また新しい年を迎えて(校長)

新年を迎えると「おめでとう」と言いますが、何がめでたいのか考えたことはありますか。今回は「正月」について考えたいと思います。

私たちが年齢を数える際は、誕生日を基準として数える「満年齢」が通常使われています。一方で、正月が来るたびに皆が一斉に年をとる「数え年」が、以前は使われていました。

これは、生まれた瞬間を1歳として数え、最初の正月を迎えた時に2歳となる数え方です。「満年齢」に一つ加えると考えた方がわかりやすいかもしれませんね。私の両親には、まだこの「数え年」という考え方が残っていました。現に、私の家では、「年取り餅」といって元旦に通常の3倍くらいの大きなあん餅を食べていました。父方の風習なのか母方なのかはわかりませんが、このことはこれまで他ではあまり聞いたことがありません。

正月を迎えるにあたり、私たちは門松やしめ縄を飾り、家では大掃除をしたり、鏡餅を用意します。(私が子どものころは車の前にもお飾りがしてありました。)これは、「年神様」を迎えるための準備と考えられています。そして、正月にまた一つ年を重ね、いただくものがお年玉です。

正月に家族みんなの誕生日が来ると考えるとやっぱり「おめでたい」ですよね。この「数え年」は今や一般的ではありません。重要なのは、いろいろなことを乗り越えて、みんながまた元気に新しい年を迎えられたことへ感謝をすることだと思います。そして、他人と比較する必要はありません。目標に向かって自分らしく真面目に精一杯取り組み、次の新しい自分に向かって挑戦し成長することが大切だと考えます。

令和5年が、皆さんにとってよい年であることを願っています。