徒然雑記帖
祝 総アクセス数 百万件達成
いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。
本日4月5日、午後3時40分現在の総アクセス件数は、1000000。
ついに、6桁から7桁へと1桁あがり、総アクセス数が百万に達しました。
気の早い話ですが、もし現在のペースのアクセス件数(1日当たり平均1200件)がずっと続くと仮定すると、8桁の最小数である1千万になるのは、2048年12月頃です。その頃、今の生徒たちは40歳前です。どのような人生が開けているのでしょうか。考えるだけでワクワクしますし、自分はその頃どうなっているのだろうかと思うとなぜか切なくなります。そしてその間およそ20年6カ月間、7桁の様々な数を目にすることになります。
ところで、百万という数、とてもウキウキします。平方根(√1000000)は1000で、立方根(3√1000000)は100です。また、常用対数(log1000000)は6ですね。とりあえず素因数分解してみます。胸がドキドキ高まります。
26×56ですから、その約数は、1, 2, 4, 5, 8, 10, 16, 20, 25, 32, 40, 50, 64, 80, 100, 125, 160, 200, 250, 320, 400, 500, 625, 800, 1000, 1250, 1600, 2000, 2500, 3125, 4000, 5000, 6250, 8000, 10000, 12500, 15625, 20000, 25000, 31250, 40000, 50000, 62500, 100000, 125000, 200000, 250000, 500000, 1000000の49(=7×7)個です。
このサイトではこれまで達成したHPの総アクセス数を取り上げて様々な角度から考察をしてきましたが、約数の個数が奇数個になったのは初めてです。以前、奇数個の約数の数について、その数学的な説明をこのサイトでしたことがあります。興味がある方は、校長室>徒然雑記帖から入って、昨年1月15日のサイトをご覧ください。「nが平方数⟺ nの約数の個数は奇数」とか書いてあります。
続いて、いつものように数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日付である45を作ってみます。
((1+0!+0!)!)!!-(0!+0!+0!)(0!)=45 → 4月5日
【注】 中学生の皆さんへ !は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習しますが、例えば6!なら、6×5×4×3×2×1を計算することになります。このようにn!なら、n×(n-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲も超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は昨年10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帳から入ることができます。ちなみに6!!なら2つおきの階乗ですから、6×4×2で48になります。
そして、0!(ゼロの階乗)は1です。これは約束(決め事)ですから、どうしてそうなるの?とか考えたらいけません。
時間をあまりかけることなく立式できたのですが、できれば「!!」のような仰々しい記号を使わず、すっきりした式を作りたかったです。生徒の皆さん、もっとシンプルな式ができたら教えてください。
話は変わりますが、生徒の皆さんは100万と聞いて、どのようなことを思い出しますか。工業で学ぶ人たちですから、SI接頭辞の1000000 倍がM(メガ)、1/1000000 は µ(マイクロ)ということや、百万分率をppm (parts per million) ということはすぐに思い浮かぶかもしれません。
私は随分前に新聞で読んだある記事を思い出しました。私立文系の大学の受験者で数学(センター試験)を選択した学生としなかった学生の「その後の年収」の追跡調査に関するもので、京都大学の先生が調査したものでした。それによると、数学を受験した人の年収が平均100万円位多いという結果で、当時大変驚いてこの記事を何度も読み直しました。
今回、改めて関連記事を探しましてみたらネット上に残っていました。(興味ある方は「数学受験者の年収が100万円位多い」で検索してみてください)
「数学で鍛えた論理能力は社会に出て活躍の場を広げることにつながるので、子どものうちから数学力を身につけさせることに留意すべきである」という趣旨の記事に接し、生徒たちに数学の大切さについて話をした覚えがあります。
ところで、100万円の分の1万円札束を見たことがありますか?私は銀行で見たことがあります。その厚さ、およそ1cmで横向きに立てることができます。
100万円位ならベテランの行員さんの手にかかるとほんの数秒で数えられるみたいです。実際、100万円近いボーナスを、元行員の妻に手渡したところ「パパッと数えられたので味気なかった」というぼやきを友人から聞いたことがあります。
最後に「百万」が入っている背筋がぞくっとするような言葉を一つ。あまりにも有名なので、耳にしたことがある人が多いかもしれませんが・・・・。
喜劇王チャップリンが制作した映画「殺人狂時代」の中に出てくる次の言葉です。
1人殺せば殺人犯だが、100万人殺せば英雄だ。
この映画、私は見たことがありません。第二次世界大戦末期、「最新兵器」の実験台として、広島・長崎へ「原子爆弾」を投下し、30万人以上もの罪のない一般人を殺し、「戦争の早期終結」との大義のもと美化し、戦勝国の気分に酔っていたアメリカを痛烈に皮肉る内容の映画だそうです。そして、この言葉は20世紀の映画史に残る「名台詞(せりふ)」と呼ばれているようです。
来週の月曜日は始業式、そして入学式です。特に、新入生の皆さん、心の準備はできていますか?そして宿題は終わりましたか?
【校長】
「しづごころ」とは?
南門に至る道路沿いの桜が少しずつ散り始めました。10日後の入学式まで残ってほしかったのですが・・・。
春風にあおられ、ヒラヒラと舞い散る桜の花びらを見て、百人一首の33番紀友則(きのとものり ?~905)の歌が思い出されました。
ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心なく 花の散るらむ
思い出したのはいいのですが、ふと「しづごころ」とはどういう意味だったんだろうと気になり始め、国語便覧やネット等で調べてみました。以下の現代語訳や解説は、「京おかきの小倉山荘」のサイトからの引用です。
◆現代語訳◆
こんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は落ち着かなげに散っているのだろうか。
◆解説◆
【ひさかたの】
日や月などにかかる枕詞(まくらことば)で、ここでは「(日の)光」にかかっています。
【光のどけき】
「日の光が穏やか」という意味です。「のどけし」には、のんびりとしているな、などというほどの意味もあります。
【静心なく】
「静心(しづごころ)」は「落ち着いた心」という意味。「落ち着いた心がなく」とは、散る桜の花を人間のように見立てる擬人法です。
【花の】
花はもちろん桜のこと。
【散るらむ】
「らむ」は目に見えるところでの推量の助動詞で、「どうして~だろう」という意味。どうして、心静めずに桜は散っているのだろうか、というような意味になります。
◆鑑賞◆
柔らかな春の日差しの中を、桜の花びらが散っていく。こんなにのどかな春の一日なのに、花びらはどうしてこんなにあわただしく散っていくのか、静める心はないのか、という歌です。とても日本的で美しい光景。そんな桜の美しさが匂うような歌といえるでしょう。
ということで、「しづごころ」とは「落ち着いた心」という意味でした。落ち着いた心がなくとは、散る桜の花を人間のように見立てる擬人法(この言葉、久々に聞く懐かしい響きです)だったんですね。散りゆく桜への哀愁が感じられ、この季節、必ず思い出す歌ですが、謎が解けてよかったです。
そういえば、私の好きな在原業平(ありわらのなりひら 825~880)も伊勢物語82段の中に、桜をテーマとした次のような歌を残しています。
世の中に 絶えて桜の なかりせば
春の心は のどけからまし
この歌はとても分かりやすいですね。「この世の中に、まったく桜の花というものが無かったならば、春を迎える人の心は、穏やかでいられるだろうに」という意味です。
業平はこの歌をどんな気持ちで詠んだのでしょうか。勿論、本気で「桜なんか無かったらいいのに」と思っているわけではないはずです。
「美しい桜の花よ、どうか散らずに、このままずっと咲いていておくれ」という、はかない花の命を惜しむ思いや桜を賞賛する気持ちを、あえて逆説的に「桜の花がなければ春はのどかなのに」詠んだのだと思います。
伊勢物語を読んだことがある人は、この業平の歌への返歌として、ある人(作者不明)が詠んだ次の歌が収められていることを覚えているかもしれません。
散ればこそ いとど桜は めでたけれ
憂き世になにか 久しかるべき
「桜は散るからこそ素晴らしいのです。うき世に永遠のものなどないのですから」という意味で、これも分かりやすく共感できますよね。
「散るからこそ桜は素晴らしい!」とは実に思い切って言ったものだと思います。潔く散っていく桜を見ていると、この世の万物が絶えず変化し続けていること、そして、形あるものは必ず滅することに思いが至ります。だからこそ、今この瞬間のかけがえのなさが際立つのかもしれません。
どうも、古来、日本人は桜が大好きで、「もうすぐ咲きそうだ。ああ、咲いた。もう散ってしまった!」と、桜に振り回され過ぎているような気がします。日本人のDNAだから仕方ないのかもしれませんが・・・。
隣の事務室から不要な文書をシュレッダーにかける音がずっと響いていて、春の憂鬱(メランコリー)は一層深くなります。今日は、今年度最後の勤務日です。
【校長】
blooming
今年度もあと2週間。いよいよ押し迫ってきました。
雨の週明けになりましたが、天気に恵まれた土日、学校周辺で春を探してみました。
人吉駅から本校へのショートカットである通称「ひよどり越え」、急な坂道の脇で梅の花が満開でした。
写真は白ですが、紅やピンクの花もあちこちで見受けます。時おり響くウグイスやメジロの囀りにもうっとりしてしまいます。
本校下のあやめ公園の木蓮、一斉に美しい花が咲き誇っていました。上品な甘い香りを漂わせる白色の花が青空によく映え、この時期つい愛着をもって眺めてしまいます。
木蓮の木は恐竜が生きていた1億年前頃には存在していて、日本では平安時代から栽培されていたとか。
本校と西小学校の間の狭い公道の脇に、コバルト色の可憐な花、オオイヌノフグリを見つけました。「瑠璃唐草(るりからぐさ)」とか「星の瞳(ほしのひとみ)」といった別名のほうがロマンチックに響きます。
きっと命名者を恨んでいるのかも?何と、絶滅危惧種なんだそうです!
球磨川のほうにも足を伸ばしてみました。堤防の草むらには、つくしが・・・。
そして、河原には、県の鳥、ヒバリが天高く美しい鳴き声で歌っていました。
『うらうらに照れる春日に雲雀(ひばり)上がり心悲しも独りし思へば』とは万葉集の家持の歌です。春の憂愁(メランコリー)というのでしょうか、雲雀の楽しそうな囀りと自分の憂鬱な物思いの対比が妙です。
【校長】
総アクセス数969696 → 100万の前に一息
土の中で冬ごもりしていた虫たちが地面に這い出てくる日とされる24節気の一つ啓蟄(けいちつ)、今年は3月6日だったようです。それから一週間が過ぎ、あの厳しい寒さが嘘のように暖かい毎日が続いています。生徒の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。高校入試関係で家庭学習の日が頻繁にあっていましたので、寝ぼけた虫たちのように調子が狂っている人もいるかもしれません?
昨日は合格発表がありました。昨年、一昨年、ドキドキして過ごしたこの時期を思い出してみるのもしみじみとしていいものかもしれません。
さて、969696とは、昨日3月14日8時12分現在の本校のHPの総アクセス件数です。
このような綺麗な数字を見ると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなり、昨日の日付の314を作ることに挑戦していました。
(969-6)÷√9-6=315 惜しい、もう一歩
96×(9-6)+9+6!!!=315 あれ~
9!÷6!÷9×6-(9+6!!!!)=315 どうしたんだろう?
【注】 中学生の皆さんへ。
”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読みます。例えば6!なら、6×5×4×3×2×1を計算して720になります。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲を超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帳から入ることができます。
ちなみに6!!!は2つ飛ばしの階乗ですから6×3で18です。また、6!!!!は3つ飛ばしの階乗ですから6×2で12になります。
ということで、お昼ご飯を食べながら20分ほど格闘しましたが、どうしても式を完成させることができませんでした。持ち帰って今度は晩酌をしながら楽しみました。でも、近い数字にはなりますが314はとうとうできず、give upしました。この記事をアップし始めてから初めてで残念です。もし、生徒の皆さんで314になる式を作れた人がいたら教えてください。
ところで、969696というのは、間もなく到達するであろう1000000(100万)の前に敢えて取り上げて、その数字の性質を考察しておくべき数字だと思います。
そこで、その面白さを実感するクイズを作問してみました。問題はわずか3問、○×クイズです。下の「正解と解説」を見る前にちょっとでも考えてもらえれば嬉しいです。
① 969696と紙に書いて180度回転させた後、その数字を裏側から見ると696969になる。
② 696969÷969696と69÷96の計算結果は同じである。
③ 96は1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 16, 24, 32, 48, 96の12個の約数があり、69の約数(1, 3, 23, 69)4個のちょうど3倍の約数をもっている。従って、969696の約数の個数も696969の約数の個数の3倍である。
① 正解と解説
× 180度回転させても同じ数字になります。それを裏側から見ると、次のように見えるはずです。→
実際に紙に数字を書いてやってみてください。
それにしても、数字の「6」と「9」、よく似てますよね。昔、担任をしているときに、くじで席替えをしていた際、二つの区別がつくように6には「6」のようにアンダーバーを引いていたのを思い出しました。
十進法のそれぞれの数字がいつ頃発明されたのかよく知りませんが、今改めて疑問に思ったのは、「なぜひっくり返したら同じみたいな記号にしてしまったのか」ということです。0と1から9まで、順番に見ていっても、こんなに似ている記号を使った数字はありません。なぜこういうことになったのか、数学史を紐解くと面白いかもしれません。
② 正解と解説
○ 696969=69×10000+69×100+69
=69×(10000+100+1)
=69×10101
969696=96×10000+96×100+96
=96×(10000+100+1)
=96×10101
従って、696969÷969696=(69×10101)÷(96×10101)
=69÷96
=0.71875
③ 正解と解説
○ 969696を素因数分解すると25×32×7×13×37ですから、その約数の個数を指数に1ずつ足して積を求めると、6×3×2×2×2=144個
一方、696969を素因数分解すると32×7×13×23×37ですから、その約数の個数は3×2×2×2×2=48個
従って、144÷48=3で3倍になります。
しかし、実際にこんな面倒な素因数分解をするまでもなく、②の解説の本質的な意味が分かれば、○になることは自明ですよね!
いかがでしたか?工業高校に学ぶ生徒の皆さん方にとって、数学は大事な科目になります。というより、数字とはこの先、縁が切れないはずですし、まずは近い将来の関門である入社試験で課されるSPIの非言語問題を、快刀乱麻を断つがごとくやっつけていかなければなりません。そんな皆さん方に、数字を見る目や数的処理のセンスが高まるようにとの願いを込めて作問してみました。
最後に、言語系のクイズも2問。
④ 百人一首の69番と96番の両歌で、共通して想起される事物は次のどれか。
ア:花 イ:鳥 ウ:風 エ:月
⑤ 「6」と「9」のように紛らわしい日本語の平仮名を一組挙げよ。
④ 正解と解説
ウ
69番 【能因法師】
嵐吹く 三室(みむろ)の山の もみぢ葉は
龍田(たつた)の川の 錦なりけり
(現代語訳)山風が吹いている三室山(みむろやま)の紅葉(が吹き散らされて)で、竜田川の水面は錦のように絢爛たる美しさだ。
96番 【入道前太政大臣 藤原公経(きんつね)】
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
ふりゆくものは 我が身なりけり
(現代語訳)桜の花を誘って吹き散らす嵐の日の庭は、桜の花びらがまるで雪のように降っているが、実は老いさらばえて古(ふ)りゆくのは、私自身なのだなあ。
生徒の皆さんは、百人一首をどのように覚えていますか?
語呂合わせ(例:うかりける…はげしかれとは → うっかりはげ、なげけとて…かこちがおなる → 嘆け過去)や決まり字で覚えている人がほとんどだと思いますが、詠者や歌番号で覚えている人も数は少ないですがいるはずです。
この問題は歌番号で覚えている人じゃないと難しかったかもしれません。中には、「これやこの ゆくもかえるもわかれてはしるもしらぬもあふさかのせき」→「百首の中で唯一濁点が一個もない歌」のように、特徴を捉えて覚えている人もいるかもしれませんね?
⑤ 正解と解説
平仮名の「さ」と「ち」
左右対称というのでしょうか、改めて見るとよく似ていると思いませんか?
英語のアルファベットの「p」と「q」*もそうですよね。
* pとqで思い出しました。一昨年の京都大学の入試で数学の問題の中で「2つの素数pとqで、pq+qp の計算結果が素数になる組み合わせを全て求めよ」という、ハッと虚を突くような問題が出題(理系・第2問・配点30点)されていました。
式が簡単で美しい対称形ですが難問です。でも、一組なら中学生の皆さんでもすぐに見つけられるはずですし、その一組を答案に書くだけで部分点はもらえるはずです。難しいのは、「全て」というのをどのように証明するかです。
いつか機会があればこのサイトで取り上げるかもしれませんが、果たして何組あるのか、素数が好きな人は知的に格闘してみてください。
今日は、96が3回繰り返された969696をもとに、96と69まで話を発展させました。
実は96は熊本市出身の私にとっては、電話の市外局番096-***-****で何十年もお世話になっているわけで、とても身近な数字だと思っていました。
また、それをひっくり返した69ですが、つい先日来賓として出席した人吉第二中学校の卒業式では、体育館前方に「第69回卒業証書授与式」と看板が下がっていて、「69回目を数えるということは、昭和何年に開校したんだろう?」と指を折りましたので記憶に新しい数字です。
そういえば、2週間前の日曜日、熊本駅の前を歩いていたら、突然署名を求められました。何だろうと説明を聞いていたら「憲法改正に関する『反対』の署名」でした。
日本国憲法で憲法改正について定めた条文は第96条です。そして、自衛隊の役割を明文で書き込むための憲法改正を目指しているのが安倍内閣です。その安倍内閣、今も続く長期政権の源流となる第2次安倍内閣が発足したのが安倍氏を第96代内閣総理大臣として任命された平成24年12月26日でした。この「96」の偶然の一致は何だろうと、つい思ってしまいます。
【校長】
円周率の中の「31415926535」
いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。今日3月14日は、ホワイトデー?
「俺にはホワイトデーなんてかんけーねーんだよ!」って言っている人もいるかも。そんな硬派の君には「円周率の日」*1がお似合いなのかも?
世の中における円周率の役割を考え、円周率が存在しない世界について思いを巡らそうと、多くの国でこの日を円周率の日と定めているようです。
ところで、円周率については昨年10月2日のこのサイトの脚注でも取り上げたことがありましたが、改めてその定義、大丈夫ですか?
円の直径の長さと円周の長さの比(比率)ですよね。円の大きさ(円の直径)によらず、(円周の長さ)÷(円の直径の長さ)=一定(約3.14) であり、これをπ*2と表します。
とても奥が深い円周率、紀元前から現在まで世界中の人たちが色々な形で研究をしていて、今なお進化し続け、コンピュータを使用した計算では、10兆桁を超えて計算されているようです。手元にある教科書のコラムには、「円周率の値は1961年に10万桁、 1973年に100万桁、 1983年に1000万桁、1987年に1億桁、 1989年に10億桁、1997年に100億桁、1999年に1000億桁、2002年に1兆桁、そしてとうとう2014年に13兆桁まで計算されるに至った」とありました。
このように、無理数(小数点以下で同じ繰り返しをしない数)である円周率、皆さんは小数点以下何桁まで記憶していますか?
義務教育の段階では「3.14」と教わったので、2桁だけの人がほとんどだと思いますが、数学が少しでも好きな人ならば「3.14159」とキリのいい5桁まで覚えている人もいることでしょう。
3.14159265 35897932 38462643383279 5028841971・・・
を「産医師異国に向こう 産後厄なく産婦宮代に虫散々闇に鳴く これに母養育ない」という有名な語呂合わせで覚えている人は40桁まで大丈夫でしょう。
あるサイトには、小学生でも100桁位まで覚えられる語呂合わせが紹介され、どうしてこんなに円周率が人気なんだろう?と不思議ですが、これを覚えるギネス記録もあるようで、何と10万桁を超える記録が認定されているようです。
永遠に続く円周率になぞらえて、3月14日に入籍する人が多い(夫婦のどちらかが数学マニア?)と今朝のラジオで報じていました。そういえば、本校の先生の中にも車のナンバーが「・314」の先生がいらっしゃいます。希望ナンバー制度で取得されたのでしょうか、それとも偶然でしょうか?
このように、延々と割り切れずに小数点以下に数字が続いていく円周率ですが、その小数点以下2,000,000,000(20億)桁までに、任意の数字の羅列があるかどうかを調べるアメリカの研究者のサイトあります。(そのサイト、リンクを張ることが許可されているのか不明ですのでURLの紹介は控えておきます)
Irrational Numbers Search Engine というキーワードを copy paste して検索をかけてみてください。すぐにヒットするはずです。ちなみに、Irrational Numbers(イラショナル ナンバーズ)とは「無理数」のことです。
20億桁までと限りはありますが、任意の数字列を入力すると、それが何桁目に現れるかを検索してもらえるので、結構楽しい暇つぶしができます。
試しに、今日2018年3月14日である「20180314」の8桁の数字の並びがあるかどうか確認してみました。
次のように表示され、小数点以下第2143万2395桁目*3にあることが分かります。検索に要した時間はわずか0.1575秒です。
The numeric string 20180314 appears at the 21,432,395th decimal digit of Pi.
12528181760351422658201803148862764626677917154
^ <-- 21,432,395th digit
Search time was 0.1575 seconds.
「これは面白い!」と、自分の誕生日や気になる数字を次々に調べてみました。色々試した限り、8桁までは任意の数字の並びが全て存在するようです。ワクワクしてきました。
そこで、20億桁までに円周率の数字の最初の並びである「31415926535・・・」がどこまで存在するのか調べてみました。以下、○:「存在した」、×:「存在しない」の意味です。参考までに検索時間も示しました。
8桁(31415926)→○(5036万6472桁目:0.39秒)
9桁(314159265)→○(16億6004万2751桁目:12.78秒)
10桁(3141592653)→×(15.75秒)
11桁(31415926535)→×(20.28秒)
ということで、円周率の数字の最初の並びは9桁まで存在するようです。
ちなみに、「123456789」という9桁の数字の列があるかどうか試したところ、次のように表示され、小数点以下第5億2355万1502桁目に最初の並びがあることが分かりました。
The numeric string 123456789 appears at the 523,551,502nd decimal digit of Pi.
7260489917323889207212345678922486448188070486
^ <-- 523,551,502nd digit
Search time was 4.0000 seconds.
ドキドキしながら、2進数っぽい数字などヘンな数を色々と試してみました。
000000000 →(0が9連続)×
00000000 →(0が8連続)○:1億7233万850桁目
010101010 →(0,1が9つ交互)×
01010101 →(0,1が8つ交互)○:1621万470桁目
111110000 →(十進数では496)○:692万6655桁目
123454321 →(回文数9桁)○:17億7448万3,587桁目
先ほども書いたように、任意の数字の並びが8桁までなら存在するようですが、9桁になると存在しないケースもあるようです。
このプログラムでは制限が20億桁ですが、もっと桁数が広がり、現在分かっているという10兆桁当たりまで検索できるようになれば、10桁、11桁・・・と、任意の数字の並びが存在する可能性も広がるような気がします。
最後に・・・、私が愛用しているマグカップは、周囲に円周率が小数点以下1545桁目まで印刷され、「π」の文字がデザイン的に浮き上がっている優れものです。今日3月14日の「314」があるかどうか、検索ソフトに頼ることなくコーヒーを飲みながら目を凝らして探してみましたが、見つけることができませんでした。そこで検索ソフトにかけてみたら、最初に現れるのは「2120桁目」でした。惜しかったです。
【校長】
*1 今日3月14日は、日本パイ協会が円周率のπにちなんで「パイの日」、日本数学検定協会はこの日を「数学の日」と定めています。
円周率で思い出しました。「アメリカの人口は円周率」という新聞の見出しを見たことをです。今、改めて検索したところ、平成24年(2012年)8月14日のことでした。このことを報じた記事には、「アメリカの人口が、3億1415万9265人になりました」とあり、アメリカ国勢調査局が有頂天になって喜んでいるとありました。「なるほど!これでアメリカの人口は忘れない」と当時、嬉しくなったことを覚えています。
なお、今日はE=mc2の方程式で有名なアインシュタインの誕生日でもあるそうです。
*2 ギリシャ語で周を表す περιμετρoζ の頭文字らしいです。アルファベットに置き換えると、periphereia になるそうで、英語読みなら「ペリフェレィア」に近いのでしょうが、ギリシャ語ではどう発音するのでしょうか?興味津々です。
なお、昨年10月2日のサイト(校長室より>徒然雑記帖 から入ることができます)で、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という東京大学の平成15年度の理系の入試問題を話題にしました。その際に、「余弦定理(本校では1年生の終わりに数学Ⅰで学習します)を習っていないと難しいので、中学生には無理かもしれません?」とか書いていましたが、何と、中学校で学習する数学の範囲で証明をしている動画を最近YouTubeで見て、なるほどそういう解法があるのか・・・と大変驚きました。
*3 このサイトには、次に表れる桁数も表示してくれる機能があり、次は1億3503万8451桁目、その次は1億3592万5787桁目、さらにその次は2億1034万6676桁目と20億桁までに19回表れることが分かります。平均して1億桁に1回出現といったところでしょうか。
また、このサイトでは、e(ネイピア数)、√2(2の平方根)、Φ(黄金率ファイ)と、他の数学的に永遠と小数点以下が続いていく数字からも、任意の数字の羅列が、何桁目にあるかどうかを検索することができます。
心に残る◯◯◯でした!
無事に○○○が終わりました。最後のHRも終わり、何人かの生徒が挨拶や写真に一緒に収まってほしいと校長室に来るなど、玄関前の喧噪は1時間以上も続きました。
それもやっと収まり、ホッとしてHPを開いたら午後1時47分現在の総アクセス数は、958116でした。
数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなりました。
9×5-8-1+1-6=31 → 今日3月1日は○○○
√9×58+1+1+6=182 → ○○○で182人が巣立ちました。
モチロン、○○○に入る3文字は「卒業式」です。
卒業式については、その様子を報じるブログがアップされているようですので、式後の最後のHRの様子を報告します。
各クラスで担任から生徒へ卒業証書が手渡され、生徒一人一人、高校生活の思い出や決意等を語っていました。子どもからの感謝の言葉で涙ぐむ親や、3年間の友達とのエピソードで笑いが湧き起こるクラスもありました。
全クラスとも、とても和やかな最後のHRでした。
来週早々アルバイトの形で職場に入るために、明日上京する人もいるなど、一旦卒業するとみな様々な事情を抱えてきます。明日また集まろうと集合をかけても誰かが欠けるものです。その意味で今日がクラス全員揃える最後の日でした。今日という日を目一杯楽しんでください。
最後にこのことも。式終了後、野球、バレーボール、空手、陸上(投擲)の生徒たちが直ちに後片付けをしてくれました。ありがとうございました。
【校長】
梅と月がいい感じです
今日は午後、ハローワークのコーディネートのもと、地元企業5社をお招きし、「親と子が地域と産業を学ぶ企業説明会」を開催します。本校としては初めての企画になりますが、あいにく高体連70周年記念式典と重なってしまい、学校の責任者として様子を見届けることができないのがとても残念です。
生徒たちの目が地元企業に向くきっかけになればと願っているところです。
さて、昨日2月22日はニャンニャンニャンということで「ネコの日」だったらしく、動物愛護団体が様々なイベントを行ったとニュースで報じていました。それを聞きながら、111、222とぞろ目になるのは1月11日と2月22日だけであり、333以降は存在しないわけで、ネコにこじつけるのも面白いと思いましたが、222という数字にもっと関心を持たないといけないと思ったところでした。
222を題材にした数学の問題を検索してみたら・・・、ありました!
東京にある某ミッション系私立中学校の平成4年の入試問題に「222の約数は【 】である。」という穴埋め問題が出題されていました。
勿論、222を素因数分解すると、222=2×3×37 ですから、
答えは1,2,3,6,37,74,111,222 になります。
小学生を対象とした中学入試ではちょっと難しいのかな・・・と思いました。
話は変わりますが、三寒四温を繰り返して春に向かっていることを実感します。今日はとりわけ日中の日差しが温かく感じます。今朝、通勤途中の道沿いのあるお宅の庭の梅が3分咲きで、思わず写真に収めました。梅の間にうっすら白く見える月はとても趣があるわけですが、梅と月というと、私は条件反射のように平安時代の歌人在原業平(ありわらのなりひら)の和歌を思い出します。
月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ
わが身ひとつは 元の身にして
というものです。あの月は昔と変わったのだろうか。この梅の咲く春の景色は昔と変わっているのだろうか。いや、どちらもあなたと一緒に見上げた美しい月であるし、かぐわしい香りを楽しんだ梅の花である。しかし、あなたがいなくなり一人ぼっちになってしまった今、私の周りのものは何もかも変わってしまった気がする。私だけは元とのままで変わらないのに・・・と、世の無常と手が届かない所に行ってしまった恋人に思いを馳せ嘆いている歌です。何と切ないんでしょう!
今日は上弦の月ですから、日が暮れた頃は南の空高くにあるはずです。今晩眺めてみようと思っています。
【校長】
学年末考査が始まっています
学校は本日から学年末考査が始まりました。廊下に出されたカバンや教科書等が凜とした雰囲気を漂わせています。
試験の様子を巡回していたら、出された荷物の中に可愛い小袋が沢山入った紙袋もあり、多分マネージャーが放課後に部員に渡すチョコかな・・・と思ったところでした。
(「学校にお菓子を持ってきてはいけません」とか、無粋なことを言うつもりはありません)
あるチョコメーカーが主催する「今どきバレンタイン川柳」のサイト、毎年、面白いと思いながら閲覧しています。今年も世相を反映した楽しく笑える川柳が100句紹介されていました。
「俺のチョコ 黙って食う嫁 ちーがーうーだーろー」
というのがあり、一番笑えました。某議員が絶叫していた「ちーがーうーだーろー」っていうのは、今や流行語みたいですね。事務室でこの話題をしたら、「うちの娘も家で言っている・・・」と聞き、少しドキドキしました。また、
「忖度を 学びなさいよ 義理チョコで」
というのも脱帽レベルで面白いと思いました。「忖度」は今年度、本校生が受験した就職試験で、読み仮名をつける問題で出題されていました。国会で口にされなければ、難読漢字のままだったはずなんでしょうが・・・?
話は変わりますが、巡回した時、2年生は「数学Ⅱ」の試験で積分の問題と格闘中でした。その応用である面積を求める問題も出題されていたようです。この様子を見て思い出したことがあります。
先生:毎日1個のリンゴを食べたら、1週間でいくつのリンゴを食べたことになりますか?
生徒:1日1個のリンゴを7日間食べるので、1×7=7で7個です。
先生:このただのかけ算に見える計算ですが、これ実は積分なんです。月曜日から日曜日までの合計をかけ算を使って積分したんです・・・
と、分かりやすく積分の本質を教えてくださった高校の時の数学の先生や、「インテグラルよ永遠なれ」がペンネームだった友達のことです。
あれから40年が経ちました。それぞれどうしてらっしゃるかな・・・と。
話は変わりますが、2月10日から12日の3連休の期間中、県のサーバーの調子が悪かったようでHPへのアクセスがなかなかできませんでした。
多分10日(土)の午前中頃だったはずだと予想していますが、アクセス数が「941149」という数字を通り越しています。
これ、左から読んでも右から読んでも同じという回文数であることに加えて、1も4も9も平方数(12=1、22=4、32=9)であり、「平方数の回文数」であるということも興味深い数字だな・・・と思っていました。
平方数で思い出しました。1~10をそのままの並びで加減乗除等の記号を入れて今年の西暦2018を作ることに格闘したことがあります。その際に、立方数(3乗)を最初に持ってきていたことです。
123+4×5×6+78+91+0!=2018
中学生の皆さんへ
もう何度も書いていますが、式の中にある"!"は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。もし6!なら、6×5×4×3×2×1を計算して120になります。このようにn!なら、n×(n-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。
式の最後にある0!ですが、0!=1です。これは定義(決め事)ですから「どうしてそうなるの?」なんて考えたらいけません。
【校長】
ビリビリときて思い出したこと
今朝、出勤するとき、山頂に雪をかぶった白髪岳*1の7合目付近の山際から眩いばかりに輝く朝陽が上がり、南の空には下弦の月(有明の月)が寒々と残っていて、とても風情がありました。ところが、学校に着いて鍵穴にキーを差し込んだ瞬間、ビリビリと不快な思いをして、いっぺんに現実に引き戻されました。
そんな嫌な静電気に関して、十日ほど前の人吉新聞の「お天気歳時記」の欄に「静電気が発生する条件は、気温15度以下、湿度20%以下といわれている。嫌な静電気を防ぐには、加湿器などで湿度を上げるほか、・・・」とあり、「ガソリンスタンドでは冬でも水をまいて静電気を予防している」と結んでありました。
ガソリンスタンドと言えば・・・、機械科の1年生の多くが12月に受検した危険物乙種第4類の結果の通知があり、合格率が芳しいものではなかったと報告を受けたことを思い出しました。自ら高い意識をもって学習する姿勢がまだまだ身についていないのかもしれません。次回は今回の反省を踏まえて、計画をしっかり立てて粘り強く勉強してほしいと願っています。
ところで、私自身は高校教師になって機械科で生徒に指導するようになってから危険物の資格を取りました。その勉強をとおして、ガソリンスタンドの店員さんがホースで水をまいている理由は、「静電気対策」*2と知りました。
しかし、それ以前は、「タイヤが水を巻き上げて車体を汚すので嫌だな・・・」と思いつつも都市伝説のように囁かれていた、「同じ入れるなら昼よりも気温が低い朝入れたほうがお得」というドライバー側の立場に配慮して、水をまいて気化熱でコンクリート面の温度を下げることで少しでもガソリンの温度を下げてくれているものとばかり信じていました。
生徒の皆さんはそれがどういうことか分かりますか?
ヒントはガソリンの温度による「体積膨張」です。
物体は温度が上がると膨らんで体積が膨張します。ガソリンの体積は、1℃上昇すると0.00135倍膨張します。この数字を「体膨張率」と呼び、物質によって固有の値をとります。
この値を使うと、例えば冬10℃の気温で50リッターのガソリンが、夏30℃の気温で何リッターになるかが計算できます。具体的には次の公式になります。
体膨張率 × 元の体積 × 温度差 = 増加する体積
代入してみます。
0.00135 × 50リッター ×(30℃-10℃)= 1.35リッター
何と、ペットボトル2本分以上に相当する1.35リッターも膨張し、温度上昇後は51.35リッターになるのです。*3
ご存じのとおり、このところガソリンはリッター当たり140円台前半と、以前に比べ高めの価格で推移していますが、仮に140円とすれば1.35リッター分は140×1.35 =189円相当になります。たいした金額です。
ここでしっかり考えないといけないのは、冬10℃のとき給油するのと夏30℃のときとでは、どちらが189円相当分ドライバーにとってお特なのかということです。
さっそく考えてみましょう。ただし前提として、50リッターが公称のクルマのガソリンタンクは50リッターできっちりで満タンではなく、幾分余裕*4(ここでは51.35リッター分)があるものとします。
また、スタンド地下のガソリンタンク内のガソリンの温度と外気温及び給油ポンプの流量計通過時、並びに車のガソリンタンクからエンジンに入るまでのガソリンの温度は全て同じであるとします。
ドライバー側の立場です。
冬に50リッター入れて夏まで乗らないとすれば、夏には51.35リッターになっているわけですから、ドライバーは1.35リッター(189円相当)得したことになるのでは?
夏まで乗らないというのは、朝温度が低いときに入れて、昼に温度が高くなってから走るということとイメージ的には同じで、ドライバーにとっては給油時の温度が低いほうがいいと思われます。
さて、生徒の皆さん、この考えをどう思いますか?
私は特に問題ないような気がするのですが・・・。
勿論、エンジンに詳しい人は、ガソリンが燃焼するとき、温度が高いときに膨張したガソリンではノッキングが発生しやすくなり、つまり燃焼効率が悪化し、結果的に燃費が悪くなるからプラスマイナスゼロなのでは・・・?とか考え始める人もいるかもしれません。そういう厳密な議論は、今日は保留にしておきます。
ということで、少しでも温度が低いときにガソリンを入れるほうが、「ドライバーにとってお得なのでは?」と思っていたということです。
しかし、実際のところ、スタンドのコンクリート面に水をまくことで地下にあるガソリンタンクの温度が下がるというのは、あまり考えにくいことで、あってもほんの数℃位なのではと思います。ですから、夏でも冬でもまた、朝でも昼でもその温度差の影響を受けることはほとんどないのかもしれません。最近の給油ポンプの流量計には「温度補正機能」がついていると聞いたこともあるので、その場合は温度差のことは完全に無視できるのかもしれません。
実際のところはどうなのかと、ネット上でも色々探してみましたが、現在のところ明確に正解と分かる情報を記載した信頼できるサイトは見つけることができていません。ということで、ここでは「静電気対策」ということで整理したいと思います。
最後に・・・、色々調べている中でガソリン給油機は±0.3%~0.5%程度の誤差があるということが分かりました。1000円分給油して3~5円に相当します。得しているのでしょうか、それとも損しているのでしょうか?
【校長】
*1 この白髪岳(しらがたけ)、冬場に麓の人吉盆地から眺めると山頂が雪に覆われていて白髪のご老人の頭のように見えることから、その名がついたらしいです。標高を調べてみたら、1416.7mで、九州中央山地では一番南にある最高峰の山みたいです(一つ北よりの市房山は1721m)。
地元で愛飲されている米焼酎「白岳」(高橋酒造)の名前の由来について、この白髪岳から「我」をはらぬよう「が(=我)」を取り除き、『白岳(はくたけ)』と呼ぶようにしたと、蔵巡りで球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵を訪れたときに説明を受けました。
*2 水をまいて湿度を高めると物体表面の水分を通して静電気が逃げ、静電気が蓄積しません。
「静電気は乾燥した季節や場所に発生しやすく蓄積されやすい」「夏季、人体に帯電しにくいのは、汗や湿気を通して静電気が地面等に漏れているからである」と危険物取扱者受検教本に書いてありました。
気温が氷点下40 度でも気化するガソリン、それを日々大量に扱うスタンドは給油口などから気化したガソリンが高濃度で漂っている環境にあり、静電気による火花放電が発生すると、それが着火源となり火災や爆発事故が発生することがあります。実際、つい最近も他県でしたが、女性ドライバーがセルフ式のガソリンスタンドで給油しようと給油キャップを開けた瞬間に給油口から突然発火して、髪が焼け顔に火傷(やけど)を負ったというニュースを耳にしました。
しかし、今思えば、セルフのガソリンスタンドは水まきをしている光景を見たことがないような気がします。それは「静電気除去パッド」を設置し、ドライバー自身にそれに触れる努力義務を負わせているからかな・・・と思ったところです。
*3 ガソリンが凄く膨張することに改めて驚かされます。実際、ガソリンの体膨張率は水の16倍もあります。
*4 ガソリン等を容器に収納するとき、上部に空間容積を必要する理由は、収納されている液体の体膨張による体積の増加で容器が破損するのを防ぐためです。
生徒、よくやってる!
厳しい冷え込みが続いています。
今朝の花壇、8cmほどの高さで立つ霜柱に「こんなに長いのは初めて見た」と感激しました。ところが、校舎の陰にあるからでしょうか、日が傾き夕方4時半を過ぎてもご覧の通りほとんど解けておらず、改めて人吉の寒さを実感しました。
そのような折り、建築科の実習棟からトントントンと聞こえましたので、何を作っているんだろうと寄ってみました。
2月10日に実施される技能検定(建築大工)に向けての練習なんだそうです。
これまた初めて見る迫力ある光景でした。今までものづくりコンテストなどで10人位が一つの部屋で競っているのは何度も見てきましたが、これほど多くの生徒たちが一斉に練習をしているとは・・・。
ノミに向かって一心不乱に槌をふるう光景、校歌に「勤労の槌をふりつつ ふきあぐる汗を誇らん♪」を想起させ、ものづくりに対する真剣な眼差しも相まって圧倒されました。
担当の先生によると、建築科の生徒、専攻科の学生が3級に計27人、2級に計17人が受検するとか。
凍てつく寒さの中ですが、手元が狂ってげんのうで手を打たないように注意して頑張ってください。
【校長】
大〆の授業
私自身、花束贈呈などセレモニー的に行われていた大学教官の「最終講義」は別として、高校の最後の授業はほとんど記憶がありません。しかし、今でもその日の天気まで思い起こせるのが一つだけあります。それは国語の授業です。まだ若い先生でしたが、人生についてしんみりと考えさせられる内容を最後の授業の教材にしてくださいました。伊勢物語の最終段(125段:ついに行く道)です。この中に出てくる
つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりしを
を紹介して解説と鑑賞をされたのです。
これは「ちはやふる・・・」の百人一首で有名な在原業平(825~880)が、病気で伏せたときに詠んだ歌とされています。
人は皆死ぬということは誰でも知っているわけですが、それがいよいよ自分の身になっての驚きと嘆きを詠んでいます。人が必ず行かねばならない道(死)なのだとは聞いて知っていたのだが、こんなにも突然その時がこようとは思いもよらなかったなぁ。人の明日はわからないものであり、そうしたことがあると分かっていたなら、また別の生き方もあっただろうに・・・といったところでしょうか。
特に技巧がないので、今を生きる私たちが普通に読んでも分かりやすく、源氏物語の主人公、光源氏のモデルともされる華やかな生涯を送った業平の生涯を考え合わせると、より強いインパクトを感じます。
古典の文法を覚えるのが苦手で、いつの間にかなるべく関わらないようなっていた古典の授業の受け方を「もっと真面目にやっておけばよかった、時既に遅し・・・」と暗澹たる気持ちになり、この時ほど悔いたことはありませんでした。
そんな私も教職に就き、「やはり教師としては、最後の授業や最後の課外というのは、生徒たちにとって後で思い出してもらえるくらい印象的であって欲しいものだ」と常々考えていました。どんな展開になるのだろうかと、いつもより緊張しながら職員室を出ていたことを思い出します。
左の写真は、機械科3年A組の最後の最後、6限目の大〆の授業の様子です。テスト前ということで、自習をしていました。高校最後の定期考査、頑張ってください。
そして、保護者の皆様方にとってはお弁当作り、本日が実質的に最後になりました。生徒たちはいつも以上に味わって食べたはずで、親子共々感慨深いものがあることでしょう。(右の写真は建築科3年のお昼ご飯の様子です)
生徒たちは帰ってから感謝の言葉を口にしたでしょうか?3年間大変お世話になりました。
【校長】
課題研究発表会を見学して
3年生の課題研究の発表会、全科とも少しずつ見学させていただきました。1年間の取組を、わずか10分程度の中で後輩たちにも分かりやすくプレゼン(発表)することはとても難しかったことと思います。課題設定の理由、取組経過、苦労した点、感想を上手に盛り込み堂々と発表している班が思いのほか多いように見受けました。2年生の聴く態度も総じて立派でした。
御指導いただいた先生方には大変お世話になりました。
3年生の皆さん。機械科と電気科では挨拶でも触れたことですが、進学にしても就職にしても今後プレゼンをする機会は多いはずです。中には、会社の命運をかけたプレゼンをすることになる人もきっといることでしょう。今後目にする他人のプレゼンの良い点はどんどん取り入れ、磨きをかけていってほしいと思います。
ところで、どういう文脈だったか覚えていませんが、幸福論を扱ったある本に「日本人は課題を見つけそれを解決するための取組を行うことに、幸せを見いだす民族である・・・」との一文を読み、思わず「そうだよね!」って頷(うなず)いたことがあります。
その一文を念頭において、平成12年度から段階的に始まった学習指導要領で小・中・高校に入ってきた「総合的な学習の時間」(専門高校では「課題研究」で代替)の「ねらい」を改めて読み直してみます。
横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに,学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにする。
何と小・中・高校同一文言です!そして、課題を解決する中で身に付けた能力を、自己の生き方を考える態度の育成に繋ぐことを求めています!!
なるほど、それがうまくいけば、人は(日本人は?)喜びや幸せを感じるんだろうな・・・、と漠然と納得してしまいます。
話は変わりますが、多くの皆さんが就職する製造業の生産現場では、「カイゼン」活動が活発に行われていることをテレビ等で見聞きしている人も多いはずです。いわゆる「改善」のことで、作業効率の向上や安全性の確保などに関して、現場の作業者が中心となって生産ライン等の問題点を見つけ、知恵を出し合いその解決をはかっていくものです。
この概念は海外にも「kaizen」という英単語で広く普及し、とくにトヨタ自動車のカイゼンは有名で高く評価されています。活動内容としては、3年生の皆さん方が1年間取り組んできた課題研究のイメージで捉えてもらっていいのですが、課題研究ではそれほど強く言われなかったかもしれないことが一つだけあります。それは、どれだけのコスト削減に繋がったか、即ち結果を数字で表現するなど定量的であることが求められることです。
私自身昔、ものづくり企業に勤めていたことがあります。当時の資料は退社時に返却していますが、研修時にとったノートにカイゼンの進め方をメモしたものが出てきましたので、改めて読み直してみました。入社を控えている3年生の皆さん方のために参考までに載せておきます。ある意味、普遍的なものであり、課題研究でも同様なプロセスを踏んでいると思いましたので。
問題提起(違和感即ち問題意識を感じる)
↓
問題確認(問題を具体化・定量化し解決すべき問題を明確化する)
↓
目標設定(問題が解決された状態を暫定的に決め、その測定手段を明確化する)
↓
原因分析(問題の原因を特定)
↓
改善策立案(原因を除去する解決策を複数立案)
↓
改善策評価(複数の解決策から1つの解決策を決定)
↓
実行計画作成(解決への段取りを考える)
↓
実行(解決策を段取りに沿って進める)
↓
評価(解決状況を評価し数値化する)
いかがでしょうか、イメージが湧きますか?
脅(おど)すつもりはありませんが、企業に入ったら勤務時間の内外を問わずこの「カイゼン」活動にかなりの時間を割かざるを得ないことが多いにありえます。特にプレゼン(発表会)の前は、遅くまで残って練習をすることもあるはずです。職場の班単位で競う時は、指導役の班長さんがハッスルして若い社員を鍛えます。社長賞とか部長賞とか懸っていることも多く、報奨金まで出るので熱が入るのです。ブ●ックなんて言っていたら務まらないかも?
企業在職中のカイゼン活動の経験があるからでしょうか、課題研究の発表会のシーズンになると、つい次のような思いが頭をよぎってしまいます。
それは・・・、加工貿易(原料や半製品を他国から輸入し、それを加工してできた製品等を輸出する貿易の形態)で立国することが宿命づけられた我が国の産業界(製造業の経営者たち)の要請で、カイゼン活動のための経験値獲得を期待されて、「総合的な学習の時間」などが学校に導入されたのではないかという思いです。深読みし過ぎでしょうか?
【校長】
校長室の新しい絵
昨年11月の初めに校長室の絵を掛け替え、心なしか校長室が明るい雰囲気になりました。
それまでの絵は、寒村にポツンと立つ茅葺きの民家を描いたもので、晩秋の侘しい風情も相まって、寂しさが一層募るような風景画(油絵)でした。
今度の絵は、赤い薔薇など色とりどりの花が咲き乱れる中を2匹の蝶が舞うもので、真ん中に置かれた金色の懐中時計との取り合わせが奇抜なB1サイズの水彩画です。
画題は「縛りの中で」。美術部の河野堅君(機械科2年A組:湯前中出身)の作品です。河野君は美術部に所属し、県風景画コンクールで特選になるなどめきめきと力をつけており、将来が楽しみな生徒です。河野君によると、「限られた時間の中で懸命に咲く花の美しさを懐中時計と多くの植物で表現した」ということでした。
花と蝶までは分かりますが、懐中時計がなぜ出てくるのか私には今ひとつ分かりませんでした。スペインの抽象画家サルバドール・ダリが懐中時計をモチーフにした絵を沢山残していることを思い出しながら、「どういう発想でそういうことになったか」と河野君に聞いてみました。しかし、本人も分からないということでした。まさに抽象的で変幻自在なシュルレアリスム(超現実世界)???
「絵を描くことで、心の中が整理できる」と聞いたことがあります。「描く」ということは、心の中に澱(おり)のように溜まった感情を一つ一つかみ砕くように整理し、絵として外に出し、再び自分の中に取り込むという作業に他ならないということでしょうか?鏡に映った自分を見るように、客観的に絵の中の自分の内面を見つめることができるということかもしれません。きっと河野君の心象風景に懐中時計があったのかな・・・と勝手な想像をしました。
私自身は列車など乗り物や工作機械などをスケッチするのは苦になりませんが、絵心はなく、小中高を通して絵が上手な人が羨ましかったです。
だからでしょうか、生徒の入選作を鑑賞するために美術展に足を運ぶことはあっても、日展をはじめ有名な画家の展覧会に足を運ぶことは滅多にありませんでした。
また、天皇の前で二手に分かれて、交互に見事な絵を披露して勝敗を競う絵合(えあわせ)など、そういうバトルが古く平安時代から行われていたことを「知識」として知ったのも40代になって源氏物語を読んでからでした。
さらに、前任校の美術の先生から、「描いている画面に対して集中するので瞑想をしている時のような無我の境地に入ることがある」とか聞いて驚いたこともあります。絵心が欲しかったな・・・と今改めて思います。
色々書き連ねましたが、校長室にしょっちゅう来られるお客さんの中の何人かが「ひょっとして絵が替わりましたか?明るくなりましたね」と気付いてくださいました。私たち人間は、本能的にこういう想像的な芸術の世界を必要とする生き物であるということを実感し、嬉しく思う瞬間です。
【校長】
今年度の就職試験を振り返る
先日のセンター試験では、地理Bで出題された人気キャラクターのムーミンを取り上げた問題*1について、菅官房長官が記者会見で言及するほど波紋を呼んでいます。
私も本校教育の総決算ともいえる就職試験で、どのような問題が出題され、面接で何が問われたのかを知っておくことは大事なことであると思い、3年生の皆さん方が提出してくれた全ての受検報告書に目を通してみました。
社会の出来事を反映した時事問題や面白いお題の作文、唸るような内容のグループワーク、思わず首をひねりたくなるような問題を見つけましたのでご紹介します。(【 】内に地区と業種を示しました。3社以上で出題があった問題は【多数】と表記しています)
1,2年生の皆さん方は、このような問題に近い将来相対しないといけません。特に時事問題は、日頃から新聞を読むなどアンテナを高く張って生活しておく必要があると痛感したところです。今の実力でどのくらい対応できますか?
作文
・あなたは日本昔話の登場人物で誰になりたいか。【中国・電機】
・次の4つの中からあなたが修理できるものを選び、今まで学んだことを活かして修理の手順や必要な道具を詳しく書きなさい。【関東・技術サービス】
①テレビがつかない ②PCでメールが送れない
③自分の家だけ停電 ④充電用掃除機が使えない
・入社3年後の目標を書きなさい。(「20年後の自分について」「どういう社会人になりたいか」等も)【多数】
集団討論
・本校の野球部が全国大会に出場するにあたり、生徒会としてできることは何か。【関東・技術サービス】
・新しく祝日を2日追加するならどの日にどのような名前の祝日を追加するか。また、今ある祝日の中で1日廃止するならどの日を廃止するか。【中部・鉄鋼】
・現代におけるドラえもんの道具を答えよ。【中部・製造】
・無人島へ物を5つ持っていけるとしたら何を持っていくか。【関東・鉄鋼】
・社会人として大切なこと。【九州・電力】
筆記試験(時事問題系の一般常識)
・桐生選手が陸上100mで記録を更新し日本人初の記録を出したが、そのタイムは。【中部・鉄鋼】
・選挙権は満何歳からか。【関東・電力】
・今の内閣総理大臣の名前をフルネームで漢字で書け。【多数】
・平成何年から次の年号に変わるか。【関東・電力】
・隈 研吾氏について何を知っているか。【九州・建設】
・政府や経済界が推奨しているキャンペーンで、毎月末金曜日の夕方に買い物や旅行などに充てることを何というか。【関東・電気】
・最年少プロ棋士の名前は。【関東・電気】
・2016年に国民全員に番号を与える制度が始まったが、その制度の名称は。またそれは何桁か。【多数】
・東京オリンピックがあるのは何年か。【多数】
・今年の甲子園の優勝校はどこか。【関東・建設】
・2017年のアメリカ大統領選で当選し、第45代アメリカ大統領になったのは誰か。【多数】
・今年、人間国宝になった方4人の中から1人の名前を答えよ。【関西・建設】
面接
・ドラえもんとクレヨンしんちゃん、どっちと友達になりたいか。その理由は。
【関東・自動車】
・弊社のHPを見て思ったことは何か。【九州・サービス】
・ジュニア・マイスターとは何か。【多数】
・年代がバラバラの人と一緒に仕事をやっていく自信があるか。その根拠は。(その他「めんどくさいおじさんばかりだけど意見が違ったらどう対処するか」「人との価値観の違いをどう乗り越えるか」等も)【多数】
・運は良いほうか、それとも悪いほうか。【関西・技術サービス】
・英語は話せますか。【関西・建設】
・昨年弊社に入社したあなたの高校の先輩とあなたはどういう関係か。その先輩はあなたの入社をどう考えていると思うか。【中部・鉄鋼】
・原子力発電についてどう考えるか。【九州・電力】
・あなたの学校の教育理念は。【関西・建設】
・人吉はどんな所か。【中国・鉄鋼】
集団工作等
・マシュマロタワーにチャレンジ!!*2【関東・電力】
パスタの乾麺20本、テープ90cm、たこひも90cm、マシュマロ1個(頂上につける) これらを使ってより高いタワーを4人で作りあげる。(説明、個人ワーク、作戦タイム、実際の作業[17分]、反省等を合わせて70分)
・輪投げで高得点を出して勝とう。【中部・鉄鋼】
班で協議後、競技者と応援する人に分かれて実際に対戦競技した後、手順や良かった点や悪かった点を再度話し合う。
その他
・1+2+3+・・・・・・・・+98+99=【 】【多数】
・(5□4)×3□2=1 【多数】
(□に+,-,÷,×を入れて式を完成させる問題を短時間にできるだけ沢山解くもの)
このような算数系の問題は、普段から私のサイトを見て数に関する感覚を磨いておくと得意になるかもしれません。
数学系では前任校の就職試験報告書で思ったことですが・・・、企業によっては次のような三角関数の加法定理を使った計算で導かれることも数学的常識として当然暗記しておくべき事項と捉えているんだと驚いたことがあります。
cos15°=(√□+√2)/4
何とこの問題、本校の受験報告書でも出題の報告があっていました!【関東・電力】
驚いたといえば、国語で「三大和歌集」【中部・電気】を問う問題位なら常識かもしれません。しかし、これも前任校の就職試験報告書の話になりますが、大学の国文科の入試ではないのに、これは一体何?、よほど古典が好きな人事課の社員が作問したの?と思った問題がありました。源氏物語の順序を並べるもので、確か次のような選択問題で出題されていました。
桐壷→帚木→【 】→夕顔→若紫→【 】→紅葉賀→花宴→・・・
ア:葵 イ:末摘花 ウ:空蝉 エ:須磨
全体としては、コミュニケーション能力があるかどうかをみる質問や問題が増えていることをすごく実感しますが、それについてはまたいつか触れます。
【校長】
*1 ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーションとして、「ムーミン」と「小さなバイキングビッケ」を挙げ、例示した両国の言語との正しい組み合わせを選ぶ問題です。
この問題について、大阪大学大学院のスウェーデン語研究室は、1月15日に、ムーミン谷がどこにあるかは原作に明示されていないとして「舞台がフィンランドだとは断定できない」という見解を明らかにして、説明を求める意見書を近く大学入試センター試験に提出するとしたと報じられました。
*2 アメリカ発のこのグループワーク、実際に行った様子を特集したあるサイトによると、全体の平均が50cm位の中、最高は92cmだったとか。
別のサイトでは一番高い塔を建てられたのは、建築家のチームだったそうです。本校の建築科が崇城大学主催の爪楊枝タワーコンテストに参加しており、その実績に照らし合わせても、また専門性から考えても当たり前かもしれません。しかし、数多くの大人が参加したこのゲームで、多くの大人より好成績を収めたのが、何と幼稚園の新卒者たちで、一番ひどかったのがビジネススクールの新卒者たちだったとあり、とても意外でした。実際の競技の場面を見てみたいと思いました。盛り上がるんでしょうね?
センター試験に出た約数の個数
「校長室より」のサイトでは、HPの総アクセス数が節目の数を迎えるたびに、その数を素因数分解するなどして、その数に関する話を深めてきました。
例えば1月10日の900000を取り扱った記事では、
900000=25×32×55
従ってその約数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12, 15, 16, 18, 20, 24, 25, 30, 32, 36,40, 45, 48, 50, 60, 72, 75, 80, 90, 96, 100, 120, 125, 144, 150, 160, 180, 200,225, 240, 250, ・・・(途中略)・・・, 30000, 36000, 37500, 45000,50000, 56250, 60000, 75000, 90000, 100000, 112500, 150000, 180000, 225000,300000, 450000, 900000
の108個です。
と書いていました。しかし、これまでこの記事の中で約数の個数の”求め方”について触れたことはありません。中学校の数学で学習して当然知っているものとばかり思っていましたので。
ですから、1月14日行われた大学入試センター試験の「数学Ⅰ・数学A」の第4問の(1)に次のような問題を見つけて驚いたところです。
144を素因数分解すると
144=2ア×イ ウ
であり、144の正の約数の個数はエオ個である。
慌てて数学の先生に確認したら、「約数の個数については高校の数学Aで学習している」ということでした。私は以前、中学入試で関連問題が出題されているのを見たことがあり、小学生でも知っていることかと誤認識していました。
生徒の皆さんは、「素因数分解して指数を見れば約数の個数が分かる」ということを知っていましたか?公式風にまとめると次のとおりです。
正の整数nが n =p1a 1・p2a 2・・・pkak
と素因数分解できるとき、
nの約数の個数は (a1+1)・(a2+1)・・・(ak+1) 個である。
例えば、12 は22×3と素因数分解できるので、約数の個数は
(2+1)×(1+1)=3×2=6
で6個となります。
センター試験の問題なら、144を素因数分解すると
144=24×32
ですから、約数の個数は、
(4+1)×(2+1)=5×3=15
で15個となります。
従って、正解は、ア:4、イ:3、ウ:2、エオ:15 です。簡単な問題で、ほとんどサービス問題といってもいいかもしれません。
ところが、この問題を通して面白い議論をすることができます。
前回の記事の中で、「過去の記事を引っ張り出し、これまでこのサイトで扱った数について約数の個数を確認しました」とあり、次のように取り上げました。
555555→ 54個(H29.4.3)、 600000→84個(H29.5.20)
666666→ 96個(H29.7.10)、700000→72個(H29.8.2)
777777→ 48個(H29.10.4)、800000→54個(H29.10.22)
888888→128個(H30.1.2)
皆さん、この約数の個数を見て、ある特徴に気付きませんか?
そうです・・・。全部偶数個なんです。
では、約数の個数が奇数になるのはどんなときでしょう。実は・・・
正の整数nについて、
nが平方数⟺ nの約数の個数は奇数
が成立します。「⟺」の記号は、論理学で同値を意味し、「pならばq」と「qならばp」が同時に成り立つとき、pとqは「同値」といい、p⟺qと表します。詳しいことは数学で学習しますので証明等は割愛しますが、「平方数のときに、約数の個数が奇数になる」ことは知っておくべきことだと思います。
センター試験で出題されていた144は122で平方数です。そういえば、平方数である4(22)は、1,2,4の3つ(奇数個)の約数を持っています。
センター試験が終わって、いよいよ二次試験です。現役生にとっては、人生で初めての体験をしているわけで、不安やプレッシャーは大きいことでしょう。どこかの予備校のCMではありませんが、「苦しいときが伸びるとき」これは確かに言えています。本校にもセンター試験を受けた生徒がいます。
「最後の一日まで伸びる」、この言葉を信じて頑張ってください。
【校長】
総アクセス数 900000 → 煩悩を内包する数字?
昨日の始業式、在籍する544人の生徒全員が揃って始業式を執り行うことができればいいな・・・と願いつつ、1週間ほど前から一部の部活動の中で出てきたインフルエンザの広がり具合を心配していました。結局、8人が発熱や体調不良で欠席だったと教務主任から報告を受けました。3学期の第1日目に登校できずに残念だったかもしれませんが、早く平癒するようお祈りします。
さて、900000とは、本日1月10日9時57分現在の本校のHPの総アクセス件数です。
いよいよ90万台に到達しました。現在1日平均1,200件ほどのアクセスをいただいていますので、4月3日前後に予想される100万の大台に乗るまでの3ヶ月ほど「9*****」の数字が続くことになります。
ところで、生徒の皆さん、この90万という数字を見て、何か感じるところはありませんか?私はこういう綺麗な数字を見ると、無性に素因数分解をしてみたくなります。
900000=25×32×55
従ってその約数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12, 15, 16, 18, 20, 24, 25, 30, 32, 36, 40, 45, 48, 50, 60, 72, 75, 80, 90, 96, 100, 120, 125, 144, 150, 160, 180, 200, 225, 240, 250, ・・・(途中略)・・・, 30000, 36000, 37500, 45000, 50000, 56250, 60000, 75000, 90000, 100000, 112500, 150000, 180000, 225000, 300000, 450000, 900000
の108個です。
それぞれの約数を眺めてみると「当然ありえるよね」という数字ばかりなのですが、約数の個数108に「9」との関連で背筋が寒くなる思いがしました。
「ひょっとして約数108個って初めてじゃない?」と気になり、早速過去の記事を引っ張り出し、これまでこのサイトで扱った数について約数の個数を確認しました。
555555→ 54個(H29.4.3)、 600000→84個(H29.5.20)
666666→ 96個(H29.7.10)、700000→72個(H29.8.2)
777777→ 48個(H29.10.4)、800000→54個(H29.10.22)
888888→128個(H30.1.2)
やはり、初めてでした。
108とは除夜の鐘で衝く回数で、人が持つ煩悩の数*1とされています。
また、数字の9は苦と同音で、死を連想させる4と同様、不吉であるということで漢字文化圏では忌数(いみすう)とされています。各種施設の靴箱の9番は、人気がないのかいつも空いていたり、コインロッカーや病院では4番や4号室が欠番になっていたりするのは、皆さん方も日頃から気付いているはずです。
ということで、「苦に満ちた90万という数字は108個の煩悩を内包する数字では?」というとんでもないことを考えてしまったわけです。
早々、「煩悩」とは何か、なぜ108個あるとされるのか・・・、調べてみました。分かりやすくいうと、「煩悩」とは「嫉妬」や「強欲」みたいなもので、それに囚(とら)われると自分が苦しむことになるということのようです。でも、なぜ108個なのか、仏教の奥義に関係することで今一つ分かりませんでした。凡人は高尚なことに興味を持たないほうがいいということかもしれません。
気を取り直して、いつものように数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて今日にちなんだ式を作ってみます。本日1月10日は110番の適切な利用を啓発する「110番の日」*2なんだそうです。そのことに思いを致しながら110になる式を作ってみることにします。
9!!!!!!!×(0!+0!+0!)!+0!+0!=110
暫く考えて末、仰々しい式ができあがりました。
【注】 中学生の皆さんへ。”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読みます。例えば5!なら、5×4×3×2×1を計算して120になります。そして、0!=1は定義(決めごと)です。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲も超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帖から入ることができます。
ちなみに9!!!!!!!は6つ飛ばしの階乗ですから、9×2で18になります。
最後に、9を話題にした楽しい計算です。
これは私が中学2年の時に気付いた式です。当時、お年玉で初めてシャープの電卓*3(蛍光管式)を買いました。楽しくて1日中色々な計算をしているうちにこのことに気付きました。
1÷9=0.111・・・
12÷99=0.121212・・・
123÷999=0.123123123・・・
1234÷9999=0.123412341234・・・
12345÷99999=0.123451234512345・・・
123456÷999999=0.123456123456123456・・・
さて、このパターンはどこまで続くでしょう?
ちなみに、123456789÷999999999の次は?
手元の電卓で確かめてください。といっても表示可能桁数の関係で無理かもしれません・・・。9(苦)が一杯で滅入るかもしれませんが、なぜこんなことになるのか秘密に迫ってみるのも一興です。
このような循環小数(repeating decimal)を分数に変換する方法を高校の数学で学んで「なぁ~んだ」と思ったのですが、被除数(割られる数)と同じ桁数の9の連続数で割るとこういう現象が起こることに気付いた時の驚きを今でも懐かしく思い出します。
【校長】
*1 煩悩の内容について、次のような説明を読んだことがあります。
まず、般若心経にも出てくるように、人間には迷いを起こさせる6根と呼ばれる感覚がある。すなわち眼・耳・鼻・舌・身・意。これがそのまま6つの煩悩になる。さらにその6つの煩悩にそれぞれ「好(気持ちがよい)」「悪(不快)」「平(どちらでもない)」の3つの状態がある。6×3=18で、この18の煩悩にさらに「浄(綺麗)」と「不浄(汚い)」という状態が加わる。18×2=36さらに36の煩悩に「過去」「現在」「未来」の3つの時間の状態がある36×3=108これで煩悩108個、ということらしい。分かったような、分からないような??
その他、お釈迦様が説く「四苦八苦」という言葉から、四苦(4×9=36)と八苦(8×9=72)を足して108の煩悩があるという説、1年における月の数(12)と二十四節気(24)と七十二候(72)を足した数という説、色々あるようです。
さらには、そもそも108の数そのものに深い意味はないということでしょうか、次のような説もあるようです。昔から日本では「たくさんの」という意味で8を使っていました。例えば、八百万神(やおろずのかみ)も実際に八百万の神様がいるわけではなく、それくらい無限にいるという意味です。このことから、煩悩の数が108といわれるのも、本当に108個あるわけではなく、たくさんの数という意味で実際、除夜の鐘を200回近く衝くお寺もあるそうです。
ところで、源氏物語は全部で54のストーリーからなることは国語で習ったとおりです。愛執ゆえの嫉妬こそ煩悩の源であることを描き尽くしたこの物語が、108の丁度半分の54帖で終わっていることに何かしら意図的なものを感じます。そういえば、私の持っている数珠(じゅず)は54玉です。
*2 全国の警察で110番の適切な利用を呼びかけるキャンペーンが行われているようです。朝からのテレビで「携帯なくしたから一緒に探して」とか「ファミレスの店員さんが帽子をかぶってなく不潔だから注意して」など、不適切な通報や無言電話などのいたずらが全部で4割近くもあると耳にし、とても驚きました。
*3 当時、こんな楽しいCMがテレビでよく流れていました。
「とかくこの世は計算さ 数と数とのからみあい、足してもダメなら引いてミニかけてもダメなら割ってミニ、こたぁーえいっぱぁつう! カシオミニ♪」
総アクセス数888888 → 元旦早々末広がりのぞろ目
生徒の皆さん、昨日の元旦の日、いかがお過ごしでしたか?
開運を招くお正月の過ごし方は、家で家族などと「ゆっくりと過ごす」ことなんだそうです。また、今では小学校の宿題でしかやらなさそうな「書き初め」も、新年の抱負や目標を墨でしたためることそのものが神様への誓いでもあり、立派な開運行動だとお参りに向かったクルマの中のラジオで聞きました。
私もこたつの中でゆっくり過ごしています。昨日、
何気にスマホで本校のHPをあけてみました。888888とは、昨日1月1日19時17分現在の本校のHPの総アクセス件数です。
元旦早々、末広がりの8のぞろ目*1で何と縁起がいいんだろうと驚いたところでした。
こういう綺麗な数字を見ると、皆さんはどういう心境になりますか?
電子回路に強い人だったら、7セグメントLED(右写真)で8を6つ点灯させる回路図をパッと思い浮かべるかもしれません。
私はというと、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなります。本校が恙(つつが)ない平穏な1年であってほしいという願いを込めて、昨日の日付である11を作ってみることにします。
8×(8-8)+88÷8=11
シンプルな式があっという間にできあがりました。加減乗除全ての演算記号を1回ずつ入っていて何となく気分がいいです。888*2
ところで、888888を素因数分解すると、23×3×7×11×13×37ですから、約数は、1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 11, 12, 13, 14, 21, 22, 24, 26, 28, 33, 37, 39, 42, 44, 52, 56, 66, 74, 77, 78, 84, 88, 91, 104, 111, 132, 143, 148, 154, 156, 168, 182, 222, 231, 259, 264, 273, 286, 296, 308, 312, 364, 407, 429, 444, 462, 481, 518, 546, 572, 616, 728, 777, 814, 858, 888, 924,・・・(途中略)・・・, 31746, 34188, 37037, 40404, 42328, 63492, 68376, 74074, 80808, 111111, 126984, 148148, 222222, 296296, 444444, 888888の128個です。
8のぞろ目の6桁の整数ですから、88や888で割り切れることは一目瞭然ですが、一見割れそうに見えない77や777で割り切れることは素因数分解するまで見破れず、とても意外な感じがしたところでした。
最後に、8のぞろ目を話題にした楽しい計算を2つご紹介します。
まず、これを計算して規則性をみつけてください。
(8×8)+13=
(8×88)+13=
(8×888)+13=
(8×8888)+13=
(8×88888)+13=
(8×888888)+13=
(8×8888888)+13=
さて、このパターンはどこまで続くでしょう?手元の電卓で確かめてください。といっても最大10桁表示でしょうからあと2つしか試し算できないのかもしれませんが・・・。なぜこんなことになるのか秘密に迫ってみるのも一興です。
次の式も超有名で、第172回数学検定準2級でも出題されています。
9×9+7=88
98×9+6=888
987×9+5=8888
9876×9+4=88888
98765×9+3=888888
987654×9+2=8888888
9876543×9+1=88888888
98765432×9+0=888888888
この次に来る数式を書きなさい。
ちなみに準2級は高校1年程度です。数学検定は、本校では受検の実績がないようですが、前任校では数学科が受検希望者に指導をしていました。
1級(大学・一般程度)・準1級(高3程度)・2級(高2程度)のいずれかに合格すると、この検定の問題を作成でき、採用された場合は作成料が作問者に支払われます。全国規模の検定試験の出題者になれるというのは凄い経験だと思います。また、高等学校卒業程度認定試験の必修科目「数学」が免除されますが、これは直接関係ないかもしれません。皆さん、受検してみませんか?
話が横道に逸れましたが、答は勿論大丈夫ですよね。正解は、
987654321×9-1=8888888888 です。
工業高校に学ぶ生徒の皆さん方にとって、数学は将来道具として使いこなしていかない大事な科目です。その意味で数字とはこの先も縁が切れないはずです。そのような皆さん方に、数字を見る目や数的処理のセンスが高まるようにとの願いを込めて、今年もこのサイトを充実していくつもりです。どうぞ宜しくお願いします。
【校長】
*18のぞろ目といえば・・・こんなナンバーのクルマが初詣に行った先の駐車場で、私のクルマの前に駐車していました。桁数が3分の2とはいえ、今日の話題との偶然の一致に一瞬おののきました。
*2888は、ネットの世界でパチパチパチ(拍手)を意味すると聞いたことがあります。自画自賛?
何かしらワクワクする「2018」
明けましておめでとうございます。
今年も本校のHPをどうぞ宜しくお願いします。
皆様には希望に満ちたいい新年をお迎えになっておられることと思います。
私はというと、学校に通う子がいた頃は、元日の朝は(子どもたちの手前)それなりの緊張感があったように記憶しています。でも、みんな巣立ってしまった今、特に大きな感慨もなく8日後に迫った始業式で何を語りかけようかと、こたつの中でとりとめもなく考えています。
とはいうものの、これから1年間お世話になる新年号の2018という数字には何かしらワクワクするものがあります。
2018は、昨年の2017と違い素数*1ではありません。とりあえず素因数分解してみます。偶数ですから2で割れます。
2018 = 2×1009
いきなり、1009という見慣れない数字が出てきました。各位の和は10なので3では割れませんし、暗算すれば7や9でも割れないことに気付きます。素数っぽい香りがプンプンします。しかし、これが素数とすぐに見破ることができる人は少ないと思います。でも実は1009は素数です。ということで、
2018 = 2×1009
でおしまい。従って、約数は1、2、1009、2018の4つしかありません。数学の世界では、4つしか約数がないもの、つまり素因数分解して素数が2個しか出てこない数は、ちょっと特殊な数の仲間に入ります。
調べてみると、一つ前は2005(=5×401)で13年ぶり、一つ後は何と来年2019(=3×673)です。
話は変わりますが、2018は面白い性質を持っていることが、整数論の世界では知られています。それは2つの素数の2乗の和になるということです。分かりやすく表現すると
2018=□2+△2
と書けるということです。是非、□と△に入る数*2を探してみてください。試行錯誤しつつ、ワクワクしながら結構楽しめるはずです。
ちなみに、この一つ前は1970で
1970=112+432 又は 1970=172+412
であり、一つ後は
2042=192+412
となります。従って、2018年は2つの素数の2乗の和であり、このような年は70年間で今年だけ!レアな年という意味で何となくワクワクします。
暇つぶしのついでに、今年の素数日も調べてみました。
素数日とは、2018年1月23日を20180123のように8桁で表すと素数になる日です。ネット上の「素数一覧」のサイトから拾い出した今年の素数日は次の18日ありました。
20180123、20180213、20180221、20180311、20180327、
20180509、20180609、20180621、20180627、20180707、
20180731、20180801、20180807、20181019、20181121、
20181209、20181223、20181229
よく見ると、7月31日と8月1日は連続素数日になっています!
連続素数日の出現頻度について、素数愛好家の研究によると、18世紀から22世紀まで、すなわち1801年から2200年までの400年で52組あるのだそうです。400年間で52組だから、平均すれば7.7年に1回起きる計算になります。それが今年起きるということで、半年以上先のことですが、なんだかワクワクします。
じゃ~あ和暦(平成30年)ではどうなんだ?と、考えるのは自然なことです。30****のような6桁表示の素数日は次のとおりでした。
300109、300119、300221、300301、300317、300319
300323、300331、300413、300427、300511、300623
300719、300721、300809、300821、300823、300929
301013、301027、301123、301127、301211、301219
こちらも全部で24日あります。ただ、2月21日は、何の因縁か西暦、和暦共に素数日です。連続素数日こそありませんでしたが、ますますワクワクしてきました。
ワクワクすると言えば、今年最初の満月が明日1月2日で、2018年中では最も大きく見える「スーパームーン」とニュースで報じていました。
それによると、「月の軌道は楕円で、そのため月と地球の距離が変化する。最も近いときと遠いときの差は最大で約4万8000kmある。月が地球に最も近づくのが近地点で、最も遠ざかるのが遠地点。近地点のタイミングで満月や新月を迎えると『スーパームーン』と呼ばれる」のだとか。
日没の頃、東の空を仰いで、今年初の満月に新年の願いを託してみてはいかがでしょうか。
最後に、本原稿は下の注釈文も合わせて全部で2018文字です。
【校長】
*1 もう何度も素数について取り上げていますが、年の初めですので、その定義をおさらいしておきます。素数とは2、3、5、7、11、13、・・・のように1と自分自身以外では割り切れない数です。
最近、「世界は素数でできている」(角川新書 小島寛之著)という本を読みました。その本の序文にうまい説明があったので引用してご紹介します。
素数とは、「割り切れない」数です。どのくらい割り切れないかというと、1と自分自身以外では割り切れないのです。だから、ある意味では、うとましい数です。例えば、37個のチョコがあるとしましょう。このチョコを同数で分け合うためには、37人で1個ずつ分け合うか、あるいは、1人で全部食べるしかありません。37が素数だからです。まったく融通がききません。チョコの個数が36個であれば、たくさんの柔軟性が生まれます。2人でも3人でも4人でも6人でも、あるいは12人でも18人でも等分に分け合うことができるからです。
*2 答 ○=13、△=43 又は○=43、△=13
今年もあと10日、2017を振り返る2話
3年生のあるクラス、2学期最後の数学の授業でa+biの計算をやっているのが廊下の窓越しに見えました。「想像上の数」を意味するimaginary number の頭文字iをとった虚数*1、まさにこの世に存在しない数です。高校の時にこの数に初めて触れた時のことを思い出しました。
そこで、今日、今年最後の掃除で校長室に来た機械科3年の生徒たちに、虚数についてのイメージや何のために複素数*2を学ぶと思うか尋ねてみました。「実在しない数をなんで勉強するの?」とか「どうせ将来使わないでしょ?」といった回答を期待して、話を深めていきたかったからです。
しかし、うまく真意が伝わらなかったのか、それとも突然ヘンな話題を振られてドギマギしたのか分かりませんが、虚数がこの世に存在しない数だということを理解していた人は確かにいたものの、今ひとつパッとしない感じの回答でした。あまりしつこく聞くと、最近はやりのマスハラ(mathematical harassment :数学の証明を強要するなどして精神的な苦痛を与えること。たぶん)と言われかねませんので、クリスマスの楽しい話題*3に変えました。
前任校で数学の初任者研修会が開催されたことがあります。研究授業後の合評会で、多くの先生方が「数学の良さや楽しさ、数学が日常生活でどのように役立つのかを実感させることを心がけています」と仰っていました。しかし、学力差が激しいとされる数学の実際の授業の中では、「虚数単位『i』は、2乗すると-1になるという独特の計算ルールがあるだけで、それ以外はa,b,cのような普通の文字と同じように計算をすればいいですよ・・・」と指導するのが精一杯で、その数学的意義まで実感できるように指導することは難しいのではないかと思います。
よく、「交流回路の計算で使われる」という話が紹介されますが、具体的に計算式を示すには、まず電気についての説明が必要になります。改めてこの数を高校数学で取り扱うことの難しさを感じたところでした。
私自身は、高校1年の時に初めて虚数に出会いました。どういうストーリーの中でこの数が出てきたのかはっきり覚えていませんが、多分「2次方程式は、解を持つ場合と持たない場合がある。この2次方程式は実数解を持たない。でも、『解なし』じゃ困る。どうしても解がほしい。という中で、無理矢理『2乗すると-1になる数』を考えて解いてみましょう・・・」といった流れで学んだはずです。「何なのそれは?」と反応したかどうかも今では思い出せません。当時は今ほど数字に関する感性はなかったのだと思います。
数学史の本によると、虚数という言葉を初めて書物に書いたのは、「我思う、故に我あり」で有名なデカルト(1596~1650:フランスの哲学者・数学者)とされています。虚数が発見されてから数百年間は「詭弁(きべん)的な数字であり、実用性はない」「ただの想像上の数に過ぎない」と否定的に評価されていたそうです。ですが、オイラーの等式*4で有名なレオンハルト・オイラー(1707~1783:ロシアで活躍したスイス生まれの数学者・物理学者)が虚数のもつ重要性を解き明かした後、その評価は一変したようです。さらに研究が進むにつれ、その存在を仮定して計算に使ってみたら非常に便利であることが分かり、数学者の間で広く使われるようになったとありました。
ということで、数学者の方々にとっては非常に便利な数なんだそうです。でも、虚数が文字通り「虚(むな)しい数」にならないためにも、高校生の皆さん方にどのように有意義なのかということを示さなければならないとやはり思うのです。
そういう思いで、数学は何のために学ぶのかということをテーマにした様々な本に私自身目を通しているわけですが、ある本に次のようなとても興味深い記述があるのを見つけました。
「東に3im進むということは北に3m進むということ? ~ iをかけると90度回転 ~」というタイトルの下、ざっと次のようなことが書いてありました。
私たちは中学校の数学で負の数(マイナス)を導入することにより、「西に3m進む」ことを「東に-3m進む」と表現することができるようになりました。
では、北に進むことを東に進むことを使って表現できないものでしょうか。
今、横軸が実数部分、縦軸が虚数部分を表す「複素平面」と呼ばれる平面を考えてみましょう。その平面上で「4+2i」の表す座標と、「4+2i」にiをかけた (4+2i)×i =-2+4i 即ち「-2+4i」が表す座標を比べてみましょう。
iをかけた後の点Bは、iをかける前の点Aを「原点を中心に反時計回りに90度回転させた」座標にあることがお分かりだと思います。
・・・・・・略・・・・・・
そういうことで、虚数iを導入することにより、「北に3m進む」ことを「東に3im進む」と表現することができるようになります。
このような説明を虚数について初めて学んだ高校1年の時に受けていれば、幽霊みたいなこの数もきちんと居場所ができて、よりとっつきやすく楽しく学べたのではないかと思っています。
前置きが随分長くなりました。それでは本題です。
「2017を振り返る」 第1話
3年生の皆さん、習ったばっかりの複素数の計算です。長い前置きもそのためのものだったわけですが、次の計算をしてみてください。
(44+9i)(44–9i)=【 】
2017になれば正解です。
ちなみに掃除に来ていた生徒たちにもこの計算に挑戦してもらいました。6人全員ができてホッとしました。
2017は素数であり、素因数分解はできませんが、このように複素数の範囲まで拡張すれば「素元分解」ができます。ちなみに、和暦の平成29年も次のように
29=(5+2i)(5–2i)
分解できます。
今年は、西暦も和暦も素数で、6年ぶりのダブル素数ということで、年明け頃、素数ファンは大いに盛り上がっていましたが、「素数は素因数分解できないからつまんない・・・」なんていう声もチラホラ聞こえていました。しかし、4k+1型の素数はこのような形に分解できるのです。
このことについては、5月11日の徒然雑記帳でも既に紹介していますが、あえて複素数の計算を習った直後の皆さん方に、この式を計算してもらい、行く年2017を偲んで欲しいと思い、再び話題にしました。
「2017を振り返る」 第2話
右の年賀状は、今年の初め、日本数学検定協会から前任校に届いていたものです。2017をテーマとした面白い作問です。当時の生徒たちとかなり盛り上った思い出があります。
皆さん、答は分かりますか?
「1つとって」と指示してありますが、それを無視してとりあえず全部の和を計算してみましょう。
13+23+33+43+53+63+73+83+93
=1+8+27+64+125+216+343+512+729
=2025 ・・・①
総和を2017にしたいわけですから、
2025-2017=8=23
よって、とり除くのは23です。
簡単な問題ですが、これは足し算が全部で9項しかないので、このように実際に計算しても手間はたいしてかかりませんが、項数が多くなると大変です。
そこで数列の和を求める公式の登場です。
シラバスによると、本校では数列は習っていないようですが、右のように代表的な3つの公式はそんなに難しい形をしていません。3乗和の公式(上から3つめの公式)を使えば、第9項目までの和ですから、nに9を代入して、①の2025は次のように一発で出ます。
{(1/2)×9×(9+1)}2=452=2025
それでは皆様、Merry Christmas!
【校長】
※1,※2 この記事をお読みの中学生の皆さん方は、「虚数」とか「複素数」は初めて耳にする用語かもしれません。複素数は、皆さんが普段使っている「1」や「3」といった実数と「i」や「5i」といった虚数を組み合わせたもので、「-4+6i」や「5-12i」のように「〇+△i」で表すことができる数を指します。虚数が現実に存在しない数なので、虚数を含んでいる複素数も現実には存在しない数です。
※3 思い出のクリスマスプレゼントを聞きました。朝起きたら、綺麗にラッピングされた算数の問題集が枕元に置いてあったと・・・某君が。驚きました。毒サンタですね。
※4 オイラーの公式とは次の公式です。 ei x=cosx+ isinx
実数の世界では全くの無関係のように思われていた指数関数と三角関数が、複素数の世界では親戚どころか兄弟であったことを意味する重要な式です。大学の工学部や理学部等に進学すると数学で学びます。今の段階ではこんな式があるんだ・・・という理解で十分です。
電気、電波そして物質を構成する電子なども含めて、自然界は波や振動で溢れています。この波や振動現象を調べるためには、三角関数が必要不可欠です。オイラーの公式は、三角関数と指数関数が、虚数・複素数を通じて表裏一体の関係にあることを示しており、この公式を使用すれば、波動・振動現象に関して明確な答えを出すことができます。ちなみに、eはネイピアの数と呼ばれ、e = 2.718281828・・・の値を持ちます。
多くの数学者がこの公式を「人類の至宝」「人類史に残る不朽の名作」となどと表現しています。ちなみに、2004年に第1回本屋大賞を受賞した小川洋子著の小説「博士の愛した数式」(映画化もされました。本校の図書館にあります)の中では、θ=πのときのeiπ = − 1、即ちeiπ +1= 0という形で、博士が数学の中で最も美しい公式として愛していたという設定で登場します。
確かに、解析学・代数学・幾何学という異なる分野において定義された全く起源の異なる3つの数「e, i ,π」が、「1」と「0」という数学の基礎となる数とシンプルな1つの式で結び付けられており、式の意味はよく分からなくてもその美しさに感動します。
総アクセス数 874123 → 電卓のミステリー
今日はクラスマッチが行われました。3年生にとっては、高校生活最後のクラスマッチです。その思いがプレーに表れていたのか、懸命にボールを追いかける姿が印象的でした。
1,2年生は、今回のクラスマッチでさらに絆を強めた各学級の力を今後の授業や学校行事に生かし、さらに学年、学校全体の団結力へと高めてほしいと思います。
さて、いくつかの試合を応援後、校長室に戻り、HPを開いたら午前10時58分現在の総アクセス数が874123。
この数字って、何か見覚えがある数字だな・・・!?、何だったかな・・・??と考えていたら、思い出しました。
生徒の皆さんは分かりますか?
ヒントは、電卓で数字を入力するキー(テンキー)です。計算技術検定は勿論、専門の授業でいつもお世話になっている電卓ですが、その配列をさっと頭にイメージできますか?
実は、874123とは、右の写真のように5を中心として8から反時計回りに回ったキーの配列です。
なぜこの数字に閃くものがあったかというと、テンキーの配列を使って面白い計算があったこと思いだしたからです。
私は教壇に立っていた頃、授業が早く終わって時間を持て余したときなど、電卓を出してごらんとか言いながら、次のように語りかけて計算をさせていました。
電卓のキーは5を中心に8個の数字が正方形の四辺の形状に並んでいます。
これを左右どちら回りでも、どこから始めてもかまいません。
3桁ずつしりとり式に足し算してください。
答えは全部2220です。
例
123+369+987+741=2220
896+632+214+478=2220
412+236+698+874=2220
生徒「わぁ!」
では、辺の角の数(7、1、3、9)を3桁ずつ足し算してみましょう。
結果は2220です。
777+111+333+999=2220
生徒「えええ?」
では、辺の真ん中の数(2、6、8、4)を3桁ずつ足し算してみましょう。
結果はやはり2220です。
222+666+888+444=2220
生徒「何で~?」
じゃあ、対角線の3つの数字を3桁の数として、4つの数を足し算してみてください。どうでしょうか。またもや2220になりました。
159+357+951+753=2220
生徒「すげえ!!」
こういうこともしてみましょう。十字の3つの数字を3桁の数として、4つの数を足し算します。なんとこれも2220です。
258+654+852+456=2220
生徒「わおおお!」
どうやら電卓のテンキーの配列にはミステリーがあるみたいですね。
最後に、次の計算をしてみましょう。今度も始点、時計回り、反時計回りは問いませんので、5を中心にしてまわりの数を3つずつ数えていき、しりとり式で
(3つの数)―(3つの数)+(3つの数)―(3つの数)
という式の中に数を入れてみてください。この計算すると今度は、必ず0になります。
例
874-412+236-698=0
147-789+963-321=0
生徒:「うそおおお!すげえ!!」
今、この記事をお読みの生徒の皆さんはこのミステリーを知っていましたか?ぜひ、電卓を片手に「ぐるっと一回り」・「角」・「辺の真ん中」・「対角線」・「十字」の足し算、そして(3つの数)―(3つの数)+(3つの数)―(3つの数)を実際にして確かめてみてください。
できれば、式を紙に書いてこのミステリーに迫りましょう。これらの証明*は中学生の皆さんでもできるはずです。
【校長】
※ まず全ての足し算が2220になる理由です。紙に書いた計算をもとに、そのミステリーに迫ってみます。
略証
よ~く足し算の内容を見てみましょう。
集約すると
(1+3+7+9)×100+(2+4+6+8)×10+(1+3+7+9)
と
(2+4+6+8)×100+(1+3+7+9)×10+(2+4+6+8)
の2パターンしかないことに気付くはずです。
で、(1+3+7+9)も(2+4+6+8)も「=20」ですから、
結局、
20×100+20×10+20=20(100+10+1)=20×111=2220
となります。
次に(3つの数)―(3つの数)+(3つの数)―(3つの数)が0になる理由です。これも紙に書いた計算をもとに、その謎に迫りましょう。
略証
何でもいいですが、例えば 963-321+147-789 という数で考えてみましょう。
ここで注目するのは、百の位の数、十の位の数、そして一の位の数です。
百の位の数、十の位の数、一の位の数に注目して計算していくと、
900-300+100-700=0
60-20+40-80=0
3-1+7-9=0
となり、それぞれの数を足すとどれも0になります。
では、412-236+698-874という数でもそれぞれの位に注目して確かめます。
400-200+600-800=0
10-30+90-70=0
2-6+8-4=0
となり、やはりどの位の計算も0となります。
つまり、5を中心にして3つずつ数を選んでいき、
(3つの数)-(3つの数)+(3つの数)-(3つの数)
という式の中に入れると、百の位、十の位、一の位ともすべて0となる組み合わせに自動的になるのです。
まだ納得できない!という方もいるかもしれません。では、もっときちんと証明してみます。計算は中学校の数学程度ですから中学生の皆さんもついてこれるはずです。
電卓のどこの数をxにしてもいいですが、例えば2をxと置きます。そうすると、他のキーの数はそれぞれ右の写真に示すように表すことができます。
123-369+987-741を例にやってみます。
x-1を始点に3つずつ数を数えていくと、
{100(x-1)+10x+x+1}-{100(x+1)+10(x+4)+x+7}+
100(x+7)+10(x+6)+x+5-{100(x+5)+10(x+2)+(x-1)}
=100x-100+10x+x+1-100x-100-10x-40-x-7+100x+700+10x+60+x+5-100x-500-10x-20-x+1
=-100+x+1-100-40-x-7+700+60+x+5-500-20-x+1
=-100+1-100-40-7+700+60+5-500-20+1
=-200+700-500
=0
となり、めでたく0になりました!
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