英国EU離脱・・・これやこの(^^♪

これやこの 良いか悪いか 分からねど

     知るも知らぬも 離脱の影響


 イギリスは23日の国民投票で、欧州連合(EU)からの離脱という歴史的な選択をして世界中に衝撃が走りました。

そのことで、蝉丸法師の和歌のパロディ作成に興じていたら、さらに驚くべきことが報じられました。残留を訴え国民投票のやり直しを求める署名の数が403万を超えている(29日夕現在)のだそうです。キャメロン首相は、以前から「2度目の国民投票はない」と述べていましたので、一体どのような結末を迎えるのか大変注目されます。

本校では、4年前の平成24年5月に、国際理解教育の一環としてスロバキア大使のドゥラホミール・シュトス氏を招聘して「EUがあなたの学校にやってくる」講演会を行いました。大使はEUの組織や統一通貨ユーロ等について熱心に語られ、その後の質疑応答も大変盛り上がったことが懐かしく思い出されます。それだけに(お話しを聞いた当時の生徒は既に全員が卒業していますが)、現在校生も含めてイギリス国民が下したこの決断に驚いた人は多かったことだろうと思っています。


 さて、本日発行の天工だより7月号の裏面の「社会科通信第2号」に、5月に主権者教育の一環として実施した3年生対象の「選挙出前授業」の時にとったアンケート結果が載っていました。それによると、「18歳になって実際に選挙が行われた時に行ってみたいですか」の問いに対して、「行きたい」と「できる限り行きたい」を合わせた人の割合は93.
8%であり、政治参加(投票)に極めて高い意識で臨もうとしている本校生の姿勢が感じ取れ、大変誇らしく思いました。(ちなみに、28日の熊日朝刊第1面には、「高3『投票行く』76%」とありました)

特に進路決定が間近の3年生にとっては、イギリスのEU離脱問題が世界経済(ひいては自らの就職活動)に与える影響などに想像を巡らせてみるのも意義深いことかもしれませんし、これがきっかけになって、政治経済の勉強に目覚める人がいればこれまた嬉しいことです。 【校長】


  *これやこの 行くも帰るも 別れては
 
     知るも知らぬも 逢坂の関   (蝉丸:せみまる;百人一首 No10)
 都を離れて行く人も地方から帰って来る人も、出立する旅人もそれを見送る人達も、みんなこの場所を通って行く・・・見知った人も見知らぬ他人も、これを限りのお別れかもしれないけれども、とにかくみんなここに出逢い、そしてまた散り散りに消えて行く・・・ここは「大坂(逢う坂)の関」、出会いと別れの交差点。
 【鑑賞】逢坂の関は、京都の周囲に三箇所あった関所のうちの一つで、現在の京都府と滋賀県の間あたりにありました。蝉丸は、この関所の近くに住んで、人々が往来する様子を眺めていたのでしょうか。それとも、蝉丸自身も関所を行き交ったのでしょうか。蝉丸は、関所の往来になぞらえて、人間の出会いと別れをも詠っているようです。生きていれば、たくさんの新しい出会いがありますが、また多くの別れもあります。そばにいるお友達や、そして家族を大事に思って、生きていかなければなりません。
 Whoever comes in and out, Friends and strangers alike. It's here that everyone departs - Ausaka - slope of encounter.     【注釈の出典 http://www.caruta.net/semimaru.html 】