【理科部】干潟から見る命のつながり ~荒尾干潟 & 東よか干潟~

今年の理科部の春の渡り鳥観察は荒尾干潟だけでなく、佐賀の東よか干潟でも行いました。

【荒尾干潟】

4月27日(日)、野鳥の会主催の荒尾干潟の探鳥会に参加しました。

晴天に恵まれ心地よい海風に吹かれて待っていると、キアシシギの群れがやってきました。

この日はトビが私たちの頭の上を何度も行ったり来たりして優雅な姿を見せてくれました。

潮が引きはじめると、チュウシャクシギ、オオソリハシシギ、キョウジョシギ、ダイゼン、ハマシギ、シロチドリなどカニやゴカイを探して干潟を歩き回る鳥たちの姿が次々と見られました。

 

【東よか干潟】

東よか干潟は佐賀県南部に位置し、荒尾から沿岸道路を使って約1時間で到着します。

荒尾干潟の歩ける砂質と違い、細かい泥粒子の泥干潟が特徴で、秋には紅葉する塩性植物「シチメンソウ」の群生も見られます。

荒尾干潟と同じくラムサール条約湿地に登録されており、日本一シギ・チドリ類が集まる干潟として、全国からバードウォッチャーが訪れる人気の観察地です。

4月29日(火)雲一つない快晴で、穏やかな風か吹く絶好の観察日和に理科部で東よか干潟を訪れました。

いました!クロツラヘラサギ!

世界に5000匹と言われている絶滅危惧種です

繁殖期が近づき、頭の飾り羽がフサフサに伸びて首元がオレンジ色になっていました。

もうすぐ韓国の繁殖地に向かって旅立つことでしょう。

荒尾干潟ではほとんどお目にかかれないダイシャクシギ!

くちばしが長くて、直接見るといつも見ているチュウシャクシギとの大きさの違いがはっきりわかりました。

ハマシギの大群が乱舞し、その数に圧倒されました。

足元にはムツゴロウトビハゼが飛び跳ねていました。

東よか干潟ビジターセンター「ひがさす」に移動して講習と実験をしていただきました。

ろ過実験を行い、泥の吸着作用によって水が浄化されることがわかりました。

次に干潟の泥の表面を顕微鏡で観察しました。

干潟の泥を顕微鏡で観察すると、ベントス(カニや貝やムツゴロウなど)が食べている小さな植物プランクトンの「ケイソウ」がたくさん観察できました。ケイソウは干潟で酸素をつくり、生態系の底辺を支えている重要な存在であることがわかりました。目に見えないプランクトンも含めて干潟は生き物の宝庫であり、生物多様性、生態系の大切さ、保全の必要性を感じました。

また、干潟は鳥やベントスなどの住みかだけではなく、水をきれいにする働きも持っていることを今回の研修で学ぶことができました。荒尾干潟の特徴や強みについても改めて意識することができ、これからの活動に活かせる貴重な学びとなりました。