校長室からの風

一体感、そして達成感に包まれて ~ 第45回体育大会開催

 5月8日(日)、秋晴れのもと、生徒と職員の力を結集し、令和4年度第45回西高体育大会を創り上げることができました。今、学校全体の一体感そして達成感に包まれています。

 それぞれのプログラムはどれも見応えがあり、生徒の皆さんの一生懸命さが伝わってきました。ゴール目指し疾走する姿は躍動感あふれ爽やかでした。結果は1位2位…と表れますが、自分の走りができたかどうか、自己評価が一番です。

 リレーはやはり体育大会の華です。抜きつ抜かれつ、声援、歓声も一段と高まり、会場が大いに沸きました。そして、綱引きや台風の目、棒集めなどの技巧種目は、チームワークの面白さと難しさを実感したのではないでしょうか。

 また、体育コース2、3年生による演技、演舞は、さすがアスリートたちです。きびきびとした、かつ流れるようなパフォーマンスに魅了されました。見事でした。そして全校生徒の西高体操は、生徒の皆さんの気持ちが一つとなり、力強く、凜々しいものでした。「西高体育スピリット」の伝統が引き継がれたと思います。

 フィナーレの全校応援は圧巻で、胸に迫るものがありました。マスクをしていても皆さんの声は響きわたり、計り知れない若いエネルギーが渦巻き、空に舞い上がったように感じました。

 2年以上、コロナパンデミックに世界は覆われ、依然出口は見えません。また、残虐非道な戦争が行われている国もあります。世界は不安定で、平穏な日常生活を守ることが難しい時代です。この広い世界の片隅でかもしれませんが、ここ熊本西高において、体育大会に象徴される、健やかで明るい学校文化がこれからも永く続いていくことを念じます。

 最後になりますが、ご観覧いただいた保護者の皆様にお礼申し上げます。

「校長室からの風」

体育大会の風景

 

さあ、体育大会! ~ 5月8日(日)第45回体育大会開催

 西高は今年、創立48年を迎えます。現在の1年生が3年生に進級した時、50周年となります。今から40年ほど前の西高草創期に勤務された先輩職員の方から伺った話に「西高体育スピリット」への思いがあります。「爽やかな挨拶、明るい返事、機敏な動作」の三つを高校生として養うことは、社会に出てもきっと身を助けることになると考え、体育の授業だけでなく、学校行事や特別活動等の場で生徒たちに熱い気持ちで伝えたと回想されていました。今も、西門から入ったところに、「西高体育スピリット」と青地に白抜きで鮮やかに記された看板が立っています。新入生がこの「西高体育スピリット」を体得する最初の大きな機会が体育大会と言えます。

 令和4年度第45回体育大会を5月8日(日)に開催します。3年ぶりに保護者の方々にご観覧いただきます。但し、まだコロナ感染状況が不安定であり、3年生の保護者の方に限ります。1、2年生の保護者の皆様にはご理解いただきたいと思います。

 4月中旬から体育の授業で練習が始まり、生徒会中心に運営や装飾の準備が進められてきました。体育大会は、学科・コース、学年、クラスなどを超え、チーム西高として全校生徒が一つになる場です。黄・赤・青の3団に分かれ、団ごとに横断幕の作成や応援の練習に取り組んでいます。書道部の協力を得て美術部は入・退場門を飾る絵看板の制作、吹奏楽部は演奏の練習と文化部の動きも活発化しました。放課後や休日も、目標に向かってみんなで楽しみながら協力する雰囲気が校内に満ちていて、体育大会が近づいていることを実感しました。これこそ、健やかで明るい学校文化だと思います。

 体育大会の全体練習が終わった後、体育コースの2、3年生はさらに練習が続きます。日頃から鍛錬している体力、運動能力、団結力を発揮し、女子は「天の舞」(リズムなぎなた)、男子は「飛翔」(集団行動)を披露するためです。アスリートのプライドで挑む、このプログラムは西高体育大会の呼び物であり、保護者の方々はもちろん全校生徒を魅了することでしょう。

 今年の大会テーマは「氷炭相愛」。冷たい氷と熱い炭のように、全く性質が相反するものが互いの特性を活かし助け合うという意味が込められています。西高生一人ひとりが、それぞれの個性を発揮し、笑顔あふれる体育大会になることを願っています。明後日の体育大会が待ち遠しく感じられます。

「校長室からの風」

                体育大会の練習風景

 

保護者の皆様と共に ~ 育西会総会

 4月22日(金)午後、育西会総会を開催しました。西高の保護者会(PTA組織)は育西会と称します。西高生を保護者と学校とが協力し育てていく思いが込められた名称です。

 育西会役員が会議室で議事を行い、その様子を各教室に配信し、それぞれの教室から保護者の皆さんの質問も受けられる双方向の形式をとりました。昨年度、西高は熊本県のICT特定推進校に選ばれ、授業の改善、学校行事の効率化など率先してICT(情報通信技術)を活用してきました。今回の総会の方式もその取り組みの一つです。

 総会で、令和4年度の役員案が了承され新体制でのスタートとなりました。池田旧会長はじめ旧役員の皆様には、これまで1年間、様々な学校行事にご支援、ご協力いただいたことに深く感謝いたします。特に、生徒会役員の生徒たちとの対話の場(ミーティング)を2回設けられたことは画期的な取り組みだったと思います。制服のあり方や校則等について、保護者と生徒の立場から率直な意見交換が行われ、その中から建設的な提言が学校に対してなされました。この対話の場は今年度も継続される見通しです。18歳選挙権に続き、今月から18歳成人制度がスタートしました。生徒たちは、高校での学びを基に、主体的に社会に参画する態度を養うことが求められています。大人の先輩である保護者の皆様と、生徒会の生徒が、より良い西高を創っていくために対話を重ねることは教育的にも大きな意義があると思います。

 また、総会において、教室等の生徒用エアコン(空調機器)に係る経費の公費負担(県費)に伴う、空調機器及び更新積立金の県への寄付についても了承されました。これまで保護者が負担されてきた生徒の空調電気代や維持管理費等の全てについて、県立高校では令和5年度から公費化されることになります。

 来る5月8日(日)に体育大会を予定しています。生徒会を中心に生徒たちが主体的に準備に取り組んでおり、学年練習も本格的に始まりました。コロナ感染対策のため一般公開はできず、3年生の保護者の方のみ御案内申し上げます。1,2年の保護者の皆様には誠に申し訳ありませんが、ご理解のほどをお願いいたします。

 保護者の皆様の願いと学校が目指すものは同じだと思っております。育西会の皆様と共に西高は今年度も進んでいきます。

「校長室から風」

 

希望をつないで ~ 西高吹奏楽部第33回定期演奏会

 4月9日(土)午後、熊本市天明ホール(南区奥古閑町)において、第33回熊本西高等学校吹奏楽部定期演奏会が開催されました。本来、3月中旬に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で実施できませんでした。しかし、生徒たちはあきらめることなく、実施時期と場所を変更し、練習を重ね、先輩から受け継いだバトンをつなぎ33回目の定期演奏会を実現したのです。テーマは「 ~ HOPE ~ 」(希望)です。

 新2,3年生の吹奏楽部員は現在、12人。ステージ上での進行、演奏で精一杯です。従って、受付や会場案内などは美術部員が協力し担っていました。ホワイエには美術部の作品も展示されていました。そもそもパンフレットが書道部、美術部の協働による手作りです。文化部の力を結集した演奏会と言えます。

 午後2時にオープニング。第1部では、吹奏楽部による4曲の演奏が行われ、そのうちの一曲「ROMANESQUE」は3月1日の卒業式で披露する予定でしたが、コロナ感染対策の式典簡素化のため演奏できなかった幻の曲です。部員の思いがこもった演奏となりました。第1部では、寺本教諭がタクト(指揮棒)を振りました。寺本教諭はこの度の人事異動で八代高校へ転出されましたが、最後の定期演奏会に駆けつけられました。

 第2部は、西高太鼓部のステージとなりました。同部の卒業生の先輩たち10人が登場し、横笛、鐘も交えた賑やかな演奏となり、変化をつけた切れ目ないリズムで会場を盛り上げました。最後は現役部員2人による、小・中・大の3種の太鼓を打ち分ける演奏で締めくくりました。

 第3部では再び吹奏楽部のステージで、荒木明子教諭の指揮による、吹奏楽曲の定番オンパレードとなり、観客の手拍子も加わりました。来場していた野球部員から「アンコール!」の大きな声がかかり、「ヤングマン(Y.M.C.A)」の演奏で会場が一体感に包まれました。

 コロナ感染症対策のため、吹奏楽部員は思うような練習や準備はできなかったことと思います。けれども、彼らは今のベストを尽くしました。それは私たちに十分に伝わってきました。

 世界は2年以上もパンデミックに覆われています。残虐非道な戦争が行われている国もあります。この不安定でリスクに囲まれた世界の片隅で、西高吹奏楽部の演奏をライブで楽しむことができたことに感謝せずにいられません。

「校長室からの風」

 

4月8日、新しい風 ~ 新任式、始業式、入学式

 4月8日(金)は私たちにとって特別な一日です。午前に新任式、続けて令和4年度1学期始業式を実施します。そして、午後は入学式を挙行します。

 この度の人事異動に伴い、13人の職員の方が西高へ赴任されました。西高スタジオでそれぞれお一人ずつカメラに向かい(マスクを外し)挨拶してもらいました。私たちにとっては新しい同僚として、生徒の皆さんにとっては新しい先生との出会いです。この出会いを大切にしていきたいと思います。

 始業式の校長講話で、「18歳成人制度」をテーマに取り上げました。民法の改正によって成人年齢が20歳から18歳に今月から引き下げられました。成人とは「一人で契約できる」ことになります。携帯電話を契約する、部屋を借りる、クレジットカードをつくるなど、親の同意なく契約を一人でできることになります。このことから、知識や経験に乏しい18歳や19歳の新成人がトラブルに巻き込まれないか懸念されています。各自治体の成人式がいつ実施されるかも気になるところです。しかし、これらのことは本質の問題ではないように思います。すでに選挙権も18歳に引き下げられ、若い世代が社会に積極的に参画することが求められています。私たちは社会的存在です。18歳を迎え、大人になる覚悟を決め、社会に関わっていこう、自分たちが社会を良くしていこうという心構えを持てるかどうかが大切だと思います。

 18歳選挙権、18歳成人など新しい制度に変わっても、制度自体が良い社会を約束するものではありません。幼心や甘えた気持ちと決別し、覚悟を決める、そういう各人の心の持ちようにかかっているのです。

 午後2時から、「令和4年度第48回入学式」を挙行しました。春爛漫、入学を祝福するかのような青空が広がりました。普通科248人、うち体育コース36人、サイエンス情報科31人、合わせて279人の新入生を迎えました。この3年間で最も多い入学生であり、学校に活気が満ちあふれました。式後、玄関の「熊本県立熊本西高等学校」と墨書された木製看板の前で記念撮影する新入生と保護者の姿が目立ちました。緊張感の中にも笑顔が見られます。

 大きな希望を胸に入学してきた新入生のみなさんが「西高に入学して良かった」と思い、我が子を本校に託された保護者の方々が「西高に入学させて良かった」と思ってくださるよう、私たち教職員は使命感をもって教育に当たります。

「生徒を大きく伸ばす西高」に期待してください。

「校長室からの風」

            令和4年度 第48回入学式の風景

 

一期一会をかみしめて ~ 転・退任式

 西高の校庭の桜も満開となりました。ソメイヨシノの花は遠目にはほとんど白で、近づくと淡い桜色が浮かびます。華やいだ桜の花と青空のコントラストが鮮やかで、風景が一変し明るくなります。冬の寒さが厳しくても3月末になると桜が咲きます。長引くコロナ禍の中でも、自然のサイクルは乱れず、春が訪れます。変わらぬ自然界の循環に私たちは永遠の時間を感じるのかもしれません。

 「さまざまの事 おもひだす 桜かな」(芭蕉)

 春は別れの季節です。3月1日の卒業式で、324人の3年生が西高を旅立っていきました。そして、この度の人事異動に伴い、西高から18人の職員の方が転・退任されることとなりました。最も長い方で13年、短い方で1年と勤務期間の長短はありますが、皆さんそれぞれの職責を果たされ、西高を支えてこられました。このことに深く感謝を申し上げます。

 人事異動は、私たち県立学校に勤める職員にとっては定めです。惜別の思いをもって、お送りしたいと思います。

 3月29日(火)午前10時から、転・退任の18人の皆さんが西高スタジオ(視聴覚室)で、一人ずつカメラに向かって挨拶され、その様子が各教室、及び卒業生が集う体育館へ配信されました。最後の英語の授業をされる方。西高での思い出を語られながら感極まって涙声となる方。西高生に対し、最後まで力強く励ましの言葉を贈られる方。山と田園に囲まれ、夕日が美しい西高の環境を称える方。清掃や奉仕活動に取り組む西高生の美点を褒める方など、それぞれのお人柄に応じたラストメッセージは生徒達の胸を揺さぶったことでしょう。改めて個性豊かな同僚の皆さんと一年間ご一緒したことを有難く思いました。

 生徒会長の濱﨑さんの御礼の言葉、そして校歌演奏を全員で聴き、式は終了。その後、18人の転・退任者はスタジオを出て、卒業生が待つ体育館、1,2年生がいる教室棟を歩いて回られ、生徒の皆さんとの交流が行われたのです。

 春は出会いの季節でもあります。転・退任される方々には、この先新たなたくさんの出会いが待っていることと思います。そして、留任の私たち職員、進級する1,2年生の皆さんには、新・転入の新しい先生、新入生との出会いがあります。お互い、一期一会をかみしめ、未来へ進んで行きましょう。

                                     「校長室からの風」

 

「西高 de キッチンカー」

 「楽しいです!毎月、いや毎週一回、来て欲しい」、「こんな催し物をもっとやってほしい」と生徒達の明るい声が飛び交いました。

 西高にキッチンカー4台が来校しました。3月23日(水)、昼休みを平常より20分拡大し、生徒会行事「西高de キッチンカー」を実施しました。4台のキッチンカーは、タピオカドリンク、クレープ、たこ焼き、唐揚げ、あげパンアイスなど高校生が好む各種のスイーツ系軽食がとりそろえてあり、予約販売が原則でしたが、長蛇の列ができました。

 この企画は、生徒会役員が考え、自分たちで動き、キッチンカーの手配まで行いました。西高周辺には若い世代向けの飲食店が少ないこと、コロナ禍で友人と一緒に食事する機会が減ったこと、一方パンデミックの中でキッチンカーの機動性が注目されていること等の理由から、生徒会行事「西高de キッチンカー」が実現しました。大人にはない発想と行動力です。

 また、キッチンカーによる販売と併せて、2年生の総合的な探究の時間の活動成果である「SDGsオープンおにぎり弁当」の販売も行われました。探究のテーマに「食」を選んだチームがSDGs(Sustainable Development Goals)の理念に基づき弁当づくりを企画し、「KKRホテル熊本」が商品化してくださったものです。高校生が考えたアイデアが「商品」として形になったことは画期的と思います。包み紙に、このお弁当がなぜSDGsなのか、イラスト付きで説明してありました。弁当箱や仕切りバランは紙製でプラスチックごみはゼロにしてあります。食材は熊本市西区及び南区の地元産を極力使ってあります。SDGsの17の目標(ゴール)の一つ「12 つくる責任 つかう責任」を強く意識しています。

 持続可能な社会作りは私たち人類が直面している重要な課題です。しかし、「Think  big  Start small!」(大きく考え、小さな事から始めよう)の精神が大切です。お弁当作りから始めたことに意義があると思います。

 学校生活を自分たちでより活発に、魅力あるものにしていこうという生徒会活動。社会と積極的に関わっていく2年生の総合的な探究活動。まん延防止重点措置期間が解除され、西高は再び動き出しています。

 「校長室からの風」

 

 

「日常に変化を」 ~ NAP(西高アートプロジェクト)

 「生徒ホールがすごいことになっていますよ!」と事務室の職員の方から話を聞き、行ってみると空間アートの世界に一変していました。1年生の美術選択者の皆さんがそれぞれ各チームに分かれ、作品を仕上げている途中でした。また、書道選択者による切り取られた紙文字の飾りもあり、目を引きました。これらが「インスタレーション」というものかと感嘆しました。

 インスタレーション(Installation)は空間全体を対象とした表現作品で、現代アートとして近年注目されています。彫刻や絵画を点として置くのではなく、大きなコンセプトのもと、広い空間全体をアートとして変化させていく創作活動です。美術科の黒田教諭の指導のもと、1年生の美術選択者91人が「日常に変化を ~ 明るい学校生活へ」のコンセプトのもとグループごとに小テーマを設けて作品を制作しました。そして、今週、生徒ホール、廊下、芸術棟周辺への展示を始めたのです。これに、書道選択者の協力も加わりました。

 生徒ホールのフロアには色紙で幾つもの足跡が表現されています。このグループのテーマは「人生」。人の生涯を足型で表現し、様々な足跡が交差しているのは人と人とが関わり合いながら生きていくことを表しているとのことです。また、大きなガラス窓にカラフルな翼が色紙で象(かたど)られています。その翼の前に立つことで、翼を持ったような気持ちに成って欲しいという仕掛けです。このグループのテーマは「自由」。廊下の天井からたくさんの紙飛行機が吊り下げられていたり、廊下の曲がり角に手をとりあって飛び跳ねている人物像が紙で貼り付けてあったりと愉快な出会いの連続です。

 コロナパンデミックが長期化し、今年度も分散授業の実施、学校行事の中止または縮小、部活動の制約と学校生活は大きな影響を受けました。生徒の皆さんは自由を制限され、閉塞感を覚える日々だったと思います。このような長いトンネルの中にいるような重苦しい日常を変える力がアートにはあるのです。「日常に変化を」という全体コンセプトは十分に伝わってきます。

 NAP(西高アートプロジェクト)は学校空間を明るく、文化の香りあるものに変えることに成功しました。生徒達が創り上げたこの空間を早く新入生に見せてあげたいと思います。

「校長室からの風」

 

剣道部、なぎなた部の全国選抜大会出場激励会

 剣道部となぎなた部が全国選抜大会に出場することは学校にとって大きな喜びです。3月9日の午後、大会に出場する剣道部員となぎなた部員が学校スタジオ(視聴覚教室)に集まり、激励会を開催し、その様子をオンラインで全教室に配信しました。

 先ず、同窓会の藤井会長(第11期生)が、剣道部となぎなた部に対して支援金を贈られ、励ましの言葉を述べられました。藤井会長は、剣道部監督の高田先生と同級生です。高校時代、剣道部で活躍する高田先生のことを鮮明に覚えておられ、今回の快挙は同級生としてとてもうれしいと語られました。

 第31回全国選抜剣道大会は3月26~27日、愛知県春日井市で開かれます。西高剣道部にとって念願の初出場です。強豪ひしめく剣道王国熊本で勝ち抜くことは至難の業だったと思います。しかし、高田先生の熱心な指導のもと、部員一丸となって精進を重ね、高い壁を乗り越えたのです。主将の植田君(2年)は生徒会のインタビューに対して、「剣道に一番必要なものは、気持ち」、「一戦一戦、勝ち抜き、優勝を目指す」と強い意気込みを表しました。激戦の県大会を経験した自信が感じられます。植田主将はじめ7人の剣士は、団体戦初出場ながら高い志をもって全国の舞台に臨みます。

 第17回全国選抜なぎなた大会は3月20日~21日、兵庫県伊丹市で開かれます。西高なぎなた部は第1回大会から17回連続出場を続けており、熊本西高の名は高校なぎなた競技では広く知られています。主将の大森さん(2年)は、生徒会のインタビューに対して、「先輩達の偉大さ、伝統を感じます。日本一を目指します」ときっぱりと決意を述べました。大森主将はじめ3人が個人戦及び団体戦に出場します。大舞台の経験豊富な齊木先生の采配によって、生徒達が存分に力を発揮することでしょう。

 激励会の最後に、西高応援歌(青春の血潮)の歌を流しました。長引くコロナ禍のため、この応援歌を全校生徒で唱和する機会が今年度はありませんでした。しかし、若人を鼓舞する応援歌を聴いているだけで、体内を流れる血潮がたぎるような思いに包まれました。まん延防止重点措置期間が延長され、学校生活も制約を受けています。また、ロシアによるウクライナ侵攻はじめ暗いニュースが目立ちます。このような閉塞感の中、西高生の皆さんは、生活の軸がぶれることなく、それぞれの目標に挑戦を続けて欲しいと期待します。

「校長室からの風」

     なぎなた部員           剣道部員      全国選抜大会を祝福する横看板

卒業式に立ち会える喜び ~ 第45回卒業式

 3月1日(火)、熊本西高校第45回卒業式を挙行しました。理数科34人、普通科290人(体育コース39人含む)が卒業していきます。理数科としては最後の学年(34期生)となり、その精神は現2年生のサイエンス情報科の1期生に継承されるでしょう。

 前日の式予行の場で、学年主任の錦戸教諭が「これまでやかましいことを言ってきたが、もうやかましいことを言えなくなる」と淋しい心境を伝え、「どこに行くかよりも、行った先でどれだけ頑張れるかの方が遙かに大切だ」と、それぞれの進路へ向かう生徒達を励まされました。

 感染症予防の観点から、来賓は招かず、在校生は送辞を読む生徒会長とピアノ演奏の生徒の二人だけ、保護者の出席も各家族から原則1人にお願いし、体育館の座席間隔を広く保ちました。国歌、式歌、校歌を唱和することもなく、演奏を聴くにとどめましたが、校歌さえ声を出して斉唱できないことに改めてパンデミックの重苦しさを感じました。しかし、簡素ではあっても、卒業式の基本を守り、厳粛さの中に若人の旅立ちにふさわしい清新さが感じられる式典になったと思います。

 私語一つなく背筋を伸ばして座る姿、呼吸を合わせ起立し、礼をする動作、落ち着いて歩く入退場の様子と、その一挙一動が卒業生のこの3年間の成長を示していました。卒業生総代の児塔さんは、答辞の中で後輩に対してメッセージを残しました。「逆境を成長の糧にして、西高生が一丸となり、過去の伝統を超える、皆さんらしい西高を創り上げていってください。」と。

 パンデミックはいまだ終息していません。ウイルスと共存しながら、私たちは新しい社会を創っていかなければならないのです。このような変革期においては、従来の常識にとらわれない、柔軟な発想と行動力が求められます。若い世代への期待が大きくなります。急速に進化するICT(情報通信技術)を皆さんなら使いこなし、より良い社会づくりに活かしていくでしょう。

 皆さんの行く道のりは決して平坦ではありません。この先も自然災害や新たな感染症などが待ち構えているかもしれません。けれども、どんな不条理な出来事に遭遇しても、必ず道は開けると自分を励まし、歩み続けてください。

 新たな世界へ若者が旅立つ時に立ち会えることはなんと幸せなことでしょう。卒業式に臨む度に、高校の教職員としての喜びをかみしめます。

「校長室からの風」