羅針盤 夢を持って、世界とつながれ

校長室より

平成28年熊本県高校総体選手激励会 講話

平成28年度 熊本県高等学校総合体育大会選手激励会 校長挨拶

平成28年5月25日(水)


●熊本県内の全日制高校の生徒数は平成27年度資料によると、県立29448人、私立16973人、市立1672人、合計48093人である。

●熊本市内に高校が公立13校、私立14校あるが、すべての学校がGWまでを休校措置にした。再開できたのはほとんどの学校が5月10日からである。
 阿蘇地区、宇城地区の学校を含めると、GWまでの休校措置は公立高校20校 /57校(18811人)、熊本市内私立高校14校/22校(13146人) 計31957人/48093人(66.4%)であった。県内高校生のうち、3人に2人はおよそ1ヶ月学校を離れた生活があったわけである。

◎この地震は学校の施設、設備、教室にも多くの被害をもたらした。体育大会を中止にした学校も多くある。無念である。ありふれた日常であるが、仲間とわいわいやりながら部活動や授業に取り組んでいたことがなんと「幸福」であったか。

◎相手があって初めて試合は成立する。審判員の方がいて初めて記録を確認できる。本当に「あたりまえ」のことであるが、君たちのできることは、この「あたりまえ」に感謝する気持ちを忘れず、一心不乱に堂々と試合・競技の場に臨むことである。一人一人の力は、微力ではあるが、決して無力ではない。君たち一人一人の笑顔とプレーが見ている人と対戦した同じ熊本の高校生に勇気と元気をもたらしてくれることをどうか、まずお願いしたい。


◎「ゾーン体験」
★中田久美(なかだ くみ)さん 1965年9月3日生まれ



 
中学入学と同時にバレーボールを始め、日立や全日本で監督を務めた名将、  山田重雄氏に見出され、セッターに転向する。1981年に日立に入団し、セッター転向後、わずか1年でスタメンを獲得。日本リーグ6連覇、リーグ戦88連勝という、いまだ破られていない快挙を成し遂げた。1983年からは、全日本でもスタメンセッターとなる。オリンピックには3度出場。日本リーグ、V・プレミアリーグ時代を通じて、女子最多4度の最高殊勲選手賞受賞者。性格は強気で負けず嫌い。天才セッターと呼ばれた。


●彼女のエピソードから
 「生涯の何百、何千の試合でどうしても忘れられない試合がある。10m後ろの5m上からの視点から、コートを見て試合ができた。まるで負ける気がしなかった。」極度の精神の高揚と緊張がもたらした視覚と言われ、これをゾーンに入るという言い方をするようです。集中力を切らすことなく、体と心が一体化していて、何もかもがうまくいく状態のことで、「ゾーン体験」とも言われ、よくメンタルトレーニングの目指す一つの境地と考えられます。トップアスリートが到達できる感覚といえばその通りですが、君たちもこの「ゾーン」体験に挑戦して欲しい。集中して、冷静に、常に視野を全方位に放射しながら笑顔で試合、競技に取り組んでください。

◎陸上競技部、サッカー部、男子ソフトテニス部、バスケットボール部、女子バレーボール部、弓道部の皆さん、スポーツができる喜び、そして仲間との絆をしっかり感じて、大会を楽しんできてください。