校長ブログ

校長ブログ

23/06/21(10) 松下失敗帳

 先日、ある職員と話していると、その職員が「生徒にはいろいろなことに挑戦してもらい。そして失敗の経験を大切にしてもらいたい。」と言いました。私もまったく同感です。確かに失敗はしたくはないのですが、失敗しないことはないですし、私もこれまでどれだけ恥ずかしく情けない思いをしたことか。もともとそそっかしくて、せっかちで、あわてものの私は、物事をよく考えなかったり、人の話を最後まで聞かずに行動したりするものですから、仕事の日にちを間違えたり、担当者ではない人にとんちんかんな話をしたりすることがよくあります。
 ある日、上司から「明日の10時からの会議で、資料を20部を用意しておいて。」と言われた私は、急ぎの用事があったため、ろくに確認もせずに部屋を出てしました。あとで「あれ、何の会議だっけ? 場所は? 資料はどの資料?」頭の中が「?」でいっぱいになりました。急いで上司に確認しにいくと、すでに出張に出かけたあとでした。上司のスケジュールすら知らなかったのです。当時は携帯電話がそれほど普及していない時代で、なかなか上司と連絡がとれず、かなり冷や汗をかきました。
 40歳半ばが過ぎたころ、さすがにこれではダメだろうと思い、2014年(平成26年)から「失敗帳」を作ることにしました。その名のとおり、自分が失敗したことを記録するノートです。いざ、失敗帳に書き始めると、これがなかなかつらく、恥ずかしい作業であることが分かりました。読み返すと、よくこれだけ失敗しているものだと、我ながらあきれてしまいます。ただ、それなりに工夫しているのは、失敗の事実だけでなく、原因と対策をしっかり書いているところ(…にもかかわらず、失敗がなかなか減らないのはなぜ?)。失敗としっかり向き合うと、自分の足りていないところがよくわかり、次はうまくいくように努力します。でも、また失敗します。こうした積み重ねが架け橋となって、私たちを成功へと導いてくれるのでしょうね。
 最近の「失敗帳」の記録の日付は2022年10月27日(木)。今日まで8か月、失敗の記録がありません。これは成長したからなのでしょうか、それとも失敗しているのに失敗と気づいていないからなのでしょうか…。


出張先でネジバナがたくさん咲いていました。花言葉は「思慕」

自宅の周りを散歩しているとたくさんの野イチゴを見かけました。

 ネジバナ のいちご

23/06/12(9) 日記

 日記をつけています。2009年から始めたので、15年目になりました。内容は、その日の出来事(自分のことや社会のこと)、天気、体重、食事の内容、運動量などです。書くきっかけとなったのは1年間の東京勤務が決まったことでした。見知らぬ土地やで職場で色々な経験をするだろうから記録しておこうと思ったのです。(なお、この年の日記の内容はほぼ仕事ができない自分へのいら立ちです。)
 日記を書いてみると、何にもなかったと思った1日にも、実は色々な出来事があったことが分かり、その1日がとても愛おしくなります。記録として残りますから、読み返すことができて、特に楽しかった日は、その思いを何回も味わうことができます。逆につらいことや悩みも文章で書いてみると、スッキリすることがあります。昔の日記を読むと、その時はつらいと思ったり、悩んだりしていたこともきちんと解決していて、きっと今の悩みもこうやって消えていくのかなって、少しだけ安心します。大事な人とケンカしたときの日記を読むと、何でこんなことでケンカしたんだろうと恥ずかしくなり、次はしないようにと心がけます。丁寧に文字を書いている日もあれば、なんて書いているのか分からない日もあります。その時の心の様子が分かって、自分のことながら面白いです。日記をつけることは、今日の自分や過去の自分と対話しながら、明日や未来のことについて考える作業なのかもしれません。

 ※日記帳の色は青→赤→黄のローテンション。信号をイメージしています。(心の信号)
 ※校長ブログ⑥で紹介した紫陽花。梅雨の雨に濡れています。

 

23/06/06(8) 球磨中央高校のこと

 

 6月2日(金)、パークドームで行われた高校総体の開会式に参加しました。午後からは熊本県立劇場で、高校総文祭の作品を鑑賞しました。金曜日から土曜日にかけて試合が行われている会場に行きました。どの会場も高校生の一所懸命さで満ちあふれていて、改めて「日常の大切さ」を感じました。

 さて、最近なかなか学校にいることができていません。「楽しく授業に参加しているかな?」「クラスメートと楽しく過ごしているかな?」「病気・ケガはないかな?」「事故にあっていないかな?」、生徒の皆さんのことが気になります。だから、時間があるときは、球磨中央高校のHPを必ず見ています。日頃の学校生活が次々と更新・掲載されていて、一緒に学校で過ごしている気持ちになれます。
 「五月晴れに若人躍動」(5月2日)、「商品開発で大切なことは」(5月15日)、「フレーバーティー開発中」(5月27日)、「球磨中央高校が団体3位」(6月2日)、「目指したい分野決めて」(6月5日) この5つの「 」は、『人吉新聞』に掲載された球磨中央高校の記事の見出しです。球磨中央高校のことを地域の方に知っていただけることは本当に嬉しいし、生徒の皆さんの活躍は私の誇りです。出張が終わって人吉球磨に帰ってくると心がほっとします。学校で生徒の皆さんと逢うと心が笑顔になります。生徒の皆さんの存在と活躍が、今の私の支えです。「早く学校に帰りたい」、そう思える球磨中央高校。その職員でよかった。

総体開会式 熱戦開始 

         ▲錦町一武の青空

23/06/01(7) 「きょういく」と5月31日の教え子

 いよいよ梅雨入り、学校に行くとき、帰るとき、十分に気を付けてくださいね。大雨にも備えましょう。

 さて、私は読書ノートを作っています。読んだ本や記事などで感動したり、気付かされたりした文章を記録したものです。そのなかにこのような文章がありました。ある講演会での言葉です。
 「矯育」「脅育」「恐育」「狭育」「凶育」、いずれも「きょういく」と読みます。先生方はこうした「きょういく」をしていませんか? そうではなく、「共育」「協育」「驚育」「響育」「鏡育」の「きょういく」を実践してください。」
 自分なりに考えてみました。教師にとっての「正常」とするために、子供を矯正(きょうせい/欠点や悪習などを正常な状態にすること)していませんか? 本当にそれは子供の欠点ですか? 力で脅したり恐れさせたりして子供たちを従わせるような行動をしていませんか? 狭い視野で子供に接し、それが子供の未来にとって凶(=わざわい)になることにはなりませんか? 私たち教員にとって、常に気を付けなければならない「きょういく」です。
私たちは、子供たちと共に、協働・協力しながら、あっと驚いたり、心に響いたりするような活動を行い、そして鏡を見るように一日一日を振り返り、次に生かす。私たち教員にとって、常に意識しなければならない「きょういく」です。

 私は、教師として大した授業をしてきたわけではありませんし、優れた担任でもありませんでした。卒業式のときには、子供たちに、「君たちが卒業し、再会したときに胸を張っていられる人生を送ります。」と約束してきました。5月31日、県庁から出前授業に来られましたが、説明をされた方は、私が初めて3年生を担任したときの教え子です。思わぬ再会でした。当日は出張のため、授業する姿を見ることはできませんでしたが、25日の打ち合わせの時の熱心な説明を聞いて、「本当に成長されたなあ」と、嬉しさが込み上げてきました。
 そして、私も教え子に向き合って話すことができました。教え子との約束、ちょっとは達成できているようです。

 ※写真は、初めて教師として教壇に立った高校がある地域の公園に咲く菖蒲(しょうぶ)です。

 

23/05/26(6) 人吉・球磨の歴史と自然を楽しむ① ~湯前町編~

 校長室から売店に向かってちょっと進んだところに紫陽花(あじさい)が咲いていました。あまりにもその白さが可憐でしたので写真に撮りました。先週、錦町で紫陽花が咲いているのを見かけました。気のせいかもしれませんが、紫陽花に限らず、花が咲く時期が昨年よりも早いような気がします。


 

《以下、写真をクリックするとGoogleマップで場所が示されます!》


 ある晴れた休日、湯前町を散策してきました。ようやく、人吉・球磨を巡る時間ができました。

 湯前駅から219号線に出て水上村方面に向かって歩き、案内板に従って10分ほど坂道を上ると里宮神社に着きました。市房山神社をおがむ場所で、戦国時代に築かれた湯前城跡にあります。勇壮な木彫りの龍が出迎えてくれます。

 神社を後にして歩くこと7~8分、球磨川支流の都川に下町橋(したまちばし)がかかっています。1906年(明治39年)にかけられた石橋で、清らかな都川と木々の緑の間で美しい姿を見せています。

 「くまめぐりふっとパス 猫寺コース」の看板に案内されながら20分ほど歩くと生善院(しょうぜんいん)があります。戦国時代の悲劇的な伝承が伝わっていて、その伝承から猫寺とも呼ばれています。1625年(江戸時代)に人吉藩主の相良長毎(さがら ながつら)が建てました。約20年前の解体・修理で当時の彩色が再現されました。

 球磨川を左に見ながら県道33号線(人吉水上線)を歩き、赤い橋を渡って国道219号線へ。2~3分歩き、郵便局のちょっと先から左に曲がると御太子堂(おだいしどう)があります。1573年~1592年頃に建てられたようで、風情があります。

 天気がよかったのでいっぱい汗をかきました。湯前駅の物産館で買ったいちごがとてもおいしかったです。60分ほどのウォークでしたが、湯前町の歴史と自然に触れることができました。次はどこに行こうかな。                       

【参考文献】

熊本県高等学校地歴公民科研究会日本史部会編「熊本県の歴史散歩」
熊本日日新聞社「熊本の石橋313」