校長室からの風(メッセージ)

「ボッチャ」を楽しむ ~ 球磨支援学校高等部との交流会

「ボッチャ」を楽しむ ~ 球磨支援学校高等部との交流会 

 

 「ボッチャ」という障がいのある人のために考案されたスポーツを知っていますか? 目標球である白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり転がしたり他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競う競技で、パラリンピックの正式種目です。ボールの大きさはソフトボールよりやや小さく、柔らかい素材でできています。

 1126日(月)午前、多良木町内にある県立球磨支援学校高等部の皆さんと多良木高校3年生とのスポーツ交流会を開催しました。昨年までは支援学校の方から本校を訪問され、グラウンドでティーボールを行ったのですが、今年は本校生が支援学校を訪ね、同校の体育館でボッチャを行いました。球磨支援学校高等部1年から3年までの43人と多良木高校最後の学年67人が混合で20チームをつくり、四つのコートに分かれてチーム対抗で実施しました。

 多良木高校の生徒にとってボッチャは初体験だったようです。運動機能に障がいがあっても楽しむことができるため、支援学校高等部の生徒の皆さんと一緒にできる軽スポーツとしては最適で、ボールの転がり方によって形勢が逆転する面白さに多高生も熱中していました。戸外は曇った冬空でしたが、体育館は笑顔と歓声があふれていました。

 2020年には東京パラリンピックが控えており、障がいのある人が楽しむスポーツへの関心が高まっています。その軽スポーツを共に楽しむことで、心の壁を取り払い、親睦を深めることが今日の交流会の目的でした。障がいのあるなしに関わらず、この球磨郡で学ぶ同じ世代の仲間です。自然体で交流する生徒たちの姿は実に爽やかで、心温まるものがありました。ただ一つ寂しく感じたのは、この交流会が今回で最後であるという事実です。閉会式で、これまでの交流への感謝の思いを多良木高校代表の西野君が述べました。

 人々の多様な在り方を相互に認め合える共生社会は、球磨支援学校及び多良木高校の生徒たちによって創られていくと期待しています。