校長室からの風(メッセージ)

桜咲く校庭

桜咲く校庭

 4月3日(月)、多良木高校の平成29年度の始動の日です。この日に合わせるかのように校庭の桜も咲き始め、穏やかな春風の中、3分咲き程度の花が揺れています。中でも、正門近くの国旗掲揚台近くの桜は、来校者を歓迎するかの如く優美です。

 今年は例年になく桜の開花が遅れ、全国的なニュースとなっています。熊本県も大幅に遅れ4月1日に気象庁の開花宣言がなされました。平年であれば、満開の時期です。球磨郡の桜の名所で知られる水上村の市房ダム湖周辺の1万本の桜も開花が遅れ、先月末の村の「桜まつり」開催の時点では全く花は開いていませんでした。

 桜は日本人にとって春を象徴する特別の花であり、開花の知らせを聞くと、心がざわざわと浮き立つから不思議です。桜の季節になると必ず口ずさむ俳句があります。

 「さまざまの ことおもいだす 桜かな」(芭蕉)

 私たちは桜の花に「凝縮された時間」を見ているのでしょう。四季が巡り、再び春となり、ふと立ち止まって桜の花を愛でながら、過ぎた時間を思い返すのかもしれません。

 この春、多良木高校には新入生はいません。閉校まで2年となり、2年生、3年生の136人が学校生活を送る前例ない期間に入ります。人事異動に伴い、6人の職員が転出しました。しかし、新たに3人の職員を本日迎えました。校庭の桜は、新しい同僚を歓迎すると共に、春休み期間も毎日練習に励む部活動の生徒たちに対し優しく微笑んでいるかのような風情です。