校長室からの風(メッセージ)

事故の怖さを実感する交通安全教室

事故の怖さを実感する交通安全教室 

 12月5日(火)、2学期期末考査最終日。この冬一番の強い寒気に球磨地域は覆われました。冷たい風が吹く中、午後、多良木高校グラウンドで「スタントマンを活用した交通安全教室」を開催しました。熊本県警察本部とJAくま(球磨地域農業協同組合)の共催によるもので、参加者は本校生(2,3年)と球磨支援学校高等部の皆さんです。高等部の生徒の皆さんは、先週も本校野球場でティボールを楽しむスポーツ交流を行っており、二週続けての来校です。

 この交通安全教室の特色は、スタントマンによる交通事故の迫真の再現です。日頃トレーニングを重ねているスタントマンだからこそできる身体を張った危険な演出となります。歩行者と自転車、自転車と自転車、自転車と自動車といった幾つものパターンによる交通事故の再現が行われ、その度に被害者役のスタントマンは身を投げ出し、道路に転倒します。迫力ある事故シーンを見学していくことで、改めて、私たちは交通事故の恐ろしさを実感していきます。そして、生徒の皆さんが事故の怖さを正面から受け止めることによって、日頃の「まあ大丈夫だろう」という甘い認識や油断を捨て、交通安全に関してより慎重に注意深くなるように変化を期待するものです。

 私たちが暮らす人吉球磨地域は、犯罪や災害が少なく、人情も厚い平和な故郷です。しかし、最も心配されるのが交通事故です。今年度、多良木町やあさぎり町で交通死亡事故が続いていることは憂慮されます。生徒たちの話を聴くと、自転車でスピードを出しすぎた時、不用意に角を曲がる時、あるいは信号のない横断歩道を渡る時など「ヒヤリ」・「ハット」の経験が多いようです。生徒の皆さん達には、絶対に交通事故の被害者に、もちろん加害者にもなって欲しくありません。

 交通事故は一瞬で起きます。事故を防ぐにはどうすればよいのか。およそ一時間半の交通安全教室は、「どんな事故も基本的な交通ルールを守っていれば防ぐことができる」というメッセージを伝えていました。