校長室からの風(メッセージ)

様々な世代の人と共に在る学校

様々な世代の人と共に在る学校 

 本校ほど保育園と交流している高校は稀ではないかと思います。近隣にある光台寺保育園の園児たちは、しばしば本校まで「散歩」にきて、広いグラウンドを駆け回ります。毎年の体育大会では園児に特別参加してもらい、高校生と一緒にダンスを踊ります。本校玄関には園児たちの絵画や工作品を展示する専用スペースを設けています。園児たちとの交流は日常的です。昨日の1023日(火)も、同園の12人の2歳児さんが保育士の方々に引率され「秋の遠足」で来校しました。玄関で出迎えた担当の生徒たちが、プレゼントのキャラクターシールを手渡し、歓迎しました。

 保育園児と交流する高校生の表情はいつも柔らかく優しいものです。兄弟が少なくなり、身近に幼児がいない環境の生徒も多い中、幼く小さき者と触れ合うことは、高校生に大切なものを思い出させる機会になっています。保育園児が来校する度に、清少納言の次の言葉を思い出します。

 「なにもなにも ちひさきものは みなうつくし」(枕草子151段)

 また、23日(火)午後には、本校福祉教養コース及び家庭クラブの生徒15人があさぎり町深田にある高齢者介護施設の「翠光園」を訪問しました。「翠光園」と本校の交流は長く、およそ40年続いてきました。福祉教養コースの生徒の介護実習、または2年次での職場体験実習(インターンシップ)で毎年お世話になってきましたし、同園に就職している卒業生が幾人もいます。

 昨日は、生徒達の軽快なダンス披露から始まり、用意してきた紙芝居やクイズ等で80人近い入所者の方々と交流しました。最後、生徒達が手作りのカラフルな紙製メダルをお年寄りの首にかけて回ると、握手してその手を離さない方もいらっしゃり、生徒の中には感極まり涙を流す者もいました。交流会の閉式で入所者代表として御挨拶された方は百一歳のご婦人で、ひ孫のような高校生に対して感謝の思いを力強い言葉で述べられました。

 多良木高校は3年生67人の小さな学校です。しかし、地域の保育園児からお年寄りまで様々な世代の人々と共に在る学校であることを誇りに思います。