校長室より
第98回全国高等学校野球選手権熊本大会選手激励会 校長講話
平成28年7月1日(金)
◎今年のKAB熊本朝日放送の応援ソングは植田真梨恵さんの「ルーキー」、軽快な音楽とアメコミ調の編集で記憶に残ります。(7月1日のKAB熊本朝日放送「くまパワ 」に出演するらしい。)
◎今年で98回目の開催となります。藤崎台野球場も今度の地震によって少なからず被害を受けています。個人的な話になりますが、藤崎台には随分足を運んだ記憶があります。私の中で2つの「藤崎台野球場」にまつわる「伝説」があります。春の大会の準決勝?が「八代高校」vs「天草高校」となった試合があります。熊本市内の高校でもなく、私立の高校でもない2校の激突に興味がそそられました。春のうららかな一日をのんびりと楽しむつもりで、バックネット裏から、観戦していました。そんな春の陽気を切り裂く打球を放つ選手がいました。高々と舞い上がった白球は左中間スタンドのクスノキ付近に吸い込まれていきました。びっくりしました。高校生の飛距離を遙かに超えています。その選手は途中からリリーフに登場、コントロールは悪いのですが、むちゃくちゃボールが速い。後にプロ野球で大活躍する秋山幸二さんです。八代高校出身です。
「弾丸ライナー」という言葉があります。「セカンドが飛びついた打球がそのままライトスタンドに突き刺さった。」という伝説を残した選手がいます。ただし、バットのどこでボールを捉えていたのかを確認するため、その選手はバットをもったまま一塁まで走って監督から怒られたそうです。あのイチロー選手が、唯一天才と認めたバッター、広島カープの前田智徳さんです。熊本工業出身です。
今年のチームは「ここ数年では1番力があるという噂です。3年生の5人全員が1年生の時からレギュラー。この経験が練習でも堂々とした態度に現れています。しっかり守って、少ないチャンスをものにしていくのが牛深のモットー。固い結束で結ばれた5人の3年生が下級生を引っ張り夏の勝利を掴んで下さい。」チーム紹介を引用させてもらいました。
最後に「高校野球の舞台には魔物が棲む」という話があります。ありえない逆転や、想像を遙かに超えたドラマチックな場面が、1世紀(100年)にも渡って、いつも展開したからでしょう。
ただ、こんな言葉を遺した人もいます。
「甲子園には、魔物なんて棲んでいない。もしも、棲んでいるとしたら、お前たちの心の中にいる」
昨年の夏に勇退した横浜高校・渡辺元智(わたなべ もとのり)監督
春夏通算5度の甲子園優勝。ソフトバンク松坂をはじめ、プロ野球界に数々の教え子を送り込んできた名将である。指導した主な選手は、松坂大輔・涌井秀章・筒香嘉智など数え上げたらきりがない。
藤崎台県営野球場、県営八代野球場、山鹿市民球場3カ所に別れて大会が開催されることになっています。野球部の皆さん、どうか、非常心で唯一無二の一球を追いかけて、思いっきり泣ける「夏の思い出」、それぞれの「伝説」をつくって下さい。
平成28年熊本県高校総体選手激励会 講話
平成28年5月25日(水)
●熊本県内の全日制高校の生徒数は平成27年度資料によると、県立29448人、私立16973人、市立1672人、合計48093人である。
●熊本市内に高校が公立13校、私立14校あるが、すべての学校がGWまでを休校措置にした。再開できたのはほとんどの学校が5月10日からである。
阿蘇地区、宇城地区の学校を含めると、GWまでの休校措置は公立高校20校 /57校(18811人)、熊本市内私立高校14校/22校(13146人) 計31957人/48093人(66.4%)であった。県内高校生のうち、3人に2人はおよそ1ヶ月学校を離れた生活があったわけである。
◎この地震は学校の施設、設備、教室にも多くの被害をもたらした。体育大会を中止にした学校も多くある。無念である。ありふれた日常であるが、仲間とわいわいやりながら部活動や授業に取り組んでいたことがなんと「幸福」であったか。
◎相手があって初めて試合は成立する。審判員の方がいて初めて記録を確認できる。本当に「あたりまえ」のことであるが、君たちのできることは、この「あたりまえ」に感謝する気持ちを忘れず、一心不乱に堂々と試合・競技の場に臨むことである。一人一人の力は、微力ではあるが、決して無力ではない。君たち一人一人の笑顔とプレーが見ている人と対戦した同じ熊本の高校生に勇気と元気をもたらしてくれることをどうか、まずお願いしたい。
◎「ゾーン体験」
★中田久美(なかだ くみ)さん 1965年9月3日生まれ
中学入学と同時にバレーボールを始め、日立や全日本で監督を務めた名将、 山田重雄氏に見出され、セッターに転向する。1981年に日立に入団し、セッター転向後、わずか1年でスタメンを獲得。日本リーグ6連覇、リーグ戦88連勝という、いまだ破られていない快挙を成し遂げた。1983年からは、全日本でもスタメンセッターとなる。オリンピックには3度出場。日本リーグ、V・プレミアリーグ時代を通じて、女子最多4度の最高殊勲選手賞受賞者。性格は強気で負けず嫌い。天才セッターと呼ばれた。 |
●彼女のエピソードから
「生涯の何百、何千の試合でどうしても忘れられない試合がある。10m後ろの5m上からの視点から、コートを見て試合ができた。まるで負ける気がしなかった。」極度の精神の高揚と緊張がもたらした視覚と言われ、これをゾーンに入るという言い方をするようです。集中力を切らすことなく、体と心が一体化していて、何もかもがうまくいく状態のことで、「ゾーン体験」とも言われ、よくメンタルトレーニングの目指す一つの境地と考えられます。トップアスリートが到達できる感覚といえばその通りですが、君たちもこの「ゾーン」体験に挑戦して欲しい。集中して、冷静に、常に視野を全方位に放射しながら笑顔で試合、競技に取り組んでください。
◎陸上競技部、サッカー部、男子ソフトテニス部、バスケットボール部、女子バレーボール部、弓道部の皆さん、スポーツができる喜び、そして仲間との絆をしっかり感じて、大会を楽しんできてください。
平成28年度 体育大会講話
「チャレンジ ~新たな目標を抱け~」
●4月14日以降の一連の地震により、甚大な被害が生じました。多くの尊い命が失われ、多くの住宅が倒壊しました。改めまして、この地震で犠牲になられた全ての皆様に対し、謹んで哀悼の意を表します。また、被災されたすべての方に心よりお見舞い申し上げます。そして、お忙しい中、本日ご来校いただきましたご来賓の皆様、地域の皆様には、深く感謝申し上げます。まことにありがとうございます。
●この地震、震災でそれまでのありふれた日常は一変しました。学校の施設、設備、教室に被害が出て体育大会も中止にせざるを得なくなった学校もたくさんあります。君たちにこの大会をとおして次のことを感じ、考えて欲しいと思います。
◎あたりまえの日常はかけがえのないものである。
◎「健康・友人・家族」そして「故郷」
失ってしまって、その価値がかけがえのないものであったことを知る。
幸福とは、あたりまえの日常そのものである。
◎今私たちができること
①関心を持つこと
②今自分ができることを冷静に見つめること
③あたりまえの日常を、友人・家族と共有して大事にすること
◎ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェの言葉を紹介します。
一緒に黙っていることは素敵だ。
もっと素敵なのは、一緒に笑っていることだ。
二人以上で、一緒にいて、同じ体験をし、共に感動し、泣き笑いしながら
同じ時間を共に生きていくのは、とても素晴らしいことだ。
●今日の大会は、これまで練習してきた成果を発揮できる機会、舞台であります。「あたりまえの日常」がかけがえのない「幸福」であることをしっかりと感じながら、仲間と共にその磨いてきた技と力をかけがえのない友人と家族の前で披露してください。
●一人一人の力は、微力ではありますが、決して無力ではありません。君たち一人一人の笑顔と今日の一日が勇気と元気を与えることのできる大会となる事を祈念して、挨拶といたします。
平成28年度 天草地区大会選手推戴式講話
幸福とは、あたりまえの日常そのものである。
◎「健康・友人・家族」そして「故郷」
失ってしまって、その価値がかけがえのないものであったことを知る。
◎私たちは試されている。
◎何ができるか?
「微力だが、無力ではない」
東日本大震災の時、災害救援ボランティアプロジェクトを立ち上げた学生のことばです。そして、早稲田大学でボランティア活動をすすめる言葉が残っています。
| 特別な技術をもたない私たちが現地で活動をするうえでは、自らの非効率さや矛盾に直面することがあります。状況によって、現地の期待に必ずしも応えられないこともあるのです。 しかし現地に赴く者がひとり増える毎に、その一人が行った活動によって、被災地の復興に少しでもつながるはずだと考えています。また、若者が現状を見て、感じて、行動することは、これからの日本社会にとって重要な礎になると信じています。ぜひ、皆さんは、長期的に関心を持ち続け、必要とされていることを理解したうえで、ボランティアに臨んでください。 |
◎「健康・友人・家族」そして「故郷」
多くのものを失ってしまったことを毎日のテレビの報道をとおして理解します。そして今、失ってしまったものの価値がかけがえのないものであったことを知ります。
◎今私たちができること
①関心を持つこと
②今自分ができることを冷静に見つめること
③あたりまえの日常を、友人・家族と共有して大事にすること
平成28年度 第1学期始業式講話
・7月夏の参議院選挙から投票できる年齢:20歳→18歳
・年齢引き下げに対する様々な意見
| 13世紀モンゴル帝国の領土、支配地域は、東ヨーロッパからアジア東端にまで及ぶ。まさに世界史上最大級の帝国であった。そんな巨大帝国であるから、辺境の小国であった日本ならば使者を送れば、すぐに降伏するに違いない――。そう考えたモンゴルからの使者は『家来になれ、武力を使わず済ませたいのでよい返事をしろ』といった内容を伝えてきた。しかし、当時の日本はこのことばに従わなかった。このときその決断をしたのは北条時宗、なんと18歳。 18歳でモンゴルと戦うことを決意した時宗が、文永の役で勝つのは23歳のとき、この間、彼は軍事政権をつくり、戦う準備を着々と進めていた。モンゴルは、武力に任せるだけでなく、敵の内乱に乗じた侵略を得意としていました。しかし、日本は北条時宗によって挙国一致体制を築いており、その隙を与えなかった。 最後は台風による被害でモンゴル軍は大打撃を受けるものの、決して上陸させない作戦を展開し、台風を待ったのも北条時宗の戦略だったとか。ちなみに北条時宗は、二度目の元寇である「弘安の役」を防いだ3年後の34歳でこの世を去りました。 当時、世界最大の帝国に対して敢然と対峙して「来るなら来いっ!」 と言い放ち、アジアの辺境、東の端の我が国を背負って立った18歳がいたのである。 |
◎まだ18歳ではなく、もう18歳である。
本校で育てたい生徒像を「志高く、夢に向かっていきいきと生きる生徒」としました。理想を追い求める時期だからこそ、さまざまな挫折や苦難はつきものです。青春とはそのような季節であり、皆さんがまさにその時期にあるのです。高校生活の中で、様々な体験をする中で、成長の証を獲得できるよう、今年も牛深高校を大きく飛躍させる年にしたいと考えています。
そこで、「地域への貢献」、「愛校心の涵養」を目的に2つの思い出作りを計画しました。
①牛深ハイヤ祭りへの参加(4月)
②全校生徒での応援(7月)
心に刻む思い出こそ、成長の大きな糧になるものと思います。積極的、意欲的、自発的、能動的に「挑戦」することを今年のスローガンとします。
◎「挑戦」~志高く、夢に向かっていきいきと生きる生徒であれ~
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