校長室からの風(メッセージ)

最後の大掃除

 

 「ただ今から、地域の皆さんと一緒に大掃除を始めます!」との私の挨拶で、2月19日(火)の午後、多良木高校最後の大掃除を行いました。家庭学習期間に入り2回目の登校日であった生徒達を中心に、教職員、保護者有志の方、そして本校所在の多良木町6区と近隣の7区、8区の住民の皆様にもご参加頂いての大掃除となりました。生憎の雨のため、外庭の掃除はできず、卒業式及び閉校式の会場となる第一体育館を中心に、校舎のトイレや廊下、正面玄関の清掃に取り組みました。

 近年、生徒数が減少する中、本校はより開かれた学校として、地域と連携した学校行事作りに努めてきました。体育大会や文化祭には大勢の地元の住民の方が足を運ばれ、生徒に熱い声援を送ってくださいました。また、生徒達も福祉の実習やボランティア活動等で積極的に地域社会に出て、公民館でのレクレーション活動、グラウンドゴルフ、郷土料理と様々な交流を重ねました。多高生は、地域の方々に見守られ、励まされ、成長してきたのです。

 欧米では、教会が中心となりコミュニティーが形成されています。一方、わが国では明治以来、学校が人々の拠り所として町の中心にあると言われます。「学校と共に」という人々の気持ちが反映しているのだと思います。多良木高校は創立以来97年間、いつの時も地域と共にありました。大掃除のお話を地域の区長さん達にお願いしたところ、「声をかけてくれてうれしい」とまで言ってくださいました。地域の皆さんの学校だと意識してくださっていることを誠に有難く思います。

 約一時間の大掃除終了後、第一体育館に全員集まり、記念写真を撮りました。

 体育館を出ると、雨が上がり薄日が射していました。この日は、二十四節気の一つの「雨水」(うすい)に当たるそうです。水がぬるみ、草木の芽が出始める頃と言われます。雨上がりの校庭に立つと、温かい土の匂いが漂っていました。来週は弥生三月です。

                   大掃除の後の集合写真