徒然雑記帖

等加速度直線運動の公式の憂うつ

先週の研究授業週間中、2年生の物理基礎では、実験をとおして等加速度直線運動を学習していました。

レールとビースビ(ラップタイムを計測する機器)2個を配置した木材を実験台の上に斜めに置き、小球を転がし、ストップウォッチで時間を計測して加速度を計算で求めるというものです。班ごとに協力しながら、実に楽しそうに実験をしていたのが印象的でした。

「自分が高校の時もこんな実験をしたのかな?」と、記憶の糸を手繰(たぐ)りましたが、結局思い出せませんでした。それどころか、これから導き出される様々な運動(自由落下、鉛直投げ上げ、鉛直投げ下ろし、水平投射、斜方投射)の数々の公式に苦しめられた辛い思い出だけが甦ってきました。

 板書もしてあった次の3つの公式が基本になることは確かなのかもしれません。

① v=v0+at    ② x=v0t+1/2at2   ③ v2-v02=2ax
 
 
 

ちなみに、②は、速度の式 v = v0 + atv-tグラフに描き、グラフで囲まれた面積からも公式を導くことができますし、また、将来3年生になって微分積分を習うと、①と②の関係には、味わい深い関係があることが分かったのですが、当時はこの3つの公式すら、いい語呂あわせ、もしくは覚え方はないのかと恨めしく思っていました。しかも・・・

③は①と②からtを消去した式で、①からt = (v- v0)/a、これを②に代入して(数学が苦手な人にとっては少々面倒と感じるかもしれない)ちょっとした計算の末に得られます。手元の参考書には、「この③が最も覚える値打ちのある式である。時間を含まないで各量の間に成立する関係式を表しているので利用価値も高い。この式を覚えてないと、いちいち時間tを求めなくてはならなくなる・・・」とかあります。しかし、速度の2乗と初速度の2乗の差が、変位(移動距離)に加速度を掛けたものの2倍になるというが、(直感的に)どういうことを意味するのか今でもよく分かりません。

2年生はついこの前終わった期末考査の数学で、三角関数の加法定理など沢山の公式に苦しんだはずです。そういうことで、「杞憂であればいいけど、物理嫌いが出てこないといいけどな・・・」とか思いながら、参観した次第でした。

【校長】