校長室からの風(メッセージ)

最後の学年へのバトンリレー

最後の学年へのバトンリレー 

 平成29年度が始まる時、1年生がいない2、3年生在籍の前例なき期間に入るという不安を抱えていました。しかし、学校生活がスタートすると3学年そろっていた昨年度までと変わらない活気が校内にあふれ、例年通りの学校行事を全て実施することができました。さらに、PTAの特別のご配慮により、初夏には阿蘇への防災研修旅行、そして2月には福岡市のキャナルシティ劇場へのミュージカル鑑賞旅行を実現でき、充実した年度だったと思います。これも、3年生がリーダーシップを発揮し2年生をよく引っ張ってくれたお蔭だと考えています。

 2月末に学校評議員さんと3年生の4人の代表生徒との懇談の場を校長室で設けました。多良木町商工会代表、町立中学校長、同窓会役員さんなど5人からなる学校評議員さんから、高校3年間を振り返っての思いやこれからの夢などについて質問があり、生徒達は落ち着いて自分の考えを述べていました。そして、学校評議員さんから「最後に何か言っておきたいことはありませんか?」と尋ねられると、代表生徒たちは口をそろえて「後輩たちが残ります。最後の学年なので、どうか応援をよろしくお願いします。」と言いました。後輩の2年生たちへの気遣いある言葉に胸を打たれました。

 3月1日(木)の多良木高校卒業式において、卒業生代表(前生徒会長)の福田空希君が立派な答辞を述べました。一つひとつの言葉に思いが込められたもので、聴く者を引き込む力がありました。答辞の最後に福田君は次のように述べて結びました。

「後輩の皆さん、私たちは卒業しても多良木ファミリーとして可能な限り学校へ出向き多良木高校を応援します。後輩のみんなは、私たち以上に力があると信じています。」

 遠く大正11年から始まったバトンリレーはこうしてアンカーにしっかりと渡されたのです。

          
           答辞を読む卒業生代表の福田空希君