熊本県立多良木高等学校
ありがとう多良木高校
全校合唱「群青」
「ああ、あの町で生まれて 君と出会い
たくさんの思い抱いて 一緒に時間(とき)を過ごしたね」
合唱曲「群青」は、福島県南相馬市立の小高(おだか)中学校で2013年に生まれました。その2年前、東日本大震災で同校は被災し、津波で犠牲者が出ました。さらに福島第一原発事故によって校区が警戒区域に指定されたため、学校あげて避難することになりました。生徒たちは全国に散り散りとなり、大震災の時におよそ100人在籍していた1年生が2年次に進級した時には10人以下に減少しました。少なくなった生徒たちと共に、音楽教諭の小田先生が卒業の歌として創られたのです。
「またねと手を振るけど 明日も会えるのかな
遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない」
この「群青」を全校合唱しましょう、と本校の音楽担当の石尾先生が提案され、先日、体育館にて全員で歌いました。多良木高校全校生徒およそ200人が気持ちを込めて歌いました。男子の力強い声、女子の優しい声が調和して、体育館に響き渡り、全員の気持ちが大きく一体となったようなハーモニーを創り上げました。聴く私たち教職員の胸に熱くこみ上げてくるものがありました。歌詞の「あたりまえが 幸せと知った」というフレーズには重みがあります。
指揮をされる石尾先生の頬には涙が伝い、最後に生徒たちに「多良木高校はあと2年あまりで閉校となるけれども、その後もみんなで会いましょう。」と涙声で呼び掛けられました。
「きっと また会おう あの町で会おう
僕らの約束は 消えはしない 群青の絆」
* 『群青』福島県南相馬市立小高中学校 平成24年度卒業生 構成 小田美樹