生活体験作文発表会
7月14日(月)は、10月に熊本市で行われる定通文化大会に向けた、校内生活体験作文発表会が実施されました。
発表生徒は、各クラスから1~2名を選出し、計4名が発表。あらかじめ「くじ引き」をして決めた順番で順次発表します。
トップバッターの生徒の題名は「高校生活を振り返って、そしてこれから」です。3年前に高齢で入学した4年生の生徒さんで、若者に交じって生き生きとした高校生活を送ってこられ、いよいよ卒業学年となった今、これまでを振り返り、今後の人生の展望について語られた内容でした。
静聴した生徒からは、「笑顔の裏側に辛いことがあったのは初耳だったけれど、定時制4年間で自分自身精一杯成長して色々なこと乗り越えてきたんだなと思い、人として尊敬するべきところがまた増えました。」「入学当初は私も姿を見たとき、あきらかに同年代じゃないなと思ったものの、どこか安心感がありました」「みんなより少し遅れて高校生になっても、検定を受けたり、一緒に授業を受けたりしているのがすごいなと感じました。定通総体でも良い結果を出していたりと様々な事に対しての一生懸命さが伝わりました。」「4年間の話を5分の間にまとめられていて、あの時こういうことを考えていたのか…と色々考えさせられました。」といった感想メッセージが寄せられました。
2番手の生徒はの題名は「日常」。義務教育課程時代における学校生活のなかで、周囲からの謂れ無き理不尽な扱いを受けてきたことに対する心の痛みと、定時制入学後の学校生活をとおして、新しい仲間との出会いを重ねてそれを克服してきた現在、そしてこれからの生き方に対する展望が堂々と語られる内容でした。
静聴した生徒からは「すごく苦労したんですね。最初見た時はそんな感じではなくて、何かさわやかな子だなと思っていました。苦労した分、幸せが積み重なってたくさん来ると思います。人生、笑いあり、涙あり、感動ありで頑張ってくださいね」「小学校や中学校のとき、とても苦労していたことが良く伝わってきました。私も小学校のころ同じようなことを体験したこともあってとても心に響く作文でした。」「辛いことがあっても、高校に入学すると決意したことがとてもすごいことだなと思いました。高校に入学して変わったことや昔の自分と比べてどう変わったのかという話がとても心に響きました。」といった感想メッセージが寄せられました。
3番手の生徒の題名は「私らしさ」。昨年度、学校代表として「人生 ハードモード」という題目で県大会で発表してくれた生徒会長の生徒です。年々、グレードアップしています。
静聴した生徒からは、「高校生活とアルバイトを両立しながら頑張る姿はとてもかっこいいと思いました。テストもちゃんと対策を頑張ってすごいと思いました。」「自分も最近アルバイトを始めていて、勉強とアルバイトの両立がどれほど難しいかすごくわかります。それでも頑張っていてすごいなと思います。生徒会長もやっていて本当にすごいです。」「苦労人でしたね。でも前向きな明るさで残りの学校生活を楽しんでいきましょう。勉強もいつも教えてくれてありがとう。」「一つひとつ自分にできることを見つけて、自分らしく日々を過ごして来たことがすごいと思いました。『あと1年しかない』と思えるほど、自身にとっての居場所になるまでの努力は見習いたいと思いました。」といった感想メッセージが寄せられました。
4番手の生徒の題名は「高校生活で感じたこと」。トリを務めてくれたのは3年生の生徒です。
静聴した生徒からは、「勉強をあきらめることをせず、そこから楽しいと思えるまで勉強を持ち上げたのは、本当にすごいと思うし尊敬できることだと思いました。今後自分も、『きらい』から『楽しい』の領域にたどり着けるよう頑張りたいです。」「自分の心に不安を抱えながらも資格取得に向けて勉強を頑張ったり、積極的にボランティア活動に参加したりと、やるべきことから目をそらさずに取り組んでいるところがすごいと思いました。」「定時制に入って出来るようになったことが増えたようで良かったです。今までいろいろな大変なことはあったと思うけれど、校外の販売実習の時とか一緒に居れて私は楽しかったです。大変だと思いますが卒業までがんばってください。」といった感想が寄せられました。
教頭先生からの講評では、発表した生徒一人ひとりに寄り添った、大変丁寧な講評をいただきました。
3年連続で司会進行の大役を果たしたくれた生徒会副会長の生徒にも感謝です。間の取り方など、完璧でした。
自分のことを人前で発表するということは、大人でもとても勇気がいることです。そんな中、発表した生徒は皆、とてもよく頑張ってくれ、輝いていました。
人間、自分が不幸な目に遭うと、「なぜ自分だけが」と思い、幸せそうな隣人がついうらやましくなってしまうことがあります。しかし、その隣人たちにも本人にしかわからない「ドラマ」があります。今回の発表会では、人の発表を静聴した生徒たちにも、何かしらの心の変化があったものと思われます。そして今回、生徒からの感想の中でたびたび登場したワードが「尊敬」という言葉でした。「○○さん(発表者)のことを尊敬しました。」
人を「うらやむ」よりも「敬う」ことで、また新しい角度での、ものの見方ができるのではないでしょうか。
生活体験作文発表会を通して、今現在において自分自身を取り巻いている状況をしっかりと見つめなおし、今自分に何ができるかを考えていくことで、探究する力を育み、主体的な学びで夢(願い)を実現する生徒であってほしいと願います。