校長室からの風

西高生、全国の舞台へ! ~ ラグビー7人制全国大会、インターハイ、全国高校総合文化祭

 7月16日(土)~18日(月)、ラグビーの聖地、菅平高原(長野県上田市)で第9回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会が開催され、熊本西高ラグビー部は3回目の出場を果たしました。14日(木)夜に熊本を貸し切りバスで出発し約20時間かけ現地に到着。予選リーグで1勝1敗となり決勝リーグに勝ち上がることはできませんでしたが、敗者復活戦リーグで試合を重ね、力を大いに発揮しました。19日(月)のお昼頃、帰校。悪天候の中の長時間のバス移動にもかかわらず、15人の選手達は疲れも見せず、実力を出し切った達成感と冬の花園大会に向けての意欲を示し、頼もしく思いました。

 また、今年の全国高校総体(インターハイ)は四国4県が会場です。「躍動の青い力 四国総体2022」です。全国高校総合文化祭は「とうきょう総文2022」、東京で開催されます。いずれも西高生の出番は8月上旬の予定です。

 総体、総文祭に本校から、柔道部、なぎなた部、陸上競技部、ウェイトリフティング部、書道部、美術部と六つの部活動、合わせて21人の皆さんが出場します。eスポーツ部の1チーム2名も、予選を勝ち抜き、フォーナイト部門のオンライン全国大会(8月)へ出場します。

 伝統を誇る柔道部は団体と個人(4部門)が全国上位を目指します。なぎなた部は6月に行われた全九州総合体育大会で団体3位となり、自信を深めています。陸上競技部の杉山君(走り高跳び)、飯田さん(やり投げ)、水野君(砲丸投げ)の3人は2年次から県のトップ選手で、南九州大会でも上位入賞の実力者ぞろいです。全国大会での躍進が期待されます。ウェイトリフティング部は個人3部門に出場。3人とも西高入学後に競技を始め、伸び盛りの選手たちで、初めてのインターハイを楽しみたいと語っていました。

 この2年半、未曾有のコロナパンデミックによって私たちの生活は大きな影響を受けました。部活動も様々な制約を受け、思うような活動ができなかったと思います。目標を見失いかけたこともあったでしょう。それでも、自己管理に努め、たゆまぬ努力を続けてきたことが全国大会出場につながったと思います。逆境の中でも、生活の軸がぶれず、自らの本分を貫いた姿勢を心から称えたいと思います。

 全国大会に出場する西高生が、全国各地から参加する志ある高校生と競い合い、交流し、ひとまわりもふたまわりも大きく成長し、笑顔で帰ってきてくれることを期待しています。

 西高生、全国の舞台へ進む夏です。

「校長室からの風」

     女子柔道部          なぎなた部           陸上競技部

 ウエィトリフティング部     eスポーツ部

「真心はかはらざりけり」 ~ 160年前の国際交流から学ぶ

 ただいまALTのケリー先生の退任式を行いました。ケリー先生の故郷、カリフォルニア州はアメリカ50州の中で最も人口が多く約4000万人。面積は42万㎢あり、日本列島がすっぽり入る広大さです。サンフランシスコやロサンゼルスといった大都市があり、ヨセミテ国立公園などがあることでも知られています。

 そして、私たち日本人にとって、カリフォルニアはハワイと並んで歴史的に深い関係がある州です。鎖国が続いた江戸時代の末期、アメリカのペリー来航によって日本は開国することとなりました。1860年(万延元年)、アメリカ合衆国と通商条約を結ぶために江戸幕府の使節団が、咸臨丸やアメリカの軍艦に乗船し、太平洋を航海しました。一ヶ月以上かけて西海岸のカリフォルニア州サンフランシスコに到着したのです。幕府使節団はこの後、首都ワシントンやニューヨークなどを訪問し、鉄道や近代的な工場、ビルディングなど進んだ西欧文明に圧倒されます。長い鎖国政策で世界を知らなかった幕府の使節団にとって、言葉も通じず、人種も違い、服装や食事など生活慣習も大きく異なるアメリカの人たちはどう映ったのでしょうか? 自分たちとは全く違う化け物のように感じたのでしょうか?

 使節団の一人の村垣淡路守という人がアメリカで歌を詠んでいます。

 「姿見ればことなる人とおもへども その真心はかはらざりけり 」

 姿は違っても、心は同じだと言っているのです。

 それでは、ちょんまげを結い、刀を差した和服姿の侍たちは、アメリカの人々に野蛮人扱いされたのでしょうか?全く逆でした。東洋のサムライの一行が初めて米国へ来たと大歓迎を受けます。かれらの立ち居振る舞いは礼儀正しく気品があると当時のアメリカの新聞、雑誌が報道しています。

 160年前の私たちのご先祖、サムライたちは、国が異なり、習俗が違っても同じ人と人なのだと本質を見抜きました。開国したばかりのアジアの島国から来た、変な格好をした日本人をアメリカの人々は温かく迎え入れました。

 翻って21世紀前半の今日、分断と対立が世界各地で起こり、ウクライナでの戦火がやみません。人種、宗教、言語、政治などが異なっても、私たち人間同士には本質的に理解し合えるものがあるのだということを、私たちは歴史から学ぶことができると思います。

 明治時代になると日本から多くの移民が船でカリフォルニアへ渡りました。「その日本人移民の子孫の一人が私かもしれません」とヨギ・ケリー・アン先生が笑いながら語ってくれたことがありました。

 ケリー先生と出会えた幸運に感謝し、1学期終業式の話を終わります。

「校長室からの風」

    表彰式、全国大会出場部への同窓会からの激励金交付、1学期終業式のスタジオの様子

ケリー先生有り難う! ~ ALT退任式

 Assistant Language Teacher(ALT)のケリー先生は、コロナパンデミック前の2018年夏に西高へ赴任され、4年の勤務を経て来月、アメリカ合衆国へ帰国されます。ケリー先生はICT(情報通信技術)が得意で、アメリカの友人やご家族とオンラインでつなぎ、本校と交流授業を何度も実現されました。パンデミックの中でも、インターネット環境とタブレット端末があれば国際交流ができることを証明してくれました。また、ケリー先生はいつもポジティブで、フレンドリーでした。ケリー先生の出身はカリフォルニア州。アメリカ西海岸の太陽の明るさや太平洋のビーチの爽やかな風を連想するお人柄でした。

 

 Greeting of thanks  for  Ms Kelly.

Thanks  for all your work at Kumamoto west High School.

You taught students English hard and politely for four years, and you encouraged students. Students loved your English lessons.

 We will miss  you  because  you will leave  Kumamoto soon.

but we will never forget  working  with you .

It is very tough to say good bye.

We hope you will remember  Kumamoto forever.

You are youthful,  and  you have  great potential.

We wish  the best luck on your bright future.

thank you so much.

 有り難う、ケリー先生!

                           2022年7月15日

(校長室からの風)

            ケリー先生によるカリフォルニアとの国際交流授業の様子(4月)

                  ケリー先生退任式の様子(7月15日)

夏が来た ~ 梅雨明け、向日葵、期末考査 

 校庭のひまわり(向日葵)が伸び、勢い盛んです。その眩しいほどの黄色の花が夏の太陽を象徴しているかのようで、見ているだけで元気が湧いてきます。

 6月28日(火)に熊本県が梅雨明けしました。観測史上最も短い梅雨でした。そして梅雨明けと同時に太平洋高気圧の勢力が増し、一気に猛暑の夏が始まりました。連日、35℃に迫る危険な暑さが報道されています。

 熊本西高では6月28日(火)~7月1日(金)まで1学期期末考査が行われています。午前中、エアコンの効いた教室で試験問題に取り組みます。そして、昼には早々に帰宅する生徒が多いのですが、試験期間中、午後も学校に残り試験勉強する生徒の姿が見られます。風が吹き抜ける生徒ホールで机を寄せ合って勉強する生徒たち。また、エアコンが効いた図書室で勉強する生徒たち。気温が上昇するにつれ図書館組が増えてきたようです。

 二人から三、四人で勉強を教え合う姿はほほえましく爽やかです。苦手な科目は学校で、得意な科目は自宅で行うのが試験勉強の鉄則です。また、友達に教えることで自分の知識が整理され、自らの学力定着につながることはよく知られています。先生から教えられたことより、友人同士で教えあった方の定着率が高くなることもよく言われます。勉強は孤独な営みの面もありますが、チームワークの側面もあるのです。そして、様々な学びの場を提供するのが学校の役割です。

 「僕はやっぱり英語は紙の本で勉強した方がやりやすいです」とある生徒が図書館で言いました。タブレット端末を活用してのリスニングやスピーキングの技能向上の一方、リーディングやライティングは紙の本(参考書、問題集)を愛用していると彼は言いました。デジタルとアナログ双方の特色を活かして、自分なりのスタイルで勉強することが大切です。自分に合った勉強方法を見つけてほしいと思います。令和の学校は、ICT(情報通信技術)の普及により、勉強方法も多様に広がりました。しかし、自分の頭で考えるという身体性は変わらないと思います。

 学校に残って試験勉強に悪戦苦闘する生徒達の姿を、ひまわり(向日葵)が見守っています。期末考査も明日まで。明日の午後は部活動が再開されます。2022年は記録的な長く暑い夏になりそうです。皆さん、大いに水を飲み、手を洗い、高校生として夏を満喫しましょう。

「校長室からの風」

バトンは引き継がれました! ~ 6月17日、新生徒会の発足(認証式)

 ここに坂田菜月(なつき)さんを会長に新しい生徒会が発足したことを全校生徒の皆さんと共に喜びたいと思います。会長、副会長はじめ14人の皆さんは、自らの意志で一歩前に出て、西高の生徒会役員という責任を担ってくれることになりました。その進取の精神を頼もしく思います。

 また、この1年間、西高を引っ張ってきてくれた、濱﨑まりのさんを会長とする旧生徒会役員の皆さんに深く感謝します。コロナパンデミックの様々な制約がある中、力を合わせ工夫し、創立記念祭や体育大会などの大きな学校行事を充実したものに創り上げてくれました。キッチンカーを学校に呼ぶなどユニークな企画も印象に残っています。そして、新しい女子の制服として、ポロシャツやスラックスの導入の提案があり、来年度から実現する運びです。常に前向きに取り組む姿勢は、きっと新生徒会にも引き継がれることと思います。

 さて、今年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳成人の時代到来です。すでに18歳選挙権は6年前に導入されています。高校生の皆さんは、大人の入り口に立っているのです。社会には多くの課題、問題があります。誰かヒーローが現れて解決してくれると思っていても社会は変わりません。皆さん一人ひとりが、積極的に社会に関わっていく姿勢が大切です。学校も同じです。生徒会役員だけでなく、全校生徒一人ひとりが「私たちの学校、西高」という意識を持って欲しいと思います。

 これから、私も、新生徒会役員の皆さんと学校行事や学校のルールなど様々なことについて対話していきたいと思っています。

 新生徒会の皆さん、「for  others, with  others みんなのために みんなとともに」というモットーで活動していってください。そうすればきっとあなた達のもとに皆が集まってくると思います。一緒に、「私たちの学校、西高」を創っていきましょう。

「校長室からの風」