インターンシップに臨む2年生を励ます
「明日からのインターンシップで、皆さんは就業体験を行います。わずか3日間体験したからと言って、その仕事のことがどこまでわかるか、それは疑問です。しかし、意味はあると私は思っています。私たちが見て、知っていると思っている仕事は実は表面だけです。その裏側にとても広く深い世界があって表面を支えているのです。
例えば、学校の先生。皆さんは小学校、中学校、そして高校2年生と11年間、学校生活を送ってきました。だから、学校の教師の仕事はだいたいわかっていると思っているでしょう。しかし、皆さんが知らない部分がたくさんあるのです。私たちは教員免許を取るためには教育実習を学校で行うのですが、生徒の時には見えなかった業務がこんなにあるのかと驚いたものです。コンビニでもそうですね。お客として見るコンビニの世界はシンプルなものです。けれども、仕事として入ってみると、あのたくさんの商品はどこからくるのか、それをどう整理して管理しているのか、お金の管理はどうなっているのかなど大事な世界が広がっているのです。仕事とは社会につながっていて、実に多くの世界にネットワークが広がっています。皆さんは、明日からの三日間で、小さな窓から社会という巨大でとらえどころのないものを覗いてきてください。そして、社会とつながることに興味、関心を持ってください。
さて、このインターンシップは地域のご協力によって成り立っています。今年度も29か所の事業所の方々が実習をお引き受けいただいたからこそ、実施できるのです。有難いことだと思います。昨年度、一昨年度、私は実習先を訪ね、「ご迷惑をおかけします」と挨拶して回りました。すると、そのすべての事業所の方が、「高校生がきてくれて活気が出ます」、「職場が明るくなります」、「自分も新人の頃を思い出しました。」など肯定的におっしゃってくださいました。地域で高校生を育てていこうというお気持ちの表れと思い、感謝しております。
多良木高校は高等学校としては小さな学校かもしれません。学校は小さくても、多良木高校生は小さい高校生ではありません。可能性豊かな大きな存在です。この球磨郡を元気にする、大きな役割をもっています。それぞれの事業所の方々は、皆さんが来ることを待っていらっしゃいます。感謝と謙虚さを忘れずに、三日間の実習をやり抜いてください。新しい出会いがたくさんあることを願っています。」
登録機関
管理責任者
校長 粟谷 雅之
運用担当者
本田 朋丈
有薗 真澄