船高日記

美術館研修を実施しました

9月8日(火)から10日(木)の3日間、芸術コース美術・デザイン専攻では、鑑賞学習の一環として、学年毎に午後の授業を利用して熊本県立美術館本館での美術館研修を行いました。今回の展覧会は「戦後70年記念 浜田知明のすべて」です。当日、生徒たちは午前中の授業が終わると同時にバスに乗車し県立美術館(本館)へ。

 美術館到着後、最初に学芸課の井上先生からギャラリートークをしていただきました。どの学年も自分たちの大先輩の大規模な展覧会とあって解説を聞く様子も真剣そのもの。メモをとりながら耳を傾けていました。中でも自分たちと同じ年齢の頃に描かれたデッサンや、その後の戦争体験については多くの生徒が今の自分とも照らし合わせながら、深く考える機会となったようです。

 また、今回の展覧会では浜田氏のスケッチや油彩画、銅版画や彫刻などが年代順に展示されており、自由鑑賞の時間にはそれぞれ気になる作品に顔を近づけ、食い入るように観察する様子が見られました。

 会場には作品合計300点が展示されており、じっくり味わうにはやや時間不足だったかもしれませんが、生徒たちは本物の美術作品に触れて感性を高め、相互に感想を交わして批評力を養う機会となり、何よりも本校出身の大先輩の偉業を知ることで、船高生としての誇りや伝統の一端を理解できた貴重な経験となりました。

 3日間にわたりギャラリートークをしていただいた県立美術館の井上先生、本当にお世話になりました。

生徒の感想

主にエッチングや彫刻を見ました。どれも不気味だけど見入ってしまうような独特の雰囲気を持つ作品ばかりでしたが、学べることも多く、銅版画や彫刻に興味を持つことができました。また、御船高校の大先輩でもあるので、浜田先生の過去やルーツに触れることができてとてもよい研修になりました。(3年生・男子)

今日の研修で浜田知明さんの本物の作品を初めて見ました。写真と本物では全く違うし、感動した。最初に作品を見て、題名を見ると「そういうことか!」と理解でき、解説を読むとその考え方に驚いた。知明さんの若い頃から現在までの作品を見ることができてとてもよかった。戦争の作品や、ユーモアが感じられる様々な作品を手がけておられ、すごいと感じました。これから作る自分の作品や自分自身にとって、とてもよい刺激を受けました。(3年生・女子)

僕たちの大先輩、浜田知明さんの人生がそのまま飾ってあるような展覧会でした。15歳の時(もっと前?)から現在までずっと作品を生み出し続けていたと思うとその量とともに圧倒されました。僕はまだビギナーで自分の力で大作を完成させた経験がありません。浜田さんみたいにもっと積極的に作品に取り組もうと思いました。(2年生・男子)

今回の研修で、浜田知明さんの「抽象では感じは伝えられても、言いたいことは伝わらない。人に訴えるには主題を持ち、具象的に表現するしかない。」という言葉に深く共感しました。戦時中に体験された過酷で凄惨なことを、むごたらしくもユーモラスに表現されているところに感銘しました。(2年生・男子)