合格体験記巻頭言より:校長 山本康詞
現在、総務省が実施している労働力調査の集計によると、非労働力人口の中から学生と専業主婦を除き、求職活動に至っていない者の内、若年無業者は増加傾向にあると警戒しています。
また、若年無業者にはニート、フリーター、パラサイトと呼ばれる者がいます。フリーターという言葉は約二十数年前にアルバイト情報誌がつくった言葉で学校を卒業しても定職に就かずアルバイトで生計を立てる若者を指します。ニート(NotinEducation,EmploymentorTraining,)【NEET】とは、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態を指した造語です。パラサイトは完全に親に依存して何もしていない者を言います。そこには職業的選択を先延ばし、つまり「やりたいことが見つからない」「とりあえずじっくり考えたい」などの理由を口にする者が多いと言うことです。
フリーターを選んだ彼らの収入は、正社員の70%前後だと推計され、日本労働研究機構では、各種の調査結果から浮かび上がってくるフリーターの現実について、低賃金で不安定な「損な働き方」であると述べています。また、厚生労働省の調査では、フリーターは217万人、就業も求職活動もしていない無業の若者「ニート」「パラサイト」を含めると300万人いるとも推測しています。
このような中、本校の進路状況は昨年度の卒業生も181人全員が就職を決定しました。また、公務員10人、国立大4人をはじめ4年制大学へ15人、県立技術大学等短大へ4人が合格するなど上級学校へ52人がそれぞれ自分の進路を決定し、進路決定100%を達成することができました。
本校最大の強みは、本校生の進路意識の高さはもとより、工業の専門性を生かした各種資格・検定への挑戦や企業見学、インターンシップを通して培った望ましい勤労観・職業観を身に付けていることにあります。また、進路決定については、一人ひとりの弛まぬ努力の成果でもありますが、卒業された多くの先輩方が各企業でリーダーとして活躍しておられること、在校生それぞれが高め合い支え合い切磋琢磨する学校であることです。
まさに、就職試験、上級学校への受験は個人戦でなく団体戦でもあるのです。
さて、本誌は今年3月の卒業生からの在校生(全校生徒)に対する応援メッセージとして高校生活での心得やアドバイス、自分の目標等について語ってもらい特集として発刊しているものです。
いつの時代にも迷いはありますが、若い時代ほど選択枝は多いのも事実です。しっかりと将来を見据えて自分の進むべき道を定めてほしいものです。