私の心は 解きほぐされ 軽くなっていきました
天草高校の定時制では,毎日,様々な子供たちが,夕方から学校に集まり,「夢」実現のために勉強を続けています。
その中の一人に 次のような作文を書いてきた子がいます。
私は中学校二年生の時に学校へ行けなくなりました。 私が家にいると家族から登校を強く促されるようになりました。 自分でも「学校へ行かなくてはならない」と思いながら,どうしても登校できません。担任の先生が家庭訪問をしてくださいますが,状況は変わりませんでした。 しばらくして,天草市の子育て支援課の方が自宅へ訪れるようになりました。 私は職員の方の包容力のある人柄に触れ,私の心の奥底に潜む得体の知れない何かを取り除いてくれたコミュニケーションの力のおかげで,再び歩みを始めることができました。 私はいま定時制高校に進学し学んでいます。在籍している生徒たちの中には,天草市の子育て支援課のお世話になったことがある生徒が少なくないことを知りました。 私はいま,夕方からの授業が始まる前に,公務員試験の勉強をしています。自分自身の経験を,自分と同じような状況にある人たちへの支援に生かし,市の職員として地元の人たちと関わっていきたいと思うようになったからです。 先生方は,私の決意を知って応援してくださいます。 引き続き,定時制の仲間たちとより良い学校生活を続けていくために,そして,将来,自分の経験が同じような境遇にある地元の子どもたちに生かしていくために,毎日勉強を頑張っていきたいと思います。 |
静かな語り口ながら,天草市子育て支援課の方との貴重な出会いへの感謝が,じんわりと伝わってきます。サン=テグジュペリ『星の王子さま』の,王子に語り掛けるキツネの言葉のようでもあります。
天草市子育て支援課の方々の,急がない 丁寧な そして継続的な支援に 心から感謝しています。
学校の勉強も,公務員の勉強も,友達づくりも,必死に頑張っている彼には,将来,是非天草市の職員として,地域の若者や,すべての人々を支える役割を担って活躍してほしいと思っています。
そしてその「夢」実現のために,これからも全力で,応援していきたいと思います。
「おれの目から見ると、あんたはまだ、ほかの十万もの男の子とべつに変わりない男の子なのさ。だからおれは、あんたがいなくたっていいんだ。あんたもやっぱりおれがいなくたっていいんだ。
だけど、あんたがおれを飼いならし仲良くなると、おれたちはもうお互いに離れられなくなるよ。あんたはおれにとって、この世でたったひとりの人になるし、おれはあんたにとって、かけがえのないものになるんだよ」(サン=テグジュペリ『星の王子さま』内藤濯訳より)