カテゴリ:式典
平成28年度 第2学期 始業式 校長講話
~続 変容する世界と社会の中で未来を「想像⇒創造」する~
夏休みが始まったばかりの7月22日、いよいよ「ポケモンGO」の日本での配信が始まりました。先行したアメリカでは大ブームが巻き起こり「スマホユーザーの行動が変わる」とまで報道していました。何か大変なことが起きたという印象でした。「ポケモンGO」で何が変わるのでしょうか?
ポケモンGOはゲーム世界のユーザーがびっくりしただけではありません。ビジネス世界の投資家を驚かせるもうひとつの仕組みが組み込まれていました。
ユーザーが外に出て「ポケストップ」でポケモンをゲットしたり、「ジム」に所属してそこでポケモンを育てたり、対戦したりするという仮想現実の導入です。ポケモンGOは消費者を「外へ連れ出す」能力を身につけていたのです。
もしこの試みが成功すると、任天堂はこれまで持っていなかった物凄い力を手に入れることになります。それは、任天堂と組んだ店舗に消費者が動く、つまり任天堂は消費者を自在に動かし、小売店や飲食店に大量に集客できるようになるという広告集客力を持つのです。
マクドナルドとの提携が終わったら、次に別の企業が手を挙げることになるでしょう。そしてどこが手を挙げても、その企業は圧倒的な集客力を手にいれることになります。
もしポケストップに設定されている美容室とそうでない美容室が存在したら消費者はどちらに行くでしょうか?もし消費者が外食の目的地をグーグル検索や食べログ検索の代わりにポケモンで検索するように行動が変わってしまったら?
終業式で述べたことを覚えていますか?
この30年での世界の変容を3つ挙げました。
①ドイツ「ベルリンの壁」崩壊
②アメリカ「世界貿易センター」同時多発テロ
③イギリス国民投票EU離脱派の勝利
ひょっとしたらこの3つより大きな分岐点であるかもしれません。
「ゲーム世界」が「現実世界」と融合していく世界、皆さんはどう思いますか?
30年後の未来、振り返って「未来の現在」へ繋がった選択肢の分岐点が平成28年7月22日と記録されることになるのでしょうか。
インターネットは私たちの生活を変化させました。30年後の未来、インターネットと切り離した生活は考えられないでしょう。誰かが思いを巡らし、想像さえすれば、コンピューターは最適な創造のために全力で思考するでしょう。あっという間に答えは出るでしょう。「OK!○○○○」
インターネットの仮想現実世界で時を過ごせば、現実世界の人との人間関係、結びつきはどうなるのでしょうか。仮想現実で友達を作れるけど、現実の人の声や接触を煩わしく思う人が増えてきたらどうでしょうか。
仮想現実世界の結果は決して真実ではありません。現実世界にリセットもききません。ポケモンGOがもたらすものは、未来の新しい光となり、新たな夜明けをもたらすものになるのでしょうか。私は怪しげな未来の想像、不安ばかりです。「杞憂」に終わって欲しいと思います。
想像力を駆使して、クラスの仲間と、先生たちと話し合ってみるのもいいかもしれません。どんな世界になるのでしょうか。
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