令和8年度2学期始業式校長訓話(9月1日オンライン)
令和8年度2学期始業式校長訓話(9月1日オンライン)
皆さん、おはようございます。今日から2学期が始まります。まずは、全員がこうして無事に登校できたことを心から嬉しく思います。
この夏、私たちのこの熊本は大地震という厳しい災害に見舞われました。被災された家庭、ご親族が被災というところもあるでしょう。心からお見舞い申し上げます。
大変ショッキングだったのは、皆さんの大好きなクレアの爆発事故です。イオンモール熊本クレアは、昨年11月に御船高校と包括連携協定を結んで、本校の魅力の最大の発信場所となっていました。イオンモール熊本の支社長には本校の魅力化コンソーシアムの委員にもなってもらっています。本当に胸が痛みました。とにかく前回の熊本地震から10年目にまさか同じようなことが起こるとは多くの人が想像しなかったでしょう。でも私は、「10年ひと昔」と言われるように、震災の記憶も風化していると実感していましたし、防災・減災の意識を持ち続けなければならないなと考えていたところでした。特に昨年から御船高校に防災・減災の学びを積極的に取り入れたいなと構想していたことでした。前回の熊本地震以来10年間、地震、そして大水害、大型台風襲来など、自然災害が全国各地で多発しています。実際、今年はどこがやられるのだろうかと毎年不安になるくらいです。これは、日本だけでなく世界でも同様のようです。今夏の熊本地震は、世界で報道されたので、海外の知人からお見舞いのメッセージが来ました。その中には、「こっちでもトルネードが起きたよ。」とありました。気候変動で100年に一度とか200年に1度とか言われる自然災害が世界各地で起こっています。3日前のネパールでの大規模土石流は、1,000年、いや2,000年に1回でも起きないくらいの災害でした。まだ全容が見えてこない状況ですね。でも地球規模で言うと長い歴史の中でこういう時はしばしばあったようです。例えば、恐竜が絶滅したのもそうです。巨大隕石落下による気候変動が原因で恐竜は絶滅したと考えられていますよね。人間は、防災の学びと技術によって、減災、つまり被害を最小化することができます。実際、高速道路が短期間に復旧したのもそうです。君たちの生まれる前に起きた阪神淡路大震災での高速道路は、ゴジラが破壊したかのようになっていました。あれを教訓に、高速道路は、「大地震が起きても早期復旧ができるように壊れる」をコンセプトに作られるようになったということです。これは日本の世界に誇るべき技術です。避難所運営、ボランティア活動もそうです。しっかり過去の自然災害の被災から人間は学んでいるのです。「恐竜と違って防災の学びと技術で人は生き延びる」のです。ただ、多くの人が災害から時間が経っても忘れないようにする必要があると思います。そのためにも高校生が防災・減災を学ぶことは絶対必要だと思っています。熊本の高校生ならなおさらです。学んだことを国内に、または世界に広めてほしいと強く思っています。
さて皆さんの夏の活躍について2つ触れたいと思います。
1つ目は、地震が起きる前でしたが、1学期終業式で話したフィリピン研修に9名の生徒が参加したことです。そこでは人生の宝物と言えるぐらいの出会いと学びを得ました。セブ州タリサイ市にあるシスターズオブメアリースクールの生徒たちと交流してきました。言葉を超えた心の交流ができたと思います。その証拠に、別れの際は、同じ高校生同士、涙流して抱き合って別れを惜しんでいました。本当に美しい光景で感動しました。姉妹校締結もしてきましたが、フィリピンの高校と姉妹校になるのは県下でも本校が初めてだと思いますし、シスターズオブメアリースクールは本校にとって初めての姉妹校にもなります。今後交流を深めていきたいと思います。1,2年生は、来年も派遣予定ですので、ぜひぜひ挑戦してください。
2つ目は、夏休みに入ってゆっくりしたい、遊びたいところだったと思いますが、多くの生徒が災害ボランティアとして活動してくれたことです。本校のセミナーハウスは、昨年度末に御船町と協定を結んで、災害時にはボランティアセンターとして稼働するとしていました。まさかその数か月後に実働に入るとは思っていませんでしたが、そこを通してボランティア活動をしてくれた諸君、各所からお礼の言葉が来ています。益城では、復旧作業で忙しい間の子どもの居場所、「カタリバの活動」に参加している船高生もたくさんいます。主催の井下さんから何度もお礼とお褒めの言葉をもらいました。その様子は、全国ニュースにも流れました。「御船高校の生徒さんが来てくれて、本当に助かりました」「やっぱり高校生っていいですね、元気をもらいました。」と地域の方々から感謝の言葉がありました。先ほど大掃除で校長室を一生懸命掃除してくれた1年生男子もお父さんとボランティアに行って早朝から夜まで片づけを頑張ったと話してくれました。校長として、とてもうれしかったし、皆さんを誇らしく思いました。甲子園で活躍した有明高校、私はテレビで見ていて涙が出ました。被災地の方々も涙流して感動している姿を見て、熊本県民の誇りだと思いました。で、船高生も負けていないです。皆さんの活動は、地域の人たちを元気にしています。これからもボランティアしている、していない関係なく、元気な顔、元気な声で地域の方々に挨拶すれば、地域の人たちは元気になるのです。
最後に一つ皆さんに覚えてほし言葉を言います。最近はよく使われているので、知っている人もいるかもしれませんが。『レジリエンス(resilience)』という言葉を覚えておいてください。「回復力」「復元力」「再起力」などと訳される言葉です。もっと詳しく言うと「困難をしなやかに乗り越え回復する力」「逆境やストレスから立ち直り、適応して成長する力」という意味です。「しなやかに乗り越え」とか「適応して成長する」というのが大事です。「レジリエンス」よく覚えておいてください。自然災害のあるなしにかかわらず、レジリエンスを高めていってほしいと思います。本校の教育目標もこれを意識して作っていました。『どんな時も前を向く力』を育てると。
さて2学期、3年生諸君、進路実現に向けて人生で一番頑張ったという時間を作ってください。後々振り返って、「あの3年生の2学期があったから今があるのだ」と言えるような時間を作ってください。1・2年生諸君、勉強、部活動はもちろん、11月の文化祭に向けても頑張ってください。君たちのおかげで御船高校がワクワクドキドキする学校だと周りから思われるようにしてほしいと思います。大いに期待しています。
2学期も、健康第一でワクワクドキドキしながら学び、ともに成長していきましょう。以上。
レジリエンスResilience 「回復力」「復元力」「再起力」
「困難をしなやかに乗り越え回復する力」
「逆境やストレスから立ち直り、適応して成長する力」