校長室からの風(メッセージ)

初々しさが原点です ~ 合格発表

初々しさが原点です ~ 合格発表 

 

 3月15日(火)の午前9時、多良木高校玄関に平成28年度入学者選抜検査合格者を掲示しました。前期選抜での合格内定者20人を含む合計66人の合格者の受験番号を掲げました。発表を待っていた受検生や保護者、中学校の先生方が集まり、「あったー! よかったあ!」と歓声が上がり、肩を抱いて喜び合う光景が見られました。自分の受検番号をバックに記念撮影する生徒もいました。笑顔の受検生、安堵の表情の保護者の方々の様子を遠くから見ていると、こちらも心の底から温かいものがじんわりとこみ上げてきて、思わず涙腺がゆるんでくるような気がします。

 今度の入学生が多良木高校の最後の学年です。彼らが卒業する平成31年3月をもって閉校する定めにあります。しかし、「一緒にアンカーを走ろう。多くの同窓生や地域の方々がきっと熱烈に応援してくれる。他の学校ではできないことを体験して、3年後には感動のテープを切ろうよ。」と人吉・球磨地域の中学生の皆さんに、この1年間、呼び掛けてきました。それに応え、後輩がいないとわかっているこの学校を志望した受検生の覚悟に、私は涙が出るほど心が動かされます。

 「今の初々しい気持ちを忘れないでほしい。」と合格を喜ぶ受検生に私は心の声で伝えました。何事にも初々しさが大切です。これから高校生活を送る皆さんの原点は今の初々しい喜びの気持ちです。そして、受け入れる私たち高校の教職員にとっても、今日の合格発表は、責任と使命感を新たに自覚する原点の日なのです。

 学校の周囲では菜の花が咲きそろい、眼にまぶしい程の鮮やかな黄色が春を実感させます。清々しい青空のもとでの合格発表の情景に言いようのない感興を覚えました。