(7)地域への農産物及び技術の新規導入と普及を目指した研究実践

活動日誌(7)SPH(7)地域への農産物及び技術の新規導入と普及を目指した研究実践

平成29年度「光合成細菌の農業生産への活用」研究成果報告

 平成29年度(研究初年度)に総合農業科1年生が崇城大学学生ベンチャーCiamoと共同研究として取り組んだ『光合成細菌の農業生産への活用』に関する研究成果を報告します。
 初年度の研究としては、目標の「光合成細菌活用の基礎データ収集」を果たす成果を上げることができました。しかし、まだまだ課題も多く、継続研究で検証すべきことが多くあります。反省と改善のPDCAサイクルを続けていきます。
 全ては、地域農業の振興と産業課題の解決のために!!








キラキラ 光合成細菌の活用(崇城大学共同研究)

 崇城大学Siamoと『光合成細菌の農業生産分野への活用』をテーマに共同研究を実施中です。その成果の一部を紹介します。
 【予備試験の成果情報】
1 予備試験で春夏作農作物【ナス2品種・ピーマン2品種・カボチャ1品種・スイカ2品種・トウモロコシ1品種】への試験投与を行ったが、果菜類では生育及び収量、病害虫関係への明確な違いは見られなかった。
2 投与濃度(希釈倍率×500~×50)による違いは見られなかった。
3 投与回数(週1・2回)による違いも見られなかった。
4 土壌処理と葉面処理の効果的な用法は判別できなかった。
5 培養した光合成細菌の菌体がどれくらい生存できていたかが不明であり、培養期間と保存状態、環境条件等に課題・問題があったと考えられた。

【本試験の説明】
1 秋冬作への投与を本試験として行う。
2 投与対象農作物は、ハクサイ2品種・キャベツ2品種・レタス2品種・ブロッコリー1品種・ダイコン1品種・カブ1品種・ニンジン1品種の7種10品種とする。
3 投与濃度は×100、処理回数は週1or2、処理方法は葉面散布とする。
4 試験区として、①光合成細菌投与区、②焼酎粕液投与区、③無投与区を設置する。

【本試験の中間報告】
8/21に播種を行い、9/21(定植前)に苗の違いを調査した。光合成細菌の有用性として、葉緑体量の増加及び根量の増大、根域の拡大があると思われる。
《葉緑素量(SPAD)・葉長等を測定》

《㊧光合成細菌投与区  ㊨無投与区》 ※投与区は葉色が濃い
 
《ハクサイによる根量及び根域の違い》 ㊧光合成細菌投与区 ※細根多い  ㊨無投与区

《ブロッコリーによる根量及び根域の違い》 ㊧光合成細菌投与区 ※細根多い  ㊨無投与区

《光合成細菌投与区は上部まで根(細根)が行き渡っている》

今後は、定植を行い、圃場レベルでの生育と収量の違いを明らかにしていきたい。

光合成細菌投与による農作物生産への効果
 播種後30日経過苗を計測(播種8/22測定日9/21
 希釈倍率:×100  投与回数:週1回(現3回)  投与方法:土壌処理
               処理方法光合成細菌投与区無投与区
対象作物葉長cm葉幅cm葉面積指数SPAD葉長cm葉幅cm葉面積指数SPAD
レタス(サウザー)6.8 4.7 31.6 25.8 6.2 4.3 26.9 21.5
レタス(ロマリア)14.0 3.7 51.5 25.5 15.7 4.2 65.8 24.7
キャベツ(ジャンヌ)6.4 5.5 35.4 38.8 7.4 5.9 44.6 36.7
ハクサイ(晴黄)8.8 5.3 46.8 24.1 9.5 5.8 55.0 22.6
ブロッコリー(ハイツSP)7.6 6.4 49.0 39.9 8.6 7.3 62.5 40.0

キラキラ 日本農業技術検定受検(2年園芸科学科全員)

7/15(土)に園芸科学科2年の生徒全員が「日本農業技術検定3級」の資格受験をしました。
この資格取得は、「SPH」研究の効果測定項目になっています。
共通問題45問と専門選択問題5問を回答し、正答率で合否判定を行います。
農業の基礎的な知識レベルで高校生程度(農業を学ぶ生徒として)の専門知識が備わっているか、検定結果で確認します。
昨年までと比べて、出題傾向の違いもあり、苦戦した様子もありましたが、これまで学習してきた成果が実るか?!結果が楽しみです。
 

キラキラ 共同研究開始

総合農業科1年生が行う共同研究は、2項目になります。
1 トマトの省力化露地栽培技術『ソバージュ栽培法』の地域導入に向けた検証・研究
 ①共同研究者 パイオニアエコサイエンス(株) 担当:永田様
 ②研究経過:4年目
 ③目的と内容:トマトの露地省力化栽培技術の有効性と地域環境への適正を検証するための比較試験を実施
2 焼酎粕で培養した光合成細菌の農業生産への利活用に向けた検証・研究
 ①共同研究者 崇城大学:宮坂教授  Ciamo代表:古賀様
 ②研究経過:初年度
 ③目的と内容:有用微生物と目される光合成細菌と焼酎粕の新たなり活用法として農業生産分野への導入に向けた検証として比較試験を実施

本年度の研究のスタートに当たり、資材準備と圃場の設計・整備を行いました。
この内容は1年生の科目「農業と環境」のプロジェクト学習の導入教材にもなります。