがあっています。

今日11月27日は、そのアクセスカウンターに興味を惹く数字が2つ現れました。まず午前8時12分に現れた1234321

 

この数字、ちょっと面白いと思いませんか? 右から読んでも左から読んでも同じ数という意味で。

このような数字を「回文数字」といい、趣味の数学の分野でしばしば研究の対象になっています。このことについては、偶然にも丁度1年前、昨年の11月27日の記事で紹介済みです。(詳しくはこちら → 総アクセス数 842248 → この数字の魅力

 

 

もう1つは、そのおよそ4時間半後の午後12時47分に現れた1234567

最上桁から数字が昇順に並び、何ともいい数字です。

 

ということで、今日はこれら2つの数字について考察してみます。

 

まずは今日のタイトルである √1234321=?

これは数年前の3年生の受験報告書の中にあった、即ち就職試験に出題された問題でもあります。学校では習わないはずの開平法(ルートの近似値を筆算で計算する素朴な方法)の技量を問う問題とは思えません。以下に述べる知識の有無が問われているはずです。

 

111や11111のように1がいくつも並んだ数字を「レピュニット」(repunitrepeated unitの略】)ということについても、今年の7月17日の記事で紹介済みです。(詳しくはこちら → 総アクセス数1111111と7月17日と239

 

その日の記事で、レピュニットに関する頭の体操を3問出題していました。それとも関連する問題になります。

 

回文数である121は11というのはとても有名です。

そこから何か閃きません?

・・・・

・・・・ thinking  time ・・・・

・・・・

分からない人は左の【ヒント】を見て考えてください。

 

もう大丈夫ですよね。

 

4段目の④をみながら、答は1111

 

 

では、数としての1234321を考察してみます。まず素因数分解です。

 

1234321=11×101 

 

従って、その約数は、1, 11, 101, 121, 1111, 10201, 12221, 112211, 1234321の9個。何と約数まで全て回文数になっているのがある意味不気味です。 

 

次に1234567 果たして、これは素数でしょうか?

色々な素数で割ってみました。なかなか素因数が見つかりません。根負けしてネット上の素数判定機にかけてみたら、素数ではありませんでした。

 

1234567=127×9721 

 

ということで、その約数は 1, 127, 9721, 1234567の4個になります。

従って、もし「x+9848x+1234567 を因数分解しなさい」という問題があれば、その答は (x+127)(x+9721)となります。中学程度の因数分解ですが、難しいですよね(..;)

でも、こういう因数分解が某私立高校の数学の入試の1番の集合問題の中に出題されていたのを見たことがあります。勿論、最後の定数項は1234567みたいな7桁の数字ではなく4桁の数字でした。その数字、随分昔のことで正確に覚えていませんが、例えば「x-670x-2019を因数分解しなさい」ならできますか?

2019は来年の西暦です。閃き力を問う問題かもしれません。

答は(x+3)(x-673)です。定数項はわずか4桁ですけれども、当時、因数分解の専門書の中で「高校受験史上最難の因数分解」とか騒がれました。実際、限られた時間で3と673の組み合わせを見つけるのは至難の技かもしれません。

 

知っている人もいるかもしれませんが、1234567のように2つの素数の積として表される自然数のことを「半素数semiprime:【セミプライム】)」と言います。素数は無数に存在するため、半素数も無数に存在することになります。ちなみに最小の半素数は4(2×2)ですし、先ほど取り上げた来年の西暦である2019も(3×673)で半素数です。

 

最後に、今日取り上げた12343211234567の2つの数について、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日にち11月27日の数字をそのまま並べた1127を作ることに挑戦してみます。

 

12!!!-(!!-(!!!!!-(!!!!=1127 → 11月27日

 

1234!=1127  11月27日

 

「半素数」について

名前がついているぐらいだから、数学、特に暗号化理論の分野では研究の対象になっています。ここでは極々簡単に。

インターネットでやり取りするデータは、常に悪質な第3者に傍受されているという前提で利用しなければなりません。クレジットカードの番号を入力するとき、その番号が盗まれて第三者に不正に使われないかとか心配したことがある人も多いはずです。

そこで、たとえ盗まれても絶対に読まれないように、データを暗号化する必要があります。その時にデータに素数を使った「鍵」を掛けます。2個の素数の積を求めることは簡単ですが、半素数を素因数分解して元の2個の素数を求めることは、その桁が大きくなればなるほど困難であり、そのことが「鍵」の安全性の原理になっています。事実、わずか7桁の数である1234567も127×9721のように素因数分解に苦戦しました。

図書館にある雑誌Newtonの昨年8月号が「素数の神秘」という特集を組んでいて、そこに素数を使った「鍵」について分かりやすく解説してあります。興味がある方は是非ご一読を。

 

追伸

1234567で思い出しました。123456789人です。何の数字でしょう?

昔、私が駆け出しの教員だった頃、新聞の見出しにこうありました。「日本の人口、今日123456789人」

いつの頃だったのかと改めてネットで調べたら、平成2年(1990年)4月3日のようです。ずっと増加傾向だった日本の総人口は、平成16年(2004年)12月の1億2783万8000人をピーク(総務省発表)に減少に転じています。減少のサイクルに入った日本の人口が再び123456789と並ぶのは2020年頃だと言われています。私たちはそのことを報じるニュースをどう受け止めるのでしょうか?

 

【校長】