円周率の中の「31415926535」
いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。今日3月14日は、ホワイトデー?
「俺にはホワイトデーなんてかんけーねーんだよ!」って言っている人もいるかも。そんな硬派の君には「円周率の日」*1がお似合いなのかも?
世の中における円周率の役割を考え、円周率が存在しない世界について思いを巡らそうと、多くの国でこの日を円周率の日と定めているようです。
ところで、円周率については昨年10月2日のこのサイトの脚注でも取り上げたことがありましたが、改めてその定義、大丈夫ですか?
円の直径の長さと円周の長さの比(比率)ですよね。円の大きさ(円の直径)によらず、(円周の長さ)÷(円の直径の長さ)=一定(約3.14) であり、これをπ*2と表します。
とても奥が深い円周率、紀元前から現在まで世界中の人たちが色々な形で研究をしていて、今なお進化し続け、コンピュータを使用した計算では、10兆桁を超えて計算されているようです。手元にある教科書のコラムには、「円周率の値は1961年に10万桁、 1973年に100万桁、 1983年に1000万桁、1987年に1億桁、 1989年に10億桁、1997年に100億桁、1999年に1000億桁、2002年に1兆桁、そしてとうとう2014年に13兆桁まで計算されるに至った」とありました。
このように、無理数(小数点以下で同じ繰り返しをしない数)である円周率、皆さんは小数点以下何桁まで記憶していますか?
義務教育の段階では「3.14」と教わったので、2桁だけの人がほとんどだと思いますが、数学が少しでも好きな人ならば「3.14159」とキリのいい5桁まで覚えている人もいることでしょう。
3.14159265 35897932 38462643383279 5028841971・・・
を「産医師異国に向こう 産後厄なく産婦宮代に虫散々闇に鳴く これに母養育ない」という有名な語呂合わせで覚えている人は40桁まで大丈夫でしょう。
あるサイトには、小学生でも100桁位まで覚えられる語呂合わせが紹介され、どうしてこんなに円周率が人気なんだろう?と不思議ですが、これを覚えるギネス記録もあるようで、何と10万桁を超える記録が認定されているようです。
永遠に続く円周率になぞらえて、3月14日に入籍する人が多い(夫婦のどちらかが数学マニア?)と今朝のラジオで報じていました。そういえば、本校の先生の中にも車のナンバーが「・314」の先生がいらっしゃいます。希望ナンバー制度で取得されたのでしょうか、それとも偶然でしょうか?
このように、延々と割り切れずに小数点以下に数字が続いていく円周率ですが、その小数点以下2,000,000,000(20億)桁までに、任意の数字の羅列があるかどうかを調べるアメリカの研究者のサイトあります。(そのサイト、リンクを張ることが許可されているのか不明ですのでURLの紹介は控えておきます)
Irrational Numbers Search Engine というキーワードを copy paste して検索をかけてみてください。すぐにヒットするはずです。ちなみに、Irrational Numbers(イラショナル ナンバーズ)とは「無理数」のことです。
20億桁までと限りはありますが、任意の数字列を入力すると、それが何桁目に現れるかを検索してもらえるので、結構楽しい暇つぶしができます。
試しに、今日2018年3月14日である「20180314」の8桁の数字の並びがあるかどうか確認してみました。
次のように表示され、小数点以下第2143万2395桁目*3にあることが分かります。検索に要した時間はわずか0.1575秒です。
The numeric string 20180314 appears at the 21,432,395th decimal digit of Pi.
12528181760351422658201803148862764626677917154
^ <-- 21,432,395th digit
Search time was 0.1575 seconds.
「これは面白い!」と、自分の誕生日や気になる数字を次々に調べてみました。色々試した限り、8桁までは任意の数字の並びが全て存在するようです。ワクワクしてきました。
そこで、20億桁までに円周率の数字の最初の並びである「31415926535・・・」がどこまで存在するのか調べてみました。以下、○:「存在した」、×:「存在しない」の意味です。参考までに検索時間も示しました。
8桁(31415926)→○(5036万6472桁目:0.39秒)
9桁(314159265)→○(16億6004万2751桁目:12.78秒)
10桁(3141592653)→×(15.75秒)
11桁(31415926535)→×(20.28秒)
ということで、円周率の数字の最初の並びは9桁まで存在するようです。
ちなみに、「123456789」という9桁の数字の列があるかどうか試したところ、次のように表示され、小数点以下第5億2355万1502桁目に最初の並びがあることが分かりました。
The numeric string 123456789 appears at the 523,551,502nd decimal digit of Pi.
7260489917323889207212345678922486448188070486
^ <-- 523,551,502nd digit
Search time was 4.0000 seconds.
ドキドキしながら、2進数っぽい数字などヘンな数を色々と試してみました。
000000000 →(0が9連続)×
00000000 →(0が8連続)○:1億7233万850桁目
010101010 →(0,1が9つ交互)×
01010101 →(0,1が8つ交互)○:1621万470桁目
111110000 →(十進数では496)○:692万6655桁目
123454321 →(回文数9桁)○:17億7448万3,587桁目
先ほども書いたように、任意の数字の並びが8桁までなら存在するようですが、9桁になると存在しないケースもあるようです。
このプログラムでは制限が20億桁ですが、もっと桁数が広がり、現在分かっているという10兆桁当たりまで検索できるようになれば、10桁、11桁・・・と、任意の数字の並びが存在する可能性も広がるような気がします。
最後に・・・、私が愛用しているマグカップは、周囲に円周率が小数点以下1545桁目まで印刷され、「π」の文字がデザイン的に浮き上がっている優れものです。今日3月14日の「314」があるかどうか、検索ソフトに頼ることなくコーヒーを飲みながら目を凝らして探してみましたが、見つけることができませんでした。そこで検索ソフトにかけてみたら、最初に現れるのは「2120桁目」でした。惜しかったです。
【校長】
*1 今日3月14日は、日本パイ協会が円周率のπにちなんで「パイの日」、日本数学検定協会はこの日を「数学の日」と定めています。
円周率で思い出しました。「アメリカの人口は円周率」という新聞の見出しを見たことをです。今、改めて検索したところ、平成24年(2012年)8月14日のことでした。このことを報じた記事には、「アメリカの人口が、3億1415万9265人になりました」とあり、アメリカ国勢調査局が有頂天になって喜んでいるとありました。「なるほど!これでアメリカの人口は忘れない」と当時、嬉しくなったことを覚えています。
なお、今日はE=mc2の方程式で有名なアインシュタインの誕生日でもあるそうです。
*2 ギリシャ語で周を表す περιμετρoζ の頭文字らしいです。アルファベットに置き換えると、periphereia になるそうで、英語読みなら「ペリフェレィア」に近いのでしょうが、ギリシャ語ではどう発音するのでしょうか?興味津々です。
なお、昨年10月2日のサイト(校長室より>徒然雑記帖 から入ることができます)で、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という東京大学の平成15年度の理系の入試問題を話題にしました。その際に、「余弦定理(本校では1年生の終わりに数学Ⅰで学習します)を習っていないと難しいので、中学生には無理かもしれません?」とか書いていましたが、何と、中学校で学習する数学の範囲で証明をしている動画を最近YouTubeで見て、なるほどそういう解法があるのか・・・と大変驚きました。
*3 このサイトには、次に表れる桁数も表示してくれる機能があり、次は1億3503万8451桁目、その次は1億3592万5787桁目、さらにその次は2億1034万6676桁目と20億桁までに19回表れることが分かります。平均して1億桁に1回出現といったところでしょうか。
また、このサイトでは、e(ネイピア数)、√2(2の平方根)、Φ(黄金率ファイ)と、他の数学的に永遠と小数点以下が続いていく数字からも、任意の数字の羅列が、何桁目にあるかどうかを検索することができます。