寄宿舎

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サークル紹介② 「千利休」

 昨年度から継続で取り組んでいる、お茶サークル「千利休」。今回は部長のO君が、友達や先生にお点前を披露してくれました。1年間続けてきただけあって、凛とした立ち居振る舞いでお茶を点てる姿が印象的でした。

 出席された方からは、「おいしい」「とてもまろやかでした」と賛辞をいただいていました。O君は、「お客様の反応はいつも気になります。喜んでいただけたのならとてもうれしいです。」と話してくれました。

  また、「僕がお茶に興味を持つようになったのは、小学生の時です。テレビで茶会の様子が流れていたのですが、お茶を点てられる方の姿がとてもかっこ良くて、いつか僕もやってみたいと思っていました。寄宿舎で体験できて本当にありがたいです。」とも語ってくれました。今後も精進し、おいしいお茶と和やかな雰囲気を作ってくれることを期待しています。

サークル紹介① 「写真サークル」

 寄宿舎では余暇時間の活用として、サークル活動を行っています。今年度は文化系・運動系・趣味系とバランスよく設定し、生徒の希望に応じて、手話・調理・ゴルフなどに取り組んでいます。

 今回は、「写真サークル」の紹介です。寄宿舎の裏庭で運動系の生徒がよくゴルフをしているのですが、その楽しんでいる様子をカメラに収めました。緑の木々をバックに、ボールの行方を追っている表情を実にうまくとらえています。地面から見上げるように撮ったことで奥行きも感じさせる1枚となりました。ちなみに、撮影したのは2年生の女子です。

※カメラはミラーレス、ゴルフボールは練習用のスポンジボールを使用。

 

男子棟 点呼シリーズ2025②

「FSDって知っていますか?」

FSDとは、「完全自動運転」のことです。自動運転には、5つのレベルがあるそうですが、アメリカとカナダではT社のレベル3の電気自動車が普通に走っているとのことです。レベル3とは、運転の主体が人間ではなくシステムである車を指すそうです。いったいどんな車なのかと検索したところ、日本人が投稿している動画を見つけました。その動画は、車を運転したことがある人なら、きっと誰もが驚くような内容でした。アメリカで撮影されたものですが、ヒューストン~オースティン間(250km)を人間がほとんど操作することなく安全に走り切ったのです。非常に交通量の多い駐車場で2回だけ人の手が入りましたが、それ以外は完全自動運転でした。信号のない交差点の右折も、高速道路での車線変更も実にスムーズで、360度見渡せるカメラで周囲を確認しAIが最適な走行を実現してくれるのです。

映画で見たことのある未来の交通網が、現実のものとなる日も近いと感じました。と同時に、今あるものが消えていくのだろうとも思いました。

と、言うことで生徒に動画を見せ、「FSDが普及すると、なくなるもの」を生徒に予想してもらったので、いくつか紹介します。

「あおり運転」
 世相をよく反映した答えですね。確かにあおりたくてもできないでしょう。

「交通事故」
 人間よりAIの方が状況判断は正確かもしれません。

「自動車学校」「免許」
 運転という行為そのものが不要になるかもしれません。そうなると、運転免許も免許取得のための学校もなくなるかもしれません。

「バス」
 時間に縛られて走るバスを利用するより、自由に移動ができるFSDを選ぶ人は増えるかもしれません。

「ヤンキー」
 この答えは、まったく予想ができませんでした。

色々な予想をしてくれましたが、次の答えが私の中のベストアンサーです。

「運転するよろこび」
 しびれました。車好きにはたまらない答えです。運転したことがないはずなのに、なぜこの境地にたどり着けるのか? 

いつの日か、彼の助手席で語り合いたいと思いました。

男子棟 点呼シリーズ2025①

4月に新入生を迎え、在校生は一つずつ学年が上がりました。早速、上級生としての自覚を垣間見る出来事が2つあったので、点呼で紹介しました。

一つ目は阿蘇から来ているO君のことです。

寄宿舎生は毎週土日を自宅で過ごし、日曜日の午後から寄宿舎にもどってきます。たいていの生徒は単独で寄宿舎に戻ってくるのですが、O君は自力で帰舎することができず、昨年度は保護者に送ってもらっていました。何度も単独で帰舎するように言ってきたのですが、なかなか実行に移すことができないでいました。ところが、今年度に入り最初の帰舎日にいきなり自力で戻ってきたのです。

O君は経験のない事には、なかなかチャレンジしようとはしない生徒です。まったく練習することなく、なぜ単独帰舎ができたのか?本人に聞いてみると、「まあ、2年生になったし、このままではヤバイと思って(笑)」と答えてくれました。私が説得しても全く動こうとしなかったO君が、いとも簡単に自分の行動を変えたのは、上級生になったという自覚がなせる業だったのです。とても素晴らしいことだと思ったし、人というのは、自分自身が本気で変えようと思えば、行動は変えられるものだということを改めて思い知らされました。

 

二つ目は、荒尾から来ているU君のことです。

寄宿舎では食事の配膳は生徒が行います。通常は15分程度で終わる配膳ですが、1年生が不慣れなこともあり、いつもより多くの時間がかかっていました。そのため、食事開始の時間が遅れ気味になることがありました。その状況を見ていた2年生のU君が「配膳に時間がかかるので、配膳開始時間を5分早めてもいいですか?」と相談に来たのです。私は、自主的にそういう提案をしてきたことがとてもうれしくて、一も二もなくOKを出しました。おかげで、次の食事は時間通りに始めることができました。

私はこのことを次のように紹介しました。「 本当の賢さというのは、こういう行動をとれることです。つまり、①状況を客観的に把握し、②解決法を考え、③実際に行動に移せることが、社会を力強く歩むための知恵となるのです。世の中の大抵の事には正解はありません。あるのは自分の判断と行動だけです。U君は今の配膳の状況が良くないことに気付き、自分なりの対策法を考え私に提案するという行動を取ることができました。実に素晴らしい。」

 

この二人の行動を振り返ると、寄宿舎や学校での学びが主体性を育んでくれたものと感じました。日頃の淡々と繰り返される営みの中で、生徒は様々なことを感じたり考えたりしているのだなと思います。改めてひのくに生の力を確認する出来事となりました。