色彩学ワークショップ~美術科外部講師講演会~

 今年度、美術科外部講師講演会は女子美術大学から坂田勝亮先生(芸術学部美術科芸術文化専攻教授)をお招きして、色彩学の講座を実施しました。
 まず、90分の講義で「色」とは何かを学び、次に色の三属性及び、色を分析的に見る眼を養う方法を学びます。

 次に色票(PCCS Harmonic Cards)を使って色と色との関係を把握するワークショップを行いました。
 赤から黄色の間(7色)のカードを取り出し、左右に赤と黄色を置きます。カードをシャッフルしてカードを一枚ずつ取り出し、その色が赤と黄色の間のどの位置にあるかを見極め、置きます。それを順に繰り返すと赤から黄色のグラデーションができるのですが、その感覚はなかなか均等にはなりません。 

 同様にビビットカラーの全ての色相(色味)を24色を取り出し、シャッフルしたカードを一枚一枚手に取り、その色が色相環(色を近い色味で並べたときにできる輪)のどの位置にあるかを感じ取り、その仮説をもとに置いていきます。結果は多くの生徒が下の写真にようになりました。間隔が広いところはその色に対する感覚が敏感で、その色と色の間にもう何段階かあるはずと感じているところ、ということでした。

 最後は4人一組でゲーム形式でワークを行いました。中彩度のトーンから4グループ取り出し、ばらばらに並べます。神経衰弱の要領で、同じ色相を選ぶことができたら、自分のカードとなります。

       

 次に、低彩度のグループの神経衰弱をします。

 簡単なようで、裏返すと隣の色相だったり、なかなか当たりません。

 最後は七ならべをしました。

 「自分はずっと美術と心理学の接点を探していたけれど、今日ここで見つけました。」という生徒の感想がありました。「見る」ということは目に映った像を脳が解釈すること、という言葉が講義中にありました。全く異なる領域の研修で学んだ「見る」ということはバラバラの情報を意図をもってまとめること、という考えを思い出しました。色彩の学習は科学的な学習なのだと生徒の感想から改めて気づかされました。
 坂田先生、ありがとうございました。