修学旅行2日目の朝を迎えました。
朝の冷え込みもあり、数名ほど腹痛を訴えるなど少しの体調不良は見られましたが、朝食をしっかりとり、午前中の研修が始まる頃には全員が概ね元気に顔を揃えました。
現在は全員揃って、午後のフィールドワークへと出発しています。
午前中、Jヴィレッジにて行われた3学科別研修。
農業科の生徒たちが向き合ったのは、株式会社ReFruits代表の阿部翔太郎様です。
福島県大熊町で「キウイで世界を驚かす」という志を掲げ、若手農業者として最前線を走る阿部さんの言葉に、生徒たちは一瞬で引き込まれました。
大学在学中から大熊町に関わり、卒業後すぐにこの地で栽培を開始された阿部さん。
かつては記者を目指していたという阿部さんが、なぜ「実践者」として土に触れる道を選んだのか。
語られたのは、キウイの歴史から大熊町の現状、そして避けては通れない放射線の影響まで。
栽培だけに留まらず、新品種の研究や加工、そして美味しさを本質に置いた「持続可能な農業」のビジョンでした。
「復興のためというより、自分がやりたいことが見つかったから。原発や震災復興という言葉に依存しない、自律した農業を目指したい」
その言葉は、5年前の水害を経験した故郷・芦北を知る生徒たちの胸を熱く焦がしたようです。
自らの足で立ち、地域を良いものにしていこうとする阿部さんの姿は、一つの理想の「カッコ良さ」として映ったに違いありません。
「自由に、でもカッコ良く生きよう!自分が生きる地域、社会を良いものにしていこう!」
研修室に響いたこのメッセージを深く胸に刻み、生徒たちはバスに乗り込みました。
バスの窓越し、森の向こう側に姿を現したのは福島第二原子力発電所です。
先ほど阿部さんから伺った「大熊町の歩み」と、遠くに見える高い煙突。
静まり返った車内で、生徒たちは言葉を飲み込むようにして、その景色をじっと見つめていました。
研修を経て、歴史の背景を知った生徒たちの目には、今、今朝とは全く違う重みを持った景色が見えているはずです。
バスは今、止まった時間と動き出した時間が混在する街、浪江・双葉へと向かっています。
「冬の陽に 学びを重ね 街を見る」