校長ブログ

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2024/04/09(55)藤の花

 今日4月9日(火)は、昨日の始業式・入学式とはうって変わって透きとおるような青空。午前中、2・3年生は課題考査、1年生はオリエンテーション、午後から対面式、部活動紹介と続きました。1年生の前でお話をさせていただきましたが、素晴らしい礼法所作、きらきら光る表情、真剣に聴く態度、私も気が引き締まりました。

 校長室横の庭に藤の花が咲きました。私は恥ずかしながら、藤の花は芽吹いて、少しずつつぼみが開いて、花が咲くのだろうと思っていました。ところが、観察してみると、様々な変容を経て、美しい紫の花となることが分かりました。

3月1日、立派になって卒業した生徒たち。3年間、楽しいことも、つらいこともあったことでしょうが、色々な困難を乗り越えて大きく成長しました。1日1日成長し、大輪の花を咲かせたのです。これから、子供たちの、毎日の少しずつの成長を見逃さないよう、伴走していきたいものです。

▲3月7日「藤の花」

▲4月2日「藤の花」

 ▲4月9日「藤の花」①

▲4月9日「藤の花」②

▲4月9日「藤の花」③

2024/04/08(54) 熊本県立球磨中央高等学校第8回入学式 式辞(抄)

 ただ今、入学を許可しました104名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

晴れて本校への入学を果たされた皆さんを、職員、在校生一同、心から祝福し、歓迎します。今、皆さんは入学の喜びとともに、新しく始まる学校生活への大きな期待に胸をふくらませていることと思います。今の気持ちを大切にして、志を高く掲げ、それぞれの夢の実現に向けて、これからの学校生活を充実させてください。

本校は、平成29年4月に開校し、今年で8年目を迎えます。球磨商業高等学校の伝統を引き継ぎながらも、新たな専門的で探究的な商業に関する専門的な学習活動を行う商業科及び情報処理科、地域の課題を発見し、未来創造を担う人材を育成する地域未来探究科からなり、皆さん方は八期生となります。

 商業科や情報処理科では、実践的・探究的な学習活動を通して、「新たな価値の創出に向け、探求・創造・実行することができる人材」、「経済発展と社会的課題の解決を両立できる人材」を育成し、地域産業をはじめ、経済社会の健全で持続可能な発展を担うための資質・能力を育成します。

 地域未来探求科では、地域への愛情を深めた、将来の地域社会の発展を担う地域リーダー育成をします。学びは本来

楽しい活動です。どうか専門的で、創造的な各科の学びの中で学ぶおもしろさを味わってください。

さて、本校の教育方針は、「全ての人の幸福のために、倫理的に正しく、規律ある判断力をもって責任ある行動がとれる人間の育成を目指す」です。世界では戦争やテロが至る所で起こり、地球沸騰化や大規模な自然災害、エネルギーや水、食糧の枯渇など、本来ならば地球人としてこうした大きな問題に立ち向かわなければならないはずなのに、自国第一主義と分断、偏見と暴力、富の集中と貧困がその解決を阻んでいます。また、SNSの急速な発達は、私たちの生活を便利にする一方で、自分に都合のいい情報だけを取り込み、平気で嘘をつき、人をだまし、人の心を傷つけています。

熊本県は、人吉球磨は、熊本地震、豪雨災害と本当につらい思いをしてきました。そして人々はその苦しみに正面から立ち向かい復旧・復興にまい進しています。だからこそ、他者のことを自分事として捉えることの大切さ、一人一人の力を合わせることの大切さ、人を思いやることの大切さを知っています。本校では教育方針に基づき、自分自身の、他者の、地域の、あらゆる人々の幸せのために行動する人材を育てていきます。現在、本校の学校生活はコロナ禍以前の状況に戻ってきました。どうか、クラスメート、先輩、先生方とともに充実した毎日を過ごし、皆さんの無限の可能性を伸ばしてください。

そして、入学式にあたり、私から皆さんにお願いがあります。

「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」、この当たり前の、本当に当たり前の会話が、当たり前にかわされてほしい。この言葉が聞こえるということは、今日一日を生きている証です。皆さんに期待することはたくさんありますが、一教師としての、一人の大人としての願いは、健康であってほしい、生きて欲しい、ただその願いだけです。皆さんはたくさんの人から愛されています。そして、この球磨中央高校でたくさんの人と出逢い、支え、支え合ってください。自分を大切にし、周りの人を大切にし、毎日を過ごしてください。当たり前の幸せを土台にして、3年間をかけて自分の未来を開拓してください。

この3月に卒業した生徒が「私たちの未来のために」と題した作文を書き、警察庁長官賞を受賞しました。その作文の終わりには「明日、当たり前の日常が当たり前に来るとは限らない。もしかしたら、明日、当たり前が変わるかもしれない。そのことを胸に刻んで、一日一日を大切に自分の行動に責任をもってこれからも生活していきたい。」と書かれています。何気ない日常の一日一日があることを幸せと思い、大切に生きてください。

新入生の皆さんの輝ける未来を祈念いたしまして式辞といたします。

 令和六年四月八日 

   熊本県立球磨中央高等学校長 松下 宏則

▲入学おめでとうございます。

▲入学式の準備

24/03/28(53)転退任式

 今日3月28日(木)は転退任式。3月は旅立ちの時期、それはお別れの時。今年度末の異動で10名の先生が本校を離れます。1年間同じ職場で働いた仲間、新米校長のいたらなさにめげることなく、それぞれの持ち場で力を発揮していただきました。たった1年、しかし私にとっては大切な1年でした。教員のリーダーとして学校経営に尽力していただいた先生、生徒の発表や商品開発の指導はもちろんのこと、学校の運営に大きな功績があった先生、優しく丁寧に生徒の悩みを受け止め、生徒のよき理解者であった先生、防災教育の公開授業でカレーを袋で作り、参観者を驚かせた先生、忙しい校務を果たしながらも、球磨中央百貨店のポスターや映像づくりで高い技術力を見せた先生、レベルが高く元気が出る授業を展開するとともに、生徒の進路目標実現のため力を尽くした先生、先進的な授業や部活動指導、インスタグラムの即時更新など色々な場面で活躍した先生、予算や施設管理など、生徒の目にはなかなか見えないのですが、重要な事務の仕事を正確にこなした先生、フットワークが軽く、勉強熱心、生徒への声掛けを常に忘れなかった先生、豊富な経験を持ち、生徒だけではなく私たち教員にとっても頼りになる先生。私は、先生方と出会えて本当に幸せです。そして心から感謝しています。どこの職場でも活躍できる先生ばかり。それぞれの職場で大きな花を咲かせてください。「本当に有難うございました!」「ご自身もご家族も健康第一で!」、そして「いってらっしゃい!」

花壇の花のお見送り

 ▲花壇の花のお見送り

正門を越えて

 ▲正門を越えて

旅立ち

 ▲旅立ち

24/03/22(52)3学期終業式でお話ししたこと

 まずは、みなさんにお礼を言わせてください。3月1日、本当に素晴らしい卒業式でした。3年生だけでなく、2年生がきちんとした態度で臨んだからです。1年生は式には参加していませんが、前日の表彰式の態度が本当に立派でした。1年後、2年後、一緒に感動的な卒業式を創りたいと心から思いました。
 3学期終業式にあたり、1年前、自分が何をしていたのか振り返ってみました。去年、前任校の終業式が3月24日、そしてその日は、引継ぎのために、私が初めて球磨中央高校を訪ねた日でもありました。本山校長先生が球磨中央高校生について熱く語られたことを、今でも鮮明に覚えています。それから1年、学校行事で見せる真剣なまなざしと笑顔、授業や部活動にまじめに取り組む姿、日々の生活での元気な声、どれだけ皆さんから元気をいただいたか分かりません。私は皆さんとの出会いを心から感謝し、そして幸せを感じています。私は、人との縁を何よりも大切にしています。4月の始業式で紹介した言葉、
 「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早過ぎず、一瞬遅過ぎない時に」
 出逢った瞬間が何かの縁だと思います。みなさん、どうかこれまで出逢った人との縁、この1年で出逢った人との縁、これから出逢う人との縁を大切にしてください。
 さて、私が初めて3年生の担任をしたのが今から28年前。私よりはるかに豊かな感性と才能をもった45名。キラキラと輝いている生徒たち。私は一瞬で3年7組が好きになりました。この生徒たちの夢を叶えるため、自分に厳しくし全力を尽くそうと、教室に自分に対する戒めの言葉を書いて貼りました。同時に、これから多くの困難に直面していく45名に対しての贈る言葉としました。
 「自律」 私はもともとなまけものです。なまけものの自分をしっかりとコントロールするために、時間を守る、先のことを考えて行動する、規則正しい生活を送ることを心掛けています。生徒にも、目標を達成するために、自分に厳しくあってほしいと願いました。
 「努力」 私にはこれといった取柄はありません。だから、何かを達成しようとするためには、勉強し続けるしかありません。せっかくの才能を持った生徒たち。その力を開花させるために、自分で自分を鍛え、前に進んでほしいと願いました。
 「想いやり」 私はこれまで、たくさんの人たちに支えられ、助けられてきました。つらいとき、泣きたいとき、お互いに励ましあえるクラスであってほしい。一人の喜びがクラスの喜びになってほしいと願いました。
 この「自律」「努力」「想いやり」は、今でも自分の戒めの言葉です。そして、今年は、本校卒業生に贈る言葉としました。皆さんに贈る言葉としました。初めての校長として皆さんに出会いました。皆さんのために自分に厳しくありたいと思いました。これから夢を達成するために、皆さんには困難を乗り越えていってほしいと願い、贈る言葉としました。初めて生徒の前で決意を述べてから28年、この言葉を再び託せる皆さんたちに出会うことができました。
 新しいステージは目の前です。新たな球磨中央高校の歴史をつくる主役は皆さんたちです。どうか、その覚悟をもって春休みの間、力をためてください。4月8日(月)キラキラ、ワクワクしている皆さんと会える日を楽しみにしています。

皆さんの進級をチューリップも喜んでいます

 ▲皆さんの進級をチューリップも喜んでいます

贈る言葉

 ▲贈る言葉

24/03/13(51)にんじんの葉、だいこんの葉

 今年に入ってから、にんじんの葉とだいこんの葉を栽培(?)しています。料理で余ったにんじんとだいこんです。だいこんの葉は料理に使いますので、ぎりぎりまで葉を切った切れ端を栽培しています。現在、私の部屋には、にんじんの葉とだいこんの葉3きょうだいがいます。以前、食べるために野菜の切れ端を栽培するという記事がありましたが、私の場合は、どちらかというと、観賞用に育てています。わずかな実の栄養と水で育っているのでしょうか。

 毎日水を換え、受け皿を洗うなど、大切に育てています。球磨中央百貨店で購入した赤いサボテンとも仲がいいみたいです。気が付けば葉っぱに「おはよう」「元気?」「おやすみ」などと声掛けをしていて、はたから見るとちょっと滑けいだと思います。学校の花壇の花もそうですが、優しい気持ちで大切に育てると、すくすくと成長する気がします。以前、植物は人間の気持ちが分かるという内容の本を読んだことがありますが、その真偽は別にして、そう思いたくなります。わが家のにんじんの葉とだいこんの葉、私にこころの健康を与えてくれています。

チューリップが咲きました

 ▲チューリップが咲きました

ムスカリも育っています

 ▲ムスカリも育っています

わが家のにんじんとだいこんの葉

 ▲わが家のにんじんとだいこんの葉