校長室からの風(メッセージ)

安全・安心な学校づくり ~ 「熊本地震」発生

安全・安心の学校づくり ~ 「平成28年熊本地震」発生

 

 平成28年4月14日(木)の午後9時半近くでした。職員住宅の部屋で寛いでいた私は、携帯電話の地震発生情報メール音に驚き、その直後の大きな揺れに動揺しました。夜の静寂(しじま)を破る突然の地震。揺れは数十秒で治まりましたが、その後も余震が続き、不安な夜を過ごすことになりますが、その頃、震源地の益城町や熊本市では震度6から7の激震に襲われ、7人の方が亡くなり、多数の負傷者、そして建物の損壊と大惨事が発生していたのです。被災地では慟哭の情景が広がっていると思うと、胸が痛みます。気象庁は「平成28年熊本地震」と翌日に発表しました。

 人吉・球磨地方は最大震度3程度で済んだため、被害はほどんどありませんでした。多良木高校も、翌日は平常の教育課程を実施でき、テレビ画面に映る益城町や熊本市の惨状が同じ県内のものとは思えませんでした。しかし、地震の脅威をまざまざと思い知らされた次第です。

 学校は安全、安心な場所でなければなりません。多良木高校では平成22年度から校舎の耐震化工事を計画的に進めてきました。すでに、生徒が主に学校生活を過ごす教室棟、理科棟、そして体育館等は完了しています。残る昇降口棟と玄関棟の耐震化工事を今年度行う予定で、これで全て終わることになります。昇降口棟の工事に先立ち、教室棟から第1体育館への仮設渡り廊下も竣工して、生徒が利用しています。

 耐震化工事期間中は、安全面に最大限配慮すると共に、生徒の学校生活への影響をできるだけ防ぐ方針で取り組みます。今回の「熊本地震」を受け、生徒諸君にとっても改めて耐震化工事の重要性を認識してもらえるものと思います。地震、台風など大自然の脅威はいつ顕在化するか、人智の及ぶところではありません。5年前の東日本大震災の時に、私たち日本人は、自然の猛威に対し、畏れ、おののいた体験を持ちます。その体験が次第に風化してきたように感じてきた今、「熊本地震」が発生しました。大地震の前に無力感を覚えますが、やはり、災害への不断の備えに努めることが私たちの責務です。

 安全な学校であってこそ、安心して生活できます。耐震化工事をはじめ、今年度も安全・安心な学校づくりに努めたいと決意を新たにしました。


                 竣工した仮設の渡り廊下