校長室からの風(メッセージ)

学校の桜

学校の桜 

 

 4月1日、多良木高校に新たに6人の教職員の方が転入してこられました。坂本道彦教頭先生、緒方真代先生(国語)、高山裕先生(地歴)、事務の宮原雄翔先生、吉田七海先生(商業)、学校図書館事務職の松本麻衣子先生です。今年度の多良木高校の教職員は全員で30人となります。仲間と一緒にこれから1年間、苦楽を共にしていくことになります。職員室の座席のレイアウトも一新され、学校もいよいよ動き出しました。

 学校は3月末から4月初めにかけて人事異動と新学期の準備等と最も慌ただしい時期となります。そのため職員はゆっくり花見もできにくい状況です。しかし、学校には必ず桜があります。およそ日本の学校で校庭に桜が一本も植えられていない所はないでしょう。私たち教職員の花見は校庭の桜です。桜の花を見て、旅立った卒業生や入学してくる新入生を思い、新年度が始まることを実感します。
 桜は日本人にとって特別な花です。冬を越え、ようやく到来した春の象徴であり、しかもその開花期間は短く、惜しむように愛でることになります。社会の国際化に伴い、日本の学校入学時期を世界の大勢に合わせて9月入学にしたらどうかという議論が久しく行われてきました。しかし、多くの支持が得られずにいる要因として、校庭の桜のもとで新入生を迎えたいという日本人の心性があるのではないでしょうか。

 多良木高校の校庭にも桜が幾本かあります。この週末に満開を迎えましたが、昨夕からの雨でもう散り始めました。本校の入学式は4月8日です。入学生が桜の花を見ることはできないでしょう。はらはらと散る桜を見て佇んでいると、古歌に言う「しづ心(静心)なく花の散るらむ」の心境となります。