校長室からの風(メッセージ)

それいけ野球部 ~ 夏の大会ベスト8進出

それいけ野球部 ~ 夏の選手権大会ベスト8進出

「あきらめない夏」を掲げて、第99回全国高等学校野球選手権熊本大会に臨んだ多良木高校野球部は、毎試合、筋書きのない熱いドラマを創りながら、準々決勝、ベスト8に進出しました。

 1回戦の大津高校戦は攻守ともにかみ合い9対0で快勝。2回戦の専大玉名高校戦は緊迫した試合展開で、1対1のまま延長戦に入り、11回裏、主将の若杉君のセンター前ヒットでサヨナラ勝ち。1,2回戦とも2年生エースの古堀君の好投が光りました。

 古堀君は東京都大田区の中学校を卒業して多良木高校に入学してきました。ご両親は多良木高校の同窓生で、高校はご両親の故郷で学びたい、そして強い公立高校野球部で野球に打ち込みたいという本人の意志で、本校を選んでくれました。あさぎり町の祖父母の家に住み、毎日、およそ10㎞の道のりを自転車で元気に通学しています。古堀君のような「孫ターン」の生徒は同学年に他に2人いて、それぞれ板橋区、足立区の中学校から本校に入学し、陸上部とバスケットボール部で活動しています。彼らの存在は、少子高齢化が進む地域に活気をあたえるものです。

 3回戦の八代東高校戦は、前半2対5とリードを許しながらも8回表に一気に5点を奪い逆転。古堀君を救援した3年生の城本君が気迫のピッチングを見せ7対6で勝利しました。8回の逆転劇の時の多良木高校側スタンドは歓喜と興奮に包まれました。多高校野球部の試合には、多良木町をはじめ地域の多くの方々が足を運んでくださいます。有志の「多良木高校野球部応援隊」はじめ、野球部を応援する「じじばばの会」というお年寄りの会もあります。卒業生、そして卒業生の保護者も今年は特に多く応援に来られています。

 閉校が来年度に迫りながら、それを感じさせない野球部の活躍に卒業生はじめ地域の方々が喜んでおられることを感じます。多良木高校野球部の試合はいつもハラハラドキドキの展開です。炎天下、こんなにも多くの人が一喜一憂し、勝っても負けても涙し、世代を超えて校歌を合唱する光景が見られるのは多良木高校ならではと思います。


               3回戦の試合前