学校生活(芦高ブログ)

鉛筆 【R8修学旅行 04】「自由に、カッコ良く」——大熊のキウイに学ぶ、次世代農業の姿

 修学旅行2日目の朝を迎えました。

 朝の冷え込みもあり、数名ほど腹痛を訴えるなど少しの体調不良は見られましたが、朝食をしっかりとり、午前中の研修が始まる頃には全員が概ね元気に顔を揃えました。

 現在は全員揃って、午後のフィールドワークへと出発しています。

 

 午前中、Jヴィレッジにて行われた3学科別研修。

 農業科の生徒たちが向き合ったのは、株式会社ReFruits代表の阿部翔太郎様です。

 福島県大熊町で「キウイで世界を驚かす」という志を掲げ、若手農業者として最前線を走る阿部さんの言葉に、生徒たちは一瞬で引き込まれました。

 大学在学中から大熊町に関わり、卒業後すぐにこの地で栽培を開始された阿部さん。

 かつては記者を目指していたという阿部さんが、なぜ「実践者」として土に触れる道を選んだのか。

 語られたのは、キウイの歴史から大熊町の現状、そして避けては通れない放射線の影響まで。

 栽培だけに留まらず、新品種の研究や加工、そして美味しさを本質に置いた「持続可能な農業」のビジョンでした。

 

「復興のためというより、自分がやりたいことが見つかったから。原発や震災復興という言葉に依存しない、自律した農業を目指したい」

 その言葉は、5年前の水害を経験した故郷・芦北を知る生徒たちの胸を熱く焦がしたようです。

 自らの足で立ち、地域を良いものにしていこうとする阿部さんの姿は、一つの理想の「カッコ良さ」として映ったに違いありません。

 

「自由に、でもカッコ良く生きよう!自分が生きる地域、社会を良いものにしていこう!」

 

研修室に響いたこのメッセージを深く胸に刻み、生徒たちはバスに乗り込みました。

 

 バスの窓越し、森の向こう側に姿を現したのは福島第二原子力発電所です。

 先ほど阿部さんから伺った「大熊町の歩み」と、遠くに見える高い煙突。

 静まり返った車内で、生徒たちは言葉を飲み込むようにして、その景色をじっと見つめていました。

 研修を経て、歴史の背景を知った生徒たちの目には、今、今朝とは全く違う重みを持った景色が見えているはずです。

 バスは今、止まった時間と動き出した時間が混在する街、浪江・双葉へと向かっています。

 

「冬の陽に 学びを重ね 街を見る」