令和5年度

令和5年度 熊本西高等学校 修了式「 講話 」

 皆さん、おはようございます。
 本日は3学期の終業の日であるとともに、令和5年度の1年間の締めくくりとなる修了の日でもあります。

 まず、高校1年生として、2年生として、自分自身の知識・技能、思考力・判断力・表現力等を、少しでも伸ばして、次の学年に進級できるように努力してきましたか。
 この1年間で、何ができるようになったか。何が、まだできていないのか。漫然と振り返るのではなく、具体的に振り返って、自分がどれだけ成長できたかを十分把握した上で、今後、次に自分がやるべきことを少しでも明確にして、進級への準備を整えてください。

 さて、今年も3月1日に卒業式を開催しました。皆さんの先輩達(218)名が、この学び舎、熊本西高校を巣立っていきました。
 今年の卒業生は、高校3年間のうち約2年間は、コロナ禍の影響を受け、それ以前には当たり前にできた教育活動が縮減されるなど変更を余儀なくされました。
 そのような状況においても、卒業した先輩たちは自分の目標を見失わず、いろいろなことを我慢しながら、目の前のやるべきことに一生懸命に取り組んだことと思います。
 その結果、進路実績についても、多くの卒業生が希望する大学等へ合格し、進路を実現しています。
 この先輩達の努力と結果が、皆さんにいくつかのことを示唆したことと思います。その一つとして、高い目標でも計画を立て、時間をかけて準備すれば達成することにつながっていくという「希望・勇気・意欲」などを与えてくれたことがあると思います。
 是非、先輩の姿から学ぶべきを学び、習うべきを習って、自分自身の今後に活かしてください。

 あと2週間ほどで、新入生が入学してきます。皆さんは、後輩たちに、高校生として「どんな道筋」を示してやることができますか。そして、西高の先輩として「どんな伝統のバトン」を渡してやることができるでしょうか。このようなことも考えながら春休みを過ごしてください。
 新年度・新学期から新2年生として、新3年生として、自分自身の今後のあり方・過ごし方を見据え、自覚と責任を持って西高生活をスタートできるようにしておいてください。

 さて、部活動については、先程紹介がありましたが、今月「全国高校選抜大会」が開催されます。各都道府県の代表校が、日本一を決める大会です。
 本校からは、「ウエイトリフティング部」、「なぎなた部」、「柔道部」が、熊本県の代表として出場しています。身近な西高生が全国の舞台で活躍していることを自分自身の諸活動において、よき励みとしてください。選手の健闘を、皆さんと共に祈りたいと思います。

 最後に、昨年の12月に、外部の方から連絡がありました内容を紹介します。
「私は、(熊本市)島崎に住んでいる療養中の者ですが、先週の木曜日の早朝、新幹線高架下の市営駐輪場に自転車を止めようとしておりましたが、バランスを崩し、自転車もろとも転んでしまいました。」
「自転車から転んで立ち上がれなくなっていたところ、自転車で登校中の西高の男子生徒さんが、すぐに気づき駆け寄って起こして助けてくださいました。」
「嫌がる素振りもなく、しっかりと助けてくださいました。寒くて薄暗い早朝、本当に有難いことでした。」
「お礼のしようもないのですが、貴校(西高)と生徒さん方への感謝の気持ちをお伝えしたく、お便りさせていた
だきました。」
 以上、いただいた内容の抜粋です。
本校の生徒が、困っている人に手助けをしたことを、とても感心するとともに、喜びと、そして、誇りを感じてやみません。
 このように、困っている人や周囲の人に寄り添い、手助けをすること、(手を差し伸べること、)また、他者を思いやる心を持つこと、さらに行動に移すことなど、大人の一歩手前にある高校生として、行動選択をできるようにしていきましょう。

 それでは、くれぐれも、心と体の健康と交通事故など事故防止に十分に留意しながら、春休みを過ごしてください。
 令和6年度の新学期4月8日に、高校3年生として、高校2年生として、志高くして「よしやるぞ」という気概を備えた皆さんと再開できることを期待して、終了式の「講話」といたします。

令和5年度 熊本西高等学校 卒業式「 校長式辞 」

 金峰山の峰々に春の息吹をほのかに感じる今日の佳き日に、御来賓として、熊本県議会議員「髙島和男(かずお)」様をはじめ、多くの皆様の御臨席を賜り、令和5年度熊本県立熊本西高等学校「卒業証書授与式」を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生・教職員一同にとりましても大きな喜びであり、深く御礼申し上げます。

 卒業生、218名の皆さん、卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様、お子様の高等学校卒業、誠におめでとうございます。教職員一同、心からお祝い申し上げます。

 卒業生の皆さんは、校訓「清・明・和」のもと、日々の授業、西高の特色を生かした学校行事、部活動等に真摯に取り組み、自らを鍛え、仲間との絆を深め、この学び舎で3年間の精進を重ねて、晴れやかな卒業の日を迎えました。このことは皆さんの努力の賜物でありますが、昼夜を問わず温かく支えてくださった保護者の方々の深い愛情と御支援、さらに、これまで皆さんの成長に関わられた多くの方々のお陰であります。どうか、感謝の気持ちを忘れることなく、こらからの営みに励んでください。

 皆さんが、本校に入学して3年間、予測困難なことに直面しました。新型コロナウィルス感染症の感染拡大による教育活動の変化は、日常の学習活動に様々なことで大きな影響を及ぼしました。コロナ禍をはじめ、厳しい学習環境の中でも、皆さんは西高生として直向きに頑張り続けました。

 さて、皆さんがこれから進んでいく社会は、これまで人類が経験したことのないスピード感で変化しています。AIやビッグデータなどを活用した最新の情報通信技術(ICT)がさらに発展し、日常生活に深くかかわってくると予想されます。

 また、能登半島地震等の自然災害、ウクライナやガザ地区における戦争など、安心・安全な生活を損壊させる事態も生じています。

 そのような時代を切り拓いていく皆さんに、3つのことをお伝えします。

 第一が、「独立の気概を持て」ということです。人は自ら独立しようという気概を持つことが大切であると言われます。独立の気概がない者は、人に依存しがちになり、自分の足で一歩踏み出すことを躊躇することにもつながります。

 グローバル化とダイバーシティが進む社会において、課題を解決し、地域に貢献できる人材として、一人前の社会人となっていくには、まず、自分の力で独立していこうという気概を持つことが肝要です。

 第二が、「夢こそ力なり」ということです。夢は人の生業の原動力です。皆さんは、この三年間本校で夢を育み、夢に向かって励んできました。目標とする大学に合格することや、運動部、文化部で活躍すること、また、生徒会活動に力を注ぐことなど。

 これからさらに、新たな夢に向かって進んでいく皆さんに伝えたいことは、「あきらめない限り、夢は決して逃げていかない」ということです。夢を持ち続ける限り、チャンスは到来します。あきらめないで夢に向かい進み続けてください。

 第三が、「偉大なる平凡」ということです。ここぞという勝負の時に必要なのは、何か特別な取組みであったり、うまくお膳立てされたシステムであったりするのではなく、当たり前のことを当たり前に積み重ね実行することから身に付いた柔軟で強靭な底力です。

 「周りに責任転嫁したり、言い訳ばかりを探したりしていないか」と常に自分自身に問いかけながら、厳しい現実に直面しようとも前向きの姿勢を失わず、「偉大なる平凡」によって培われる底力で、前途を切り拓き、物事を成就させてください。

 皆さんが卒業後、それぞれの新天地において、自己実現を図る上で、以上三点を、いささかの参考にしていただきたいと思います。

 ここで、保護者の皆様に一言お祝いとお礼を申し上げます。本日はお子様が、めでたく卒業されましたことを心からお祝い申し上げます。この三年間、いろいろと御心労も多かったことと拝察いたします。それだけに今日という日を迎えられた皆様方のお喜びもひとしおであろうと存じます。

 お子様をお預かりして以来、私ども最善の努力をして教育実践に携わって参りましたが、まだまだ力が及ばない所もございました。これからはお子様自らが、それぞれの進路に応じ、前途を切り拓いてくれるものと信じております。

三年間、物心両面にわたり、多大な御高配を賜りましたことに対し、厚くお礼申し上げます。

 それでは、卒業生諸君、いよいよさらばです。青春の時を過ごした、母校となる熊本西高校での日々を、時折思い出しては懐かしんでください。

 皆さんの、これからの活躍を大いに期待するとともに、その前途に幸多かれと心から願い、式辞といたします。

 

 令和6年3月1日

      熊本県立熊本西高等学校 校長 平 江 公 一

 

令和5年度 大学入学共通テスト激励会「挨拶」

 今年の大学入学共通テストに、全国で約49万人の受験者がいます。本校からは、皆さん63人が受験します。皆さんの中には、この共通テストを受けて、自分の目標とする大学への進路実現に向けて挑む人。また、既に進路が内定していても高校3年間の学習成果を問う人がいます。いずれにしても、主体的な学び、思考力・判断力・表現力が問われる試験です。皆さんがこれまで育んできた学力を発揮するというこの機会は、今後の成長に向けて意義あるもの、そして価値あるものとなります。力の限りを尽くしてください。

 テストに際して、不安感が自分を取り巻いたとしても、今までやってきたことを信じて、落ち着いて受けましょう。テスト会場で、待ち時間や休憩時間などで、周囲の会話に左右されることは全くありません。平常心、「平常心で臨めば、きっとうまくいくよ。」と自分に自分で声をかけてください。

 終了したテスト科目のことは、振り返らない。テスト全科目が終わるまで振り返らないようにしましょう。共通テストは、思考力・判断力を問う問題が多く出題されています。これまでの模擬試験や演習問題でやってきたことを思い出しながら、例え、当てが外れたとしても、今まで蓄えてきた知識・思考力・判断力を総動員し、何とか解答を出していきましょう。時間配分に気をつけながら、最後の1分1秒まで無駄にせず、問題に取り組んでください。諦めずに粘っているうちに、ひらめいたりすることもあります。全力を尽くして最後まで諦めないでください。

 最後に、3年間、温かく見守ってくれた家族、励まし指導してくれた先生方、そして、共に切磋琢磨してきた仲間への感謝の気持ちをもってテストに臨んでください。以上で、激励を終わります。

令和5年度 熊本西高等学校 3学期始業式「 講話 」

 皆さん、あけましておめでとうございます。新しい年を迎え、今日で九日目となりましたが、皆さん、今年の抱負をしっかりと掲げて新年をスタートしていますか。例えば、

① 自分がなろうとする姿をイメージする。

② これまでの改善すべきことを明確にする。

③ 実現に向けて、具体的な行動を決める。

などが考えられます。まだ、準備ができていない人は、今年の抱負を、しっかりと掲げて、この一年の日々を過ごしてください。

 年明け元日に発生しました、「能登半島地震」につきましては、皆さん報道等で知っていることと思いますが、甚大な被害をもたらしています。多くの方々(百数十人)がお亡くなりになっております。そして、今なお、懸命な救出活動が続けられている状況です。お亡くなりになりました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、救出・救援活動により、一日も早く被災された方々の生命と安全が確保されることをお祈りいたします。本校としましても、できる支援を検討したいと考えております。

 さて、今日から始まる3学期は、期間も短く、加えて、3年生の3学期の登校はとても少なくなります。2年生・1年生は2回の高校入試(入学者選抜考査)により、家庭学習の日が多くあります。そのような中で、まずは「3学期」を、令和5年度のまとめの最後の学期として自分の力を出し切ること。また、4月から始まる令和6年度に向けて、それぞれの学年に応じ、「準備すべきことを準備する」ということを、確実に進めていきましょう。

 1年生は、小学校や中学校の義務教育とは異なる、やりがいや厳しさを備えた高等学校の生活を実感し、努力した9か月であったと思います。まだ、高校生になりきれていない自分がいるならば、今こそ、義務教育を確実に脱皮して、高校生としての学びを本格的に軌道に乗せてください。

 2年生は、西高の中心的な立場として、常に学ぶ姿勢を持ち、確かな学力を定着させていきましょう。志望大学・学部など、将来に向けた学びを深める目標を明確にしてください。また、2年生は、生徒会活動や部活動等、それぞれの場面において力を発揮していますが、下級生や中学生が尊敬し、憧れる高校2年生であってほしいと思います。

 3年生は、「進路先が決定した人」や「自分の方向が決まりつつある人」は、進路先をこれから決めようとしている人への配慮をお願いします。そして、今後をしっかりと見据えて、残り少ない登校日を休むことなく充実させ、卒業に向けて、高校3年間の総仕上げを行い、4月からの新たなステージでの生活に備えましょう。そして、「進路先が決定していない人」、「これから大学入学共通テスト等にチャレンジする人」は、むやみに焦らず、自分の可能性を信じて、蓄えてきた力を、最後の最後まで発揮してください。最終学年として、有終の美を飾ってほしいと思います。

 次に、「自分で自分の限界を作るな」ということについて少し話をします。西高生の中には、自分で自分の限界を作ってしまう場面があるかなと感じる時があります。過去の経験や思い込みが、知らず知らずのうちに自分自身の能力を制限することになっているかもしれません。「私には無理かな」と思ったところで、「あと一歩」踏み出す。そのような挑戦を心掛けてみましょう。是非、皆さんには、授業、学校行事、部活動、大学入試や採用試験等、直面することに対して、安易に妥協せず、自分の能力を最大限発揮して、自己実現の第一歩としてほしいと思います。皆さんが、今年、いろんな経験の中で自分自身の能力を制限することなく、大いに発揮して、自己実現を図ってくれることを願っています。

 最後に、くれぐれも心と体の健康と交通事故など事故防止に十分に留意しながら3学期を過ごしてください。今年、令和6年(2024年)が、いよいよ始まりました。皆さんの一人一人が、自分の新たな抱負を掲げて、3学期を、元気よく、前向きな姿勢で、しっかりと充実させてくれることを期待して、始業式の「講話」とします。

令和5年度 熊本西高等学校 2学期終業式「 講話 」

 皆さん、改めまして、おはようございます。季節は巡り、長い厳しい暑さの夏から、束の間の秋を経て、今は底冷えのする冬を迎えています。早いもので、今日は、2学期の終業式を迎えました。

 まず、2学期を振り返りますと、8月24日に始業式を行い始まった2学期は、学期初めの8月末から9月は、酷暑の日が続く中で授業が始まり昨日まで行われました。主体的に深い学びができたことと思います。学校行事としては、10月の創立記念祭、11月のチャレンジウォーク、12月の修学旅行等、次から次へと実施されました。行事によっては、生徒会や各種委員会の皆さんが、企画・準備や行事開催に仲間と協力して力を注いでくれました。また、部活動については、2学期に新人大会をはじめ各種大会が開催されました。本校から各部の部員が大会に臨み善戦し、優秀な成績を収めてくれました。先程の表彰式からも分かりますが、学校行事や部活動等、2学期において、西高生の多くの活躍が見られました。

 さて、皆さん一人一人は、1年生として、2年生として、そして3年生として、自分自身で2学期を振り返っていかがだったですか。

 1年生、中学生という殻から抜け出して、真に名実ともに高校生となり、学校生活を充実させてきたことと思います。今後、責任ある行動をとり、西高生として、さらに励んでください。

 2年生、西高での学習活動を起動させていくエンジン的な存在として努力してきたことと思います。今後、学校の中核としての役割を担う中で、それぞれの自分自身の力を発揮してください。

 3年生、進路実現に向けて全力を尽くしてきた学期であったと思います。「進路先が決定した人」や「自分の方向が決まりつつある人」は、今後をしっかりと見据えて必要な準備を計画的に進めてください。まだ、「進路先が決定していない人」、これから、「大学入学共通テスト等にチャレンジする人」は、この冬休みを最大限に活用してください。目標達成に向けて、さらなる力を蓄えていきましょう。

 次に、「冬休みの過ごし方」についてです。2学期が終わり、いよいよ冬休みが始まります。冬休みを迎えるにあたり、至極当然のことですが、2つのことを参考にしてほしいと思います。1点目としては、「習慣化」についてです。「習慣が人をつくる」と言われます。自分のなかなか取り掛かりが難しい事、取り掛かりができても続けることが容易ではないことも、習慣化することにより、取組を継続することができて、成果を上げることに繋がります。自分がやるべきことを思うように進まない時に、上手に習慣化させることを試みてください。2点目は、「時間管理」についてです。「時間の使い方が人を成長させる」と言われます。冬休みの期間は、学期中の期間と比較すると、自由になる時間が多くあります。自分の時間を何かに流されるのではなく、意味のある時間、学びのある時間にしていきましょう。大切な自分の時間の主人公になるよう、上手にコントロールしてください。以上、「習慣化」と「時間管理」について、冬休みの生活を送る上で参加にしてください。

 最後に、くれぐれも、心と体の健康と交通事故はじめとする事故防止に十分に留意しながら冬休みを過ごしてください。今年、令和5年も、残すところ、あと十日余りとなりました。光陰矢の如しとはよく言ったものですね。皆さん一人一人、残りわずかとなった年末の日々において、令和5年(2023年)のよい締めくくりを行い、来年に向けて新たな抱負を掲げる準備をしてください。そして、新年(令和6年)を迎えて、1月9日の3学期始業式には、元気な姿で再会できることを期待して「講話」を終わります。