商業科商品開発「創作スイーツ」提案プレゼンテーション
6月13日(金)は、定時制商業科の商品開発「創作スイーツ」提案プレゼンテーションが実施されました。
この創作スイーツ開発計画は、昨年度開発した「ミニタルト」に続く新しい商品を開発するべく、3・4年生の課題研究で、生徒が3班に分かれて商品案を作成してきました。本日はその提案プレゼンテーションをする日です。
共同開発としてご協力いただく、道の駅みなまた・Shop&Cafeミナマータの館長様とシェフの方を講師としてお招きしました。
はじめに、生徒たちの提案を聴いていただきます。
まずは2班の提案からです。2班からは「水俣×ザッハトルテ」を提案します。以下は発表の要旨です。
ザッハトルテは、オーストリアが発祥の地と言われています。私達の班は前に一度食べたことがあってその美味しさが記憶に残っていたのでもう一度詳しく調べてみました。ザッハトルテは大人から子供まで好まれるのではないでしょうか?オーストリアが発祥なので外国の方にも食べてもらえると思いました。ザッハトルテをそのまま出すのではなくて水俣産の特産品を使ってアレンジしようと班の中で話し合いました。それで甘夏をペースト状にして中心部に入れます、甘夏の皮を小さく刻んで上層部に乗せてみました。もう一つは水俣産の抹茶ザッハトルテの下層部に抹茶をおりこんで上層部に抹茶入のペーストで模様をいれる。形は丸型の直径5cmで厚みが5cmにしようと思っています。価格350円で考えています。
この企画のコンセプトは「水俣の特産品とザッハトルテのコラボで海外の方にも水俣の特産品の良さを知ってもらう」です。
ザッハトルテが海外発祥の食べ物なので、海外の方たちがこられたときに少しでも興味を持ってもらいたいという思いもありターゲットの中に日本の子供から大人までだけでなく海外の方も視野にいれてみました。
形は丸型にして直径・高さどちらも5cmで考えています。主に店内での飲食でテイクアウトもできるようにしたいと思っています。考えた商品があまり大きくはないので価格は350円で考えています。
甘夏の方は中の生地(白いところ)に甘夏マーマレードを混ぜた生地をチョコ生地の間に挟もうと思っています。その生地をチョコでコーティングした上に生クリームをのせ、そこに甘夏を削ったものをのせようと考えています。生クリームだけだと見た目がシンプルすぎるきがしたので生クリームの横にチョコペンでデコレーションをしようと思っています。
抹茶の方はチョコペンの部分を緑にして甘夏の方と見分けをつけられるようにしたり、中に練り込むもの生クリームの上に乗せるものを甘夏ではなく抹茶と相性がいいレモンにして、甘夏のほうと区別がつけられるようにしました。甘夏の方はチョコ生地を使っていましたが、抹茶のほうは生地をチョコではなく抹茶生地を使いたいと考えています。
2つともなるべく違った味にしてお客さんに楽しんでもらえたらいいなと思っています。これで2班の発表を終わります。
続けて、2班の提案に対しての講師の先生方からのアドバイスです。以下は指導助言の要旨です。
2班の案については、絵にすることで、とても見やすかったのが良かったです。また、材料が何が必要とかいうことをピックアップしてもらって、何が何グラムいるのかといったところまで、レシピを引っ張ってきていたのが良かったです。
抹茶の方ですが、何の味を一番に出したいのか、抹茶を一番に出したいということですよね。それなら、レモンがアクセントになってきます。抹茶の味を引き立てる、これのアクセントになっていて、これもとても良かったです。
甘夏の方ですが、チョコとチョコの間の甘夏は、どんな甘夏ですか。フレッシュなのか、それともマーマレードなのか、というのを聞きたいのですが。(生徒:ざく切りにします。)わかりました。
第一印象としてはとてもかわいらしくて良いなと思ったのと、コンセプトが海外の方ということで、確かに現在道の駅は、海外のお客様が増えていますので、水俣の特産品を知ってもらうというのはすごく良いコンセプトだなと思いました。ケーキが350円くらいということなのですが、みなさん、最近ケーキ買ったという人いますか。(生徒:挙手)あんまりいないんですね。今、ケーキ屋さんでは結構値段が上がっていて、ケーキが350円というのは、なかなか見ないんですよね。400以上くらい、高くて700円とかで作ってあったりするので、チョコレート自体が今すごく値上がりしているので、350円で買えたらすごくいいと思うのですが、現実的には計算するとちょっと厳しいかなと思います。
次に3班の提案です。
3班からは2つの商品を提案します。まずは、1つ目の「~水俣抹茶甘夏ムース~」からです。以下は発表の要旨です。
私たちが今回プレゼンする商品は「水俣抹茶甘夏ムース」です。
食べた人見た人の記憶に残る商品にしたいと思い、他のとこから来た人や水俣市民の人に実際に見て感じて楽しんでもらい水俣の特産品を使って水俣の名物やいいところを知ってもらうそして、お子様でも食べやすく見た目でも楽しんで思い出として記憶に残るものにするというコンセプトにしました。
家族連れや観光に来た人遊びに来た人全員が食べれるようにお子様から大人まで幅広い年代をターゲットにしました。
販売方法は店内販売でテイクアウトも可能にできるようにしました。カップのサイズは直径7.5センチで高さは7センチを目安にしました。
値段は材料費など色々考えて300円程度にできればと思ってます 保存方法は大体1日〜3日 冷凍保存は1週間〜10日間ぐらいが目安と考えてます。
抹茶のムースの材料は、ホワイトチョコ 10g ・抹茶(粉)0.8g ・牛乳30ml・卵黄1個半・水(ゼラチン用小さじ2)・グラニュー糖 8g・ゼラチン 0.8g・生クリーム 25ml・金箔(飾り用)です。
甘夏ムースは二層にしたいので甘夏ムースの方は、生クリーム 20ml・ゼラチン 0.5g・グラニュー糖 4g・甘夏のピューレ 30ml・水(ゼラチン用小さじ3)・甘夏(飾り用)です。ヨーグルトムースの方は、プレーンヨーグルト 45 ml・グラニュー糖 5g・生クリーム 25 ml・水(ゼラチン用小さじ3)・ゼラチン 0.8gです。
甘夏ムースはヨーグルトムースと甘夏ムースの二層にしました。トッピングには甘夏の果実をのせようと思ってます。
抹茶ムースは抹茶のムース一層だけで 飾りとして金箔をのせたいと思ってます。
以下は、この提案についての、講師の先生方からの指導・助言です。
当店では、コーヒームースを出していて、時期的にはイチゴムース等をこれまで作ったことがあって、実際ムースは売れるので、とても良いなと思っていて、ショーケースに並んだときも、すごく色が映えるので、そういった面でもムースは良いなと思いました。生徒たちのこれまでの様々なアルバイト経験からも、こういったお店には、どういったお客さんが来るといったことも、より詳しく調べてくれているので、すごく良かったなと思います。
3班2つ目の提案です。「みかんとお茶のミニクレープ」です。以下は発表の要旨です。
私達はみかんとお茶のミルクレープを紹介します。水俣の特産品を使ったスイーツを作ることを考えて思いついたのがミルクレープでした。最初はみかんのクリームを使っただけのミルクレープも考えていましたが、お茶の方も使いたいと思いクレープの生地に茶粉を練り込むことを思いつき今の形になりました。
私達は、水俣の特産品のみかんとお茶を入れたミルクレープを考案しました。大きさは直径20cmの8分割で一切れずつ売ろうと考えていて今回は年齢層は10代から40代の若い世代をターゲットに考えています。
クリームは薄皮をむいたみかんを200gとマーガリンを大さじ1、薄力粉を大さじ1.5、クリーミングパウダーを大さじ3、砂糖を30グラムとバニラエッセンスを数滴と、ピールを適量入れます。
抹茶生地の材料は、薄力粉95g、茶粉10g、砂糖15g、塩ひとつまみ、ベーキングパウダー数滴、卵M〜Lサイズを2個、牛乳300g、サラダ油20g、バニラオイル数滴です。
茶粉を生地の中で練り込み、あいだのクリームにはみかんを使用してその中にみかんのピールを練り込むことで柑橘の風味を楽しむことができ、より多くの世代の方々にたべていただけると思います。
甘さは控えめで食べやすく、ポリフェノールの抗肥満作用で体型を気にする方でも食べやすいスイーツになっています。
価格はひときれ1個400円で考えています。
以下は、この提案についての、講師の先生方からの指導・助言です。
レシピまですごく拾ってあって、最後に画像まで見せてもらって、わかりやすかったです。原価を色々と調べてみましたが、クリームの方が80.3円、クレープの生地の方がだいたい20枚くらい作ったとして、333.5円、413.8円、これを20センチ大として、8で割って51.725円。安いですね。でも、手間暇かかるんですよ。クレープをいっぱい作らなくちゃいけないので。そして、それにプラス容器等、売るまでに何が必要となってくるかというのを考えていかないといけないので、だからケーキ屋さんは高いんですよね。今、色んな物が値上がりしてきているので、卵も高い、小麦粉(薄力粉)も高い。色んな値段が上がってきているので、店頭に並ぶ時には、かなりの値段になってきます。
質問ですが、みかんと書いてあるのですが、みかんの種類は何で考えられていますか?(生徒:みかんは甘夏です。)甘夏ですね。ありがとうございます。私も抹茶が凄く好きなんですけど、抹茶と甘夏の組み合わせはパンケーキのお店とかでもあったりするので、すごく良いなと思っているんですが、このミニクレープがちょっと手間がかかるかなというのが正直なところです。でも、すごくおいしそうで良いなと思いました。
最後に、1班からの提案です。
1班からは「Free & Round」と題した創作ドーナツです。以下は発表の要旨です。
「グルテンフリー」+「丸い形」。自由でやさしい響きのある名前にしました。
私達は今回、地元ミスタードーナツの閉店により過疎化が進んだ地域の活性化を図ることを課題として考え、ドーナツを選びました。
そして、グルテンフリーを利用することで様々なアレルギーを持った消費者にも商品を手に取っていただくことが出来ます。
他にも、視覚的な魅力からSNS映えに繋げる、特産品を使うことでバリエーションを豊富にするなどの利点があります。
イートインでもテイクアウトでも販売可能です。それによりアップセルも狙うことができます。
サイズは直径約4cm程で、カップに3〜4個いれる予定です。
フレーバーは、プレーン、水俣茶、バラ、期間限定での販売になる不知火の4つになります。
ターゲット層は幅広く、幼児から高齢者までです。子供は2歳以上から食べることが出来ます。
コストは200円〜270円程の低価格で検討しています。
基本薄力粉などを使うところを米粉にしてグルテンフリーを意識した。豆乳には貧血予防などの健康効果。米油にはビタミンE(若返りのビタミンともいう)が他の食用油より多く、オリザノール(コレステロールの低下や美白効果をもつ)などが含まれていて細胞の健康維持を助ける働きをします。
黒砂糖にはミネラルが豊富で血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。ベーキングパウダーの代わりに片栗粉を使用し、片栗粉は消化が良く、病後の食事にも適していると言われています。バニラエッセンスにはリラックス効果や腸内環境の改善など健康への様々な良い影響があります。
基本薄力粉などを使うところを米粉にしてグルテンフリーを意識した。豆乳には貧血予防などの健康効果。米油にはビタミンE(若返りのビタミンともいう)が他の食用油より多く、オリザノール(コレステロールの低下や美白効果をもつ)などが含まれていて細胞の健康維持を助ける働きをします。
黒砂糖にはミネラルが豊富で血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。ベーキングパウダーの代わりに片栗粉を使用し、片栗粉は消化が良く、病後の食事にも適していると言われています。バニラエッセンスにはリラックス効果や腸内環境の改善など健康への様々な良い影響があります。
以下は、この提案についての、講師の先生方からの指導・助言です。
今までにない、米粉を使ったものですね。他にも色々な素材を使っていて、健康面も考えてて、特にこの素材の何が良いのかをちゃんと調べてありますね。これも素晴らしいなと思います。私も調べたのですが、直径7センチで6個分で調べたんですよ。同じ材料ではないのですが、だいたい似たような材料で、6個分で400円になると、これが6個分だから1個66円とか、67円とかになるんですね。全部で400円くらいかなと。でも、良いところをついていると思います。あと、味を変えるのにお茶、バラ、不知火とあるんですけれども、これをどのように練り込むのか、上にかけるのか、そこらへんが知りたかったなと思いました。あと、当事業所では、揚げ物が出来ないけれども、ドーナツは揚げるだけじゃないんですね。焼きドーナツというのもあるので、焼きで考えていくと、とても良いんじゃないかなと思います。
写真でも見ましたが、見た目もかわいくて、グルテンフリーということで素材も工夫されていて、良いなと思いました。米粉も実際、今道の駅でも地元産の米粉パンがあるので、そういったものを使ったらまた、オリジナルのドーナツができるので、良いなと思っています。そして今、ミスドもまた「もっちゅりん」とかで流行ってますし、幅広く色んな方々に愛されている商品なので、すごく良い視点だなと思ってます。水俣の「おるがんと」さんが、6月~7月頃にドーナツ店をオープンするんですよね。そういったのもあるんですけど、おるがんとさんは全然好きに作ってくださいとのことだったので、そういったことはあまり気にせずにやっても良いのかなと思っています。「ドーナツ被り」があるなとか気にされなくても良いというのはお伝えしておきます。そして、味は色々と水俣茶、不知火とあるんですけど、それ以外でも通年をとおして、他にも季節のものとか使ったら、1年かけて色んな味が出せるので、そういった面でも季節感を出せるので、良い案だなと思いました。
続けて、全体を通しての、館長様からの所感及び指導助言です。以下はその要旨です。
今、3人で意見交換をしたところですが、商品開発につながるアイディアですね。そこらへんがですね、今のドーナツは、かなり実現の可能性が高いかなと。味も色々変えられるし、受ける商品になるんではないかなという印象を今持っています。ただ、私どもの厨房では、匂いが色んなものに着くことから、揚げることができないので、焼くという方法でならばやれるのではないかなということですね。
その次に、2番手につけたのが、抹茶と甘夏のムースですね。こちらも非常に一般受けしやすいのと、技術的にいけそうな感じですね。4つご提案いただきましたけれども、今の2つがですね、今のところ私どものなかでは、良い印象を持っているところでございます。
最後は、生徒会書記の生徒より、生徒代表謝辞が行われました。
生徒たちの創意工夫に富んだ商品案と、そのプレゼンにおける粘り強さにより、4商品の提案のうち、なんと半数の2商品もの案に対して、今後の商品化につながる可能性があるという示唆をいただきました。
今回は残念ながら採用までは至り得なかった「ザッハトルテ」と「クレープ」担当であった班の生徒たちも、非常に多面的な角度から研究、そしてプレゼンをしてくれましたので、今後ますます伸びていくであろうその探究力を生かして、今回のプレゼンで商品化の対象となった「ドーナツ」と「ムース」の班に合流し、従来の班の生徒が持つ探究心と合わせて、全生徒で主体性を持ってその力を遺憾なく発揮してもらい、商品化という夢(願い)の実現のために精進してほしいと思います。
今回の講師招へい事業は、受講・提案した生徒たち、そしてその案に基づいて試作品の考案・準備をしてくださる道の駅の講師の先生方の双方が、新たな「宿題」を持ち帰る形となった、共同開発ならではの、次につながる商品開発の提案プレゼンテーションでした。
今後は、「ドーナツ」と「ムース」に関するより詳細な検討会・試作、そして販売開始目標時期である秋口に向けて突き進んでいくことになります。
大変お忙しい中、私たちのためにご来校いただきました、道の駅みなまた・Shop&Cafeミナマータの皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。