校長室からの風(メッセージ)

卒業式

 弥生3月1日(水)、多良木高校において第69回卒業証書授与式を挙行し、64人の卒業生の旅立ちを祝福しました。式辞の一部を次に掲げます。

  「さて、昨年四月に熊本地震が発生し、県内各地に未曽有の被害をもたらしました。私たちは普通に日常生活ができる有難さをかみしめると共に、助け合うことの大切さを知りました。自然は私たちの生活に豊かな恵みを与えてくれる一方、時に猛威を振ることがあります。これからも自然と共存していかなければならない私たちは自然災害を避けることはできません。しかし、災害が起きたとしても、皆さんはもう弱者ではありません。いつどこで、何があっても自らの命を守り抜くと共に、子どもやお年寄り、障がいのある方を助けてください。そして地域社会の復旧、復興の担い手となることを期待します。

  熊本地震関連の報道の中で特に印象に残ったものがあります。それは、熊本市内の多くの小学校が避難場所となり、避難生活を送る人々に対して、熊本市のFMラジオ放送局「シティエフエム」がリクエスト曲を募ったところ、最もリクエストの多かった歌は小学校の校歌だったそうです。各校区の被災者の方たちは母校の校歌を聴くことで、傷ついた心を癒し、少しずつ元気を取り戻していったと云われます。学校は地域の拠り所であり、それぞれの人生の原点でもあることを思わせるエピソードだと思います。

  本校の校歌は昭和3年につくられ、歳月を超え、世代をつないで歌い継がれてきました。皆さんも、学校行事で、または部活動で繰り返し歌ってきました。校歌は多良木高校の精神と言えます。今日、卒業生一同の三年間の思いの籠った校歌斉唱を期待しています。」




答辞を読む卒業生代表の鶴本君